出会い系はじめてみたら幼馴染とマッチングした話

さかな

3. 初デート前夜

 マッチングしてからは週末の予定についての内容を業務連絡的にやり取りしたぐらいである。
 相手もあまり俺のことを聞いてこなかったし、下手に話してつまらないと思われてドタキャンなんてことが起こるのを恐れたからである。
 そんなこんなで協議の結果俺たちのデート場所は俺のアパートから2駅先のカフェということに決まった。
 そしてそんなデートの日もいよいよ明日に迫っているわけだが、ふとここで明日ちゃんとかなちゃんと喋れるかという不安に襲われた。
 かくいうおれは大学では男子率92パーセントを誇る工学部に属しており、サークルは女子マネージャーのいないむさ苦しいラグビーサークルということで大学に入ってから1ヶ月になるが、女の子とまともに話をしていないのである。
 いや、それをいうなら高校時代も似たようなものであったが。
 そういうわけだから1時間ほど脳内かなちゃんとの会話シミレーションにふけっていた俺をどうか気味悪がらないでほしい。
 と、童貞ぶりを隠しきれない俺はかなちゃんとのわんちゃんを夢見ながらとこについたのである。

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