EX冒険者の成長記

光井ヒロト

試験

今日は王立サイリア魔法学園の入学試験だ。試験は、筆記、武術、魔法の3要素で決まる。それぞれ100点満点の300点だ。レイは魔法と武術の自信はあったが、筆記が不安だった。いくら前世の記憶があっても不安だった。
「算数だなぁ…」
何を隠そうレイは大の算数嫌いだった。前世では、一応大学までの記憶がある。ただこの世界の算数のレベルをレイは知らないので、すごく心配だったのだ。レイは今伯爵なので王都に屋敷を持っている。その屋敷の執事のセバシエが学園まで馬車に乗せて連れていってくれる。
「着きました」
セバシエのその声と同時に扉が開いた。校門をくぐると、レイの婚約者のシリア第一王女がいた。
「おはようございます!レイ様」
「おはようございます殿下」
「ん!違う!やり直し!!」
「お、おはよう…シリア…」
「はい!では、行きましょうか」
試験会場では、すでに2人の公爵令嬢アイナとナミ、教皇と聖女がいた。
「おはようーレイ君!」
「おはようレイ君」
「おはようございますレイ様」
「おはようございますレイ様!」
「おはよう!アイナ、ナミ、教皇様、聖女様」
「私のことは教皇ではなくリンと呼んでくれ」
「私のことも聖女ではなくサイナと呼んでください」
「分かったよ!リン!サイナ!」
「名前で呼ばれるとちょっと恥ずかしいな」
「そ、そうですね」
2人は顔に手をあてて真っ赤にしていた。そのとなりではアイナとナミがニヤニヤしていてシリアは頬を膨らませていた。
「そうでした!お父様が試験が終わったら王城に来いとのことでした。何か話があるようで」
「じゃあ試験が終わったら向かうよ」
「いえ、私の馬車に乗ってください!一緒に帰りましょう!!」
「わ、分かったよ」
「試験が始まりますので、受験生は集まってください」
「じゃあ、行こうか」
5人は最初の筆記試験に向かった。内容は国語と算数、魔法学の3つだ。レイの不安要素、算数はそこまで難しくはなかった。というか、前世の小学生レベルの問題で安心しきっていた。筆記は難なく終わり、武術に移った。ベテランの冒険者の人が来て試験官をしていたが、EXランクのレイには相手にならなくすでに終わった。魔法も試験官の人に思いっきり打ってくださいと言われたので、ちょっと手加減した、超級魔法を打つと体育館が壊れ、深く大きいクレーターができてしまった。試験官はびっくりして倒れていた。一応直して学園を出た。外にはすでにシリアが待っていた。
「では、行きましょうか」
「うん」
このことが学園長から国王に伝わってレイは超級魔法以上を禁止されたのだった。

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