悪役令嬢はモブキャラになりたい
新入生歓迎パーティー
お茶会から4年すぎた。
4年間のあいだにあったことは、私が5歳のときに兄のイーストンが王都にあるアカデミーにはいったこと。 
ほとんどの貴族は7歳になるとアカデミーの小等学校に入る。
で、今年は私が入る。今日は入学式で、親と子供でパーティーみたいな感じのノリで行く。
まだ、小学生なのでそこまでしっかりした式ではないのだ。
実質、入学式というより入学歓迎パーティーみたいな感じ。
だから、今日は制服ではなくてパーティー用ドレス。
ちなみに、主人公のサラは男爵なのでアカデミーに入るのは高等学校から。 
そもそも、貴族のほとんどとは言うけど、王都に家があったり、屋敷がある貴族だけだ。
小等学校の場合、まだ寮制度ではないため王都にあるアカデミーにわざわざ何時間もかけて送り迎えをするなんて面倒くさすぎるしお金もかかってしまうので王都に家がない下級貴族はまだ通わないのだ。
私は公爵家なのでアカデミーまではすぐつくけど。
でもまあ、攻略キャラはみんな公爵家のイケメンだから絶対に小等学校には入学してくるだろう。
できれば、もうすでに知り合ってしまったイアン王子とは同じクラスになりたくない…。
「アリア様、馬車の準備ができましたよ。行きましょう。」
声をかけてくれたのはリーナだった。
なんだかんだ、リーナはずっと産まれた時からお世話になっていてメイドの中では1番親しく、1番心が近い。
「はい。」
普通の子だったらはしゃいでいたんだろうけど、正直ぜんぜんはしゃぐ気になれない。
むしろ、憂鬱だ。
できれば、学校であまり目立たない存在でいたいが、この髪の毛と顔的に無理だと察した。
〜馬車内にて〜
「アリアも、もう7歳か。」
「ええ。時間が進むのは早いわね〜。」
「そうだな。」
(…うちの親と同じこと言ってる)
そうだ、もうここ(ゲームの世界)に来てから7〜8年も経った。
今思えば、私が死んだあとどうなったんだろう。
私を殺した犯人は捕まったのだろうか。あれは本当に通り魔だったのだろうか。それとも私に恨みのある人物だったのだろうが。
さされたときの犯人は笑っていた気がした。
 思い出したら吐き気がした。 
「どうした?顔色が悪いぞアリア!」
『あ、大丈夫です。少しだけ酔っただけなので。』
笑みを向けて安心させる。
「そうか。なんかあったらすぐ言うんだぞ!」
「そうよ、アリアちゃん!」
『ありがとう。』
なんていい親だ。あらためてなんでこの親から悪役令嬢が産まれたのか謎すぎる。
そんな会話をしてるといつのまにかアカデミーについたようだ。
普通に歩いて行けるんじゃと思ったけど、公爵令嬢が街をほっつき歩いていたらいつ誘拐されるか分からないので諦めた。
「もしかしたら、イーストンにも会えるかもしれないわね。」
イーストンは私より2年先輩だから3年生だ。
アカデミーは基本的に三年制なので小等学校も中等学校も高等学校も3年生で卒業。
16歳で成人らしいので卒業したらもう普通に役職につかないといけない。
やっぱり、異世界って成人がはやいらしい。
もちろんお酒を飲める年齢も成人と同じ。
「会場は入ってすぐのところだから迷わずに済むわね。」
「2回目だから大丈夫だろう。」
なんて幸せな夫婦なんだと思う会話に励まされた。
今は、また新しく人生を満喫しようと。
でもそう簡単にいかないのが現実だけどね。
会場に入ると結構、すでに来ている人がいた。
キラキラしたドレスを身にまとって集まっている女子軍がいくつかとキラキラと少年してる男子軍がいくつかある。
それ以外でいうとキラキラした親軍もいくつか。
多分、うちの親は何もしなくてもキラキラ軍にいると思う。
「ご機嫌〜。」
ほらね。
「アリアちゃんは他の子と仲良くしてていいわよ!お母さん達はここら辺にいるからね!何かあったら来るのよ!それと、お兄ちゃんは舞台の方にいると思うわ!」
そうして、私の親はキラキラ軍に遠慮なく馴染んで行った。
たぶん、私に友達がいると思っているのだろう。
でも、お茶会のとき半分以上イアンと過ごしていたため交流がなくて友達なんて一人もいない。
正直、この先なにかあったときのために小さい頃からの付き合いで仲のいい人が1人でもいた方がいいのは確実だ。
できれば、このパーティーをきに、味方を沢山つけたいところだけど…………。
今、会場内でぽつんと1人でいるのが現実だ。
女子軍に入りたいけどどこに入ればいいか分からないし、だからといって男子軍に入ると引かれるので嫌だ。
もういっそのこと、無理して今友達を作らずに兄のところへ行った方がいいかもしれない。
そうときたら、さっそく舞台の方まで行こう。
そういえば、さっきからイアンの姿を見ない。
ていうか、いたら女子に囲まれてすぐ分かるけどそんな様子がない。
まだ登場してないのだろうか。
たしか、この学年で1番権力があるから新入生代表として舞台で挨拶をするはずだからもう舞台裏にいるのかもしれない。
けどその予想はすぐに消された。
「もしかして、アリア?」
聞き覚えのある優しい声。この声は間違いなく、
『イアン王子?』
「やっぱり、アリアだ!」
4年の間にかなり少年っぽくなったイケメン王子が笑っていた。
『あ、あのあまり大きい声を出すと大変なことになりますよ。』
嫌だ。小一から王子と親しくして悪い意味で目立つのは嫌だ。
「ごめん、つい…。久しぶりですね。アリア様。」
急に敬語を使って喋るイアン。
というか、王子という感じがとても出てる。礼儀正しく優しい王子って感じの、いわゆる理想の王子だ。
(これは…モテるわ……)
このさき苦労するだろうなと思った。
結局、他人事。
『ええ、久しぶりですね。』
「そういえば、同じクラスだったね。」
(え?そうなの?)
友達のことばっかり考えてたからクラス表なんてあることも知らなかった。
『そうだったんですね。』
「まだ見ていなかったの?」
『あ、アハハ〜…。』
同じクラスは嫌だったのに。
なんか、この先が思いやられる。
「えっと…パーティー終わったら、お茶しよ?」
なんだろう。もしかして、他の子も誘ってるのかもしれない。
いや、誘われたから私のことも誘ったとか?
『いいですよ。どこでするんですか?』
「え、えーと…僕の家じゃダメかな…」
『ダメじゃないです。じゃあパーティー終わったら馬車で向かいますね。』
これはあとで親に言わないと。
「あ、僕の馬車でいかない?わざわざ違う馬車で行く必要はないし。」
『え、わかりました。』
なんでこんなに距離を縮めたがるのだろう。
どうせ、高校生になったらこの人は主人公のサラに一目惚れするのに。
「ありがとう!じゃあ僕は舞台挨拶があるからね。バイバイ」
いちよう、笑顔で手を振っとく。
結局、兄には会えなかった。
まあ、あとで顔を出しとこう。
《新入生を代表してイアン・ジェイ・サンチェス王子から挨拶があります。》
会場が暗くなり舞台が明るくなった。
真ん中にイアンがいる。
「この度、…………………」
イアンの舞台挨拶が終わると、照明が戻り会場もまたザワザワした。
でもそのザワザワはほとんどイアンのことについてだった。
女子軍に至っては、舞台の方に行ってイアンが出てくるのを待ち伏せしている。
あの王子の性格なら素直に出て女子の対応をする可能性もあるけど、わざと裏口から出る可能性もあると思う。
女子軍の中にはルーシーとその取り巻きもいるから怖いのかもしれない。
それに、見た感じルーシーが悪役令嬢っぽくなってる…。
私がいないとルーシーが完全悪役令嬢になってしまうのか……
で、舞台挨拶から何分たっても王子が姿を現さずにいるため女子軍の雰囲気は最悪だ。
多分、今絡むとめんどくさいことになりそう…。
ところで、さっきから男子軍の目線が刺さるのだが、私はなにか悪いことはしただろうか。
それとも、色気を出しているだろうか。
色気は出てないし悪いことにも心当たりがないから余計怖い。
「アリア・ルイーズ・ベネット様ですか?」
不意に声をかけられた。
振り向くと、いかにもナルシストみたいな男子がいた。
『そうですけど…。』
なんか、私の嫌いなタイプだ。
いかにもチャラそうで女をもて遊んでそうな感じ。顔はまあ美形だが性格が態度にあらわれている。
「俺は、ルイス・ロバート・モラレスです。アリア様と同じクラスなんてとても光栄です!」
キラキラした笑顔を向けられるが、イアンと比べたらやっぱり…イアン…………
『え、ええ。』
とりあえず、笑い返しとく。
「アリア様、このあと俺の家でお茶しませんか?とっておきのがあってぜひアリア様に飲んでもらいたいのです。」
これって半分ナンパじゃないか?
ついさっき会ったばかりで彼が私のことを知っているかは置いといて、私は彼と完全、初対面なんだけど。
それに、今回は先客がいるし。
『せっかくですが、あいにく先にお茶する約束をしていまして…。』
驚いた顔というか、悔しそうな顔をしている。多分コイツ、ナンパ常習犯だと思う。
「その…誰と約束したんですか?」
…それを聞くのは失礼だと思いますが。まあまだ7歳だし大目に見るけど。
でもイアン王子となんて言ったら騒ぎになりそうだから言いたくない。
『え、えーと…小さい頃からの知り合いですよ。』
嘘はついてない。うん。
これで納得してくれるといいのだが。
「そうなんですか。それでは失礼します。」
(うわ、コイツ態度変わりすぎ)
明らかに残念そうな顔というか悔しそうというか、そんなような顔をしてもといた男子軍へ帰っていった。
私もずっと立っていて疲れたので外に出て空気を吸いに行こう。
外にでて、座れそうなところを探すと中庭か裏庭のようなところについた。
(座るところあった!)
行こうとしたけど、なにやらもう先客がいたみたいだ。
なんとなく、悪い人ではない気がしたから行ってみることにした。
たぶん、男の子だ。
下を向いて座っていて落ち込んでいるように見えた。
(話かけてみよう)
『どうしたんですか?』
声をかけるとそれにきずいたのか、こちらを向いて驚いた顔をした。
よく見るとけっこう美形。
「…なんでもないです…。」
絶対、なんでもなくない。
『私はアリアです。貴方の名前はなんですか?』
「………僕は、」
4年間のあいだにあったことは、私が5歳のときに兄のイーストンが王都にあるアカデミーにはいったこと。 
ほとんどの貴族は7歳になるとアカデミーの小等学校に入る。
で、今年は私が入る。今日は入学式で、親と子供でパーティーみたいな感じのノリで行く。
まだ、小学生なのでそこまでしっかりした式ではないのだ。
実質、入学式というより入学歓迎パーティーみたいな感じ。
だから、今日は制服ではなくてパーティー用ドレス。
ちなみに、主人公のサラは男爵なのでアカデミーに入るのは高等学校から。 
そもそも、貴族のほとんどとは言うけど、王都に家があったり、屋敷がある貴族だけだ。
小等学校の場合、まだ寮制度ではないため王都にあるアカデミーにわざわざ何時間もかけて送り迎えをするなんて面倒くさすぎるしお金もかかってしまうので王都に家がない下級貴族はまだ通わないのだ。
私は公爵家なのでアカデミーまではすぐつくけど。
でもまあ、攻略キャラはみんな公爵家のイケメンだから絶対に小等学校には入学してくるだろう。
できれば、もうすでに知り合ってしまったイアン王子とは同じクラスになりたくない…。
「アリア様、馬車の準備ができましたよ。行きましょう。」
声をかけてくれたのはリーナだった。
なんだかんだ、リーナはずっと産まれた時からお世話になっていてメイドの中では1番親しく、1番心が近い。
「はい。」
普通の子だったらはしゃいでいたんだろうけど、正直ぜんぜんはしゃぐ気になれない。
むしろ、憂鬱だ。
できれば、学校であまり目立たない存在でいたいが、この髪の毛と顔的に無理だと察した。
〜馬車内にて〜
「アリアも、もう7歳か。」
「ええ。時間が進むのは早いわね〜。」
「そうだな。」
(…うちの親と同じこと言ってる)
そうだ、もうここ(ゲームの世界)に来てから7〜8年も経った。
今思えば、私が死んだあとどうなったんだろう。
私を殺した犯人は捕まったのだろうか。あれは本当に通り魔だったのだろうか。それとも私に恨みのある人物だったのだろうが。
さされたときの犯人は笑っていた気がした。
 思い出したら吐き気がした。 
「どうした?顔色が悪いぞアリア!」
『あ、大丈夫です。少しだけ酔っただけなので。』
笑みを向けて安心させる。
「そうか。なんかあったらすぐ言うんだぞ!」
「そうよ、アリアちゃん!」
『ありがとう。』
なんていい親だ。あらためてなんでこの親から悪役令嬢が産まれたのか謎すぎる。
そんな会話をしてるといつのまにかアカデミーについたようだ。
普通に歩いて行けるんじゃと思ったけど、公爵令嬢が街をほっつき歩いていたらいつ誘拐されるか分からないので諦めた。
「もしかしたら、イーストンにも会えるかもしれないわね。」
イーストンは私より2年先輩だから3年生だ。
アカデミーは基本的に三年制なので小等学校も中等学校も高等学校も3年生で卒業。
16歳で成人らしいので卒業したらもう普通に役職につかないといけない。
やっぱり、異世界って成人がはやいらしい。
もちろんお酒を飲める年齢も成人と同じ。
「会場は入ってすぐのところだから迷わずに済むわね。」
「2回目だから大丈夫だろう。」
なんて幸せな夫婦なんだと思う会話に励まされた。
今は、また新しく人生を満喫しようと。
でもそう簡単にいかないのが現実だけどね。
会場に入ると結構、すでに来ている人がいた。
キラキラしたドレスを身にまとって集まっている女子軍がいくつかとキラキラと少年してる男子軍がいくつかある。
それ以外でいうとキラキラした親軍もいくつか。
多分、うちの親は何もしなくてもキラキラ軍にいると思う。
「ご機嫌〜。」
ほらね。
「アリアちゃんは他の子と仲良くしてていいわよ!お母さん達はここら辺にいるからね!何かあったら来るのよ!それと、お兄ちゃんは舞台の方にいると思うわ!」
そうして、私の親はキラキラ軍に遠慮なく馴染んで行った。
たぶん、私に友達がいると思っているのだろう。
でも、お茶会のとき半分以上イアンと過ごしていたため交流がなくて友達なんて一人もいない。
正直、この先なにかあったときのために小さい頃からの付き合いで仲のいい人が1人でもいた方がいいのは確実だ。
できれば、このパーティーをきに、味方を沢山つけたいところだけど…………。
今、会場内でぽつんと1人でいるのが現実だ。
女子軍に入りたいけどどこに入ればいいか分からないし、だからといって男子軍に入ると引かれるので嫌だ。
もういっそのこと、無理して今友達を作らずに兄のところへ行った方がいいかもしれない。
そうときたら、さっそく舞台の方まで行こう。
そういえば、さっきからイアンの姿を見ない。
ていうか、いたら女子に囲まれてすぐ分かるけどそんな様子がない。
まだ登場してないのだろうか。
たしか、この学年で1番権力があるから新入生代表として舞台で挨拶をするはずだからもう舞台裏にいるのかもしれない。
けどその予想はすぐに消された。
「もしかして、アリア?」
聞き覚えのある優しい声。この声は間違いなく、
『イアン王子?』
「やっぱり、アリアだ!」
4年の間にかなり少年っぽくなったイケメン王子が笑っていた。
『あ、あのあまり大きい声を出すと大変なことになりますよ。』
嫌だ。小一から王子と親しくして悪い意味で目立つのは嫌だ。
「ごめん、つい…。久しぶりですね。アリア様。」
急に敬語を使って喋るイアン。
というか、王子という感じがとても出てる。礼儀正しく優しい王子って感じの、いわゆる理想の王子だ。
(これは…モテるわ……)
このさき苦労するだろうなと思った。
結局、他人事。
『ええ、久しぶりですね。』
「そういえば、同じクラスだったね。」
(え?そうなの?)
友達のことばっかり考えてたからクラス表なんてあることも知らなかった。
『そうだったんですね。』
「まだ見ていなかったの?」
『あ、アハハ〜…。』
同じクラスは嫌だったのに。
なんか、この先が思いやられる。
「えっと…パーティー終わったら、お茶しよ?」
なんだろう。もしかして、他の子も誘ってるのかもしれない。
いや、誘われたから私のことも誘ったとか?
『いいですよ。どこでするんですか?』
「え、えーと…僕の家じゃダメかな…」
『ダメじゃないです。じゃあパーティー終わったら馬車で向かいますね。』
これはあとで親に言わないと。
「あ、僕の馬車でいかない?わざわざ違う馬車で行く必要はないし。」
『え、わかりました。』
なんでこんなに距離を縮めたがるのだろう。
どうせ、高校生になったらこの人は主人公のサラに一目惚れするのに。
「ありがとう!じゃあ僕は舞台挨拶があるからね。バイバイ」
いちよう、笑顔で手を振っとく。
結局、兄には会えなかった。
まあ、あとで顔を出しとこう。
《新入生を代表してイアン・ジェイ・サンチェス王子から挨拶があります。》
会場が暗くなり舞台が明るくなった。
真ん中にイアンがいる。
「この度、…………………」
イアンの舞台挨拶が終わると、照明が戻り会場もまたザワザワした。
でもそのザワザワはほとんどイアンのことについてだった。
女子軍に至っては、舞台の方に行ってイアンが出てくるのを待ち伏せしている。
あの王子の性格なら素直に出て女子の対応をする可能性もあるけど、わざと裏口から出る可能性もあると思う。
女子軍の中にはルーシーとその取り巻きもいるから怖いのかもしれない。
それに、見た感じルーシーが悪役令嬢っぽくなってる…。
私がいないとルーシーが完全悪役令嬢になってしまうのか……
で、舞台挨拶から何分たっても王子が姿を現さずにいるため女子軍の雰囲気は最悪だ。
多分、今絡むとめんどくさいことになりそう…。
ところで、さっきから男子軍の目線が刺さるのだが、私はなにか悪いことはしただろうか。
それとも、色気を出しているだろうか。
色気は出てないし悪いことにも心当たりがないから余計怖い。
「アリア・ルイーズ・ベネット様ですか?」
不意に声をかけられた。
振り向くと、いかにもナルシストみたいな男子がいた。
『そうですけど…。』
なんか、私の嫌いなタイプだ。
いかにもチャラそうで女をもて遊んでそうな感じ。顔はまあ美形だが性格が態度にあらわれている。
「俺は、ルイス・ロバート・モラレスです。アリア様と同じクラスなんてとても光栄です!」
キラキラした笑顔を向けられるが、イアンと比べたらやっぱり…イアン…………
『え、ええ。』
とりあえず、笑い返しとく。
「アリア様、このあと俺の家でお茶しませんか?とっておきのがあってぜひアリア様に飲んでもらいたいのです。」
これって半分ナンパじゃないか?
ついさっき会ったばかりで彼が私のことを知っているかは置いといて、私は彼と完全、初対面なんだけど。
それに、今回は先客がいるし。
『せっかくですが、あいにく先にお茶する約束をしていまして…。』
驚いた顔というか、悔しそうな顔をしている。多分コイツ、ナンパ常習犯だと思う。
「その…誰と約束したんですか?」
…それを聞くのは失礼だと思いますが。まあまだ7歳だし大目に見るけど。
でもイアン王子となんて言ったら騒ぎになりそうだから言いたくない。
『え、えーと…小さい頃からの知り合いですよ。』
嘘はついてない。うん。
これで納得してくれるといいのだが。
「そうなんですか。それでは失礼します。」
(うわ、コイツ態度変わりすぎ)
明らかに残念そうな顔というか悔しそうというか、そんなような顔をしてもといた男子軍へ帰っていった。
私もずっと立っていて疲れたので外に出て空気を吸いに行こう。
外にでて、座れそうなところを探すと中庭か裏庭のようなところについた。
(座るところあった!)
行こうとしたけど、なにやらもう先客がいたみたいだ。
なんとなく、悪い人ではない気がしたから行ってみることにした。
たぶん、男の子だ。
下を向いて座っていて落ち込んでいるように見えた。
(話かけてみよう)
『どうしたんですか?』
声をかけるとそれにきずいたのか、こちらを向いて驚いた顔をした。
よく見るとけっこう美形。
「…なんでもないです…。」
絶対、なんでもなくない。
『私はアリアです。貴方の名前はなんですか?』
「………僕は、」
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