絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~
0267★寝ぼけた幻獣【カーバンクル】の雛に指先を齧られてしまいました
素足のなった足裏に感じるジュータンの気持ち良さに、無意識の微笑みを浮かべながら、微睡むリオウに縋って待っていた白夜に声をかける。
「ただいま白夜、今日やることは終わったから、もう寝るか?
不定期に、急成長を繰り返す白夜の身体には
とにかく、休息が必要だからな
っと、その前にその幻獣【カーバンクル】の雛のメシだな
起きたかぁ? 確か何でも食べるんだったよな
体重の2倍ぐらいだっけか? それより食べる可能性もあるし
果物も余分にあるから、ちょっと起こしてメシを出してみるか?
匂いに反応して、条件反射で普通に食べるかも知れないしな」
そう言いながら、だいぶ気温が低くなって来たので、古い家屋に在るような鎧戸らしきモノで窓を閉じ、更にガラスのようなモノで窓を閉めて、厚手のカーテンを閉める。
なるほど、中から完全防備できるようになっているんだな
これは、旅の途中で夜盗とかに襲われた対策かな?
魔物や大型のキケンな動物もいるようだしな
だが、流石にあの巨大恐竜クラスの虹色オオトカゲに襲われたら……
もう、どうしようもないだろうな………普通の旅人だったら………
じゃなくて、こっちにも、強化ガラスみたいなモンが存在するんだな
普通に、窓の開け閉めもできるし………そこに、厚手のカーテン
うん、なんか普通に生活できそうだな
馬車ン中は普通に拡張魔術も組み込まれていて広いしな
いやいや、それよりも幻獣【カーバンクル】の雛にメシ食わせねーと
まぁ、見るからに弱っているようには見えなかったから………
たぶん起きないは、今までの環境がきつくて、睡眠不足だったんだろうな
神護は左右の窓の戸締りをした後、幻獣【カーバンクル】の雛が入った鳥籠に被せた、水の精霊の加護の刺繍の入った布を外してベッドへと放り投げる。
そして、鳥籠のドアのカギを外して、手をソッと入れて、指先で軽く撫でながら声を掛けてみる。
「おぉ~い…起きろぉ~…メシだぞぉ~………」
そう言いながら、神護はとりあえずインベントリに放り込んである李紅の果実を鼻先へと出してみる。
と、【カーバンクル】の雛は両目の辺りを小さな手でコシコシした後、神護の足しだした李紅にそのまま齧り付いた。
が、実はまだ目を瞑ったままである。
「んぅ~……こいつ、目は開いていたよな」
確認するように言う神護に、白夜は頷いて言う。
「はい ちゅんと目は開いてましたよ
とても綺麗な 蒼紫色でしたよ
たしか【カーバンクル】の中でも最上位の色だったと思います
この色が出るのは メスだけとも書かれていました
オスの最上位は紅紫色って書いてあったように記憶してます
番になる【カーバンクル】が居ればいいんですけど………
こままじゃ可哀想ですよね」
自分と立場を重ねる白夜に、神護は笑って言う。
「捜してやればイイさ、どうせあての無い旅なんだから
白夜と同じ、飛翔族の者を集める時に一緒に探せばイイだろ」
そういう話しをしている間に、神護が鼻先に差し出した李紅は綺麗に【カーバンクル】の口から腹に収まったらしい。
ちなみに、がっついていたセイで、神護は指先をしっかりと齧られていた。
指先に走った痛みに、神護は齧られたコトを知る。
が、たいしたコトも無いので、反対の手で頭を撫でて、傷付けられて出血している指先を鳥籠から出して、治癒の為の呪文を唱える。
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