絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0266★幻獣【カーバンクル】の雛はなにを食べる?



 じゃなくって、あの幻獣【カーバンクル】の雛のご飯ってなんだ?
 ここは白夜に聞くかな? 俺には、そういう知識が無いし………
 まだ、ちゃんと整理整頓が終わって無いようだから、捜せないしな

 おとなしいから、まだ熟睡しているのかもしれないな
 流石に、この熱砂の礫砂漠れきさばくン中は、幾ら馬車ン中でも
 雛だけにキツかったんだろうな

 もしかしたら、育成に精霊の加護が必要なのかもしれないしな
 水の精霊の加護が刺繍されたあの布をかけたのは正解かもな

 しっかし、白夜の飛翔族といい、ホタルの翼竜族といい
 アデルにもらった、幻獣【カーバンクル】の雛といい
 見事に絶滅危惧種ばっかりじゃねぇ?

 いや、どれも可愛いからイイんだけどさ
 残り数匹とか数頭なんて、絶対に哀しいじゃん

 どこまで出来るかは、流石にわからないけど
 俺の手ですくえるモノは救ってやりてーな………じゃない

 とりあえず、白夜に幻獣【カーバンクル】のコトを聞かないとな

 「さて、俺達の食事は終わったな
  ときに白夜、そこの幻獣【カーバンクル】の雛のご飯、お前わかるか?

  そういう知識、どうやら俺にはナイなんでな
  なにか知っているか?

  まだ眠っているようだけど、起きたら何か食べさせてやらないとな
  成長に栄養は必要だからな」

 神護の質問に、白夜は遠い昔に見た文献のひとつを思い出す。

 「父上 たぶんこの子はなぁ~んでも食べますよ
  だいぶ昔ですが そういう記述を読んだコトあります

  みかけによらず とても大食漢だとも書いてありましたよ
  成獣になってしまえば 果実だけでもイイようですが

  成長中は栄養がとにかく必要なので 肉もバンバン食べるって話しです
  おおよそ 自分の体重の倍は食べるそうです…が、まだ眠ってますね」

 ピラッと水の精霊の加護を刺繍された布をちょっとだけ捲くり、雛の様子を確認した白夜は無意識に肩を竦めていた。

 「そっか、んじゃそいつは起きたらメシだな
  ついでに、ソレが起きるまでに、名前も考えておけよ白夜

  とりあえず、俺は馬達の様子を確認して来るから
  ここでリオウと待っててくれな」

 そう言って、神護は馬車から出て、馬達のいる後ろの馬車へと向かった。

 神護は、馬達を1度外に出して、トイレをさせてやり、その間に飼葉桶や水入れを片付け、ゆっくりと休めるようにしてやる。

 1台目の馬達を出し、中を片付けてから、2台目の馬達を出して、片付ける。
 そして、3台目の馬車の馬達を出して、中を片付け終えた神護は、1台目の馬車に戻り、用足しを終えた馬達を入れながら、フードを掛けてやる。

 「う~ん…だいぶ、吹き付ける風が冷たくなってきたなぁ………
  砂漠の夜は、意外と冷えるからなぁ………」

 そう呟いた神護は、2台目の馬達のフードを被せて馬車中にしまい、3台目の馬達のフードを被せて、馬車の中へとしまった。
 こうしないと、夜に蠢く肉食獣達に襲われてしまうからだ。

 そうして、1番前の馬車に戻った神護は、外敵から身を守る為の守護結界を張る。

 「これで、ヨシと………」

 そう呟いた神護は、いそいそと暖かい馬車の中に、内側の鍵を閉める。
 そして、編み上げの履物を脱いで、大きく溜め息を吐いた。

 やっぱ……まだ、ちょっと慣れねぇ~なぁ…安心感と安定感はあるけどな
 とにかく面倒臭い………ついでに、拘束感があるからなぁ~………
 とは言っても、白夜を狙う輩と何時戦闘に突入するか判らないからなぁ…







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