絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0254★どうやら、お腹が空いてきているようです


 ふふふふっ………しっかし、こうしていると思い出すよなぁ~………
 母さんを恋しがって泣く、小さな優香や唯香を抱っこしていたことを

 それを考えると、白夜はマジであっという間だろうなぁ………
 優香や唯香の大きさを超えるのなんて………

 神護は、腕の中で神妙にしている、白夜の黒髪を撫でてやりながら、瞬く間に大きくなってしまうだろうと想像できる、白夜を見下ろす。

 ほんと、白夜が犬とかだったら、その足の大きさで、成長ぐあいと
 将来の大きさが判るんだけどなぁ~………

 でも、白夜って卵から孵った子だし……
 背中には、鳥と同じ一対の翼もあるんだから
 どう見ても、鳥の成長と一緒だよなぁ……たぶん

 だから、全然白夜の成長の予測がつかねぇ~よ…マジで……

 「痛みはどうだ? 白夜?
  それだけ、翼と身体が大きくなったんだ

  一応は、、翼の付け根には、保護兼ねた痛み止め【ルシフェル】の樹液を塗ったし
  治癒魔法もかけたけど、まだ、痛みがあるんじゃねぇーか?」

 神護の問いかけに、コクッと頷いて、白夜は自分の肘と膝を撫でる。

 「えぇ~とぉ……肘と膝が…なんか こう 痛いですぅ
  あと 足首や手首にも…鈍い妙な痛みがあります………」

 白夜からの申請に、神護は無意識に手のひらに癒しの光りを集める。

 ふぅ~ん…人間でいうところの…成長期にある痛みと同じ部分だな
 やっぱり、急成長した部分は悼むだな

 「なるほど、たぶんソレは成長期痛だろうなぁ
  まぁ…落ち着けば、ある程度の痛みは引くだろうが
  成長するたびに痛むのはしょーがねぇーな……

  たぶん後、このまま馬達が順調に走ってくれれば、3日~4日ぐらいで
  彩湖さいこ王国の東の端にあるっていう、美里みさと街に着くだろうから
  そこに着いたら、少しゆっくりしような

  白夜の身体が落ち着くまで、美里みさと街でのんびり過ごすのもイイだろう
  その間に、白夜の弟のグレンを取り返せばイイしな」

 そう言いながら、神護は集めた癒しの光を手のひらにまとわせたまま、白夜の膝や肘を優しく撫でる。
 優しい顔でそう言いながら、肘と膝をなでられた白夜は、神護が撫でるたびに痛みがすぅ~っと引き、何か暖かいものが浸透してくるのを感じて、うっとりしながらも、嬉しそうにコクコクと頷く。

 確か 彩湖さいこ王国の美里みさと街には美味しい魚と
 珍しい果物が 結構 色々とあった筈です
 とても楽しみですね

 そして、白夜は本能の命じるままに言う。

 「はい 父上 ゆっくりと 彩湖さいこ王国の美里みさと街を見物しながら
  美味しいモノをたぁ~ぷりと食べたいですね

  新鮮な果物や お魚なんかが楽しみですぅ~
  普段 父上が獲ってくれる獲物とは違うモノが
  いっぱいあると良いですね」

 白夜は、急成長したコトによって味わっている身体の痛みを、癒しの光りのお陰で、一時忘れて、美里みさと街で食べられるモノに思いを馳せる。

 ぅん~……なんとなくだが、白夜ってば、かなり食べ物に
 こだわっている言葉が出ているから………これは、腹が減ったんだな

 翼と共に、身体も急成長したセイで、栄養を欲しがっているのかも……
 身体と翼の為にも、なんか美味しいモノを作るかな

 幸い、新しい香辛料なんかも手に入ったしな
 あっ…と……あの幻獣【カーバンクル】の雛って何を食べるのかな?
 とりあえず、白夜に聞いてみっか?知っているかって?

 美里みさと街で食べられるだろう魚や果物を夢想する白夜に、神護はちょっと考えてから頷く。

 「ああ、そうだな……楽しみだな……」

 そう言いながら、神護は馬車の窓にかかるドアを開き、カーテンをツイッと避けて外の風景を確認する。










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