絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~
0248★変則的な成長をしているようです
そんなことを考えながら、神護は白夜の背中の翼を確認する為に、膝から降ろして言う。
「白夜、背中の翼の状態を確認するから…………
ちょっと、そこに立ってくれるか?」
「はい 父上」
素直に立った白夜を確認した神護は、なるほどと頷く。
「ふむ、やっぱり、今回は身体と一緒に翼も大きくなったようだな
頭の位置が高くなっているぞ、白夜
翼も肩からかなり上に出るようになったな
よし、付け根を見てやるから、向こうを向いてみろ」
神護の反応を心配そうに見ていた白夜は、何時もと変わらない神護の様子に、ホッとした表情を見せて、いそいそと背中を見せる。
白夜に着せてある服は、女児用のドレスなのだ。
なんせ、卵から孵った時はスッポンポンだったから…………。
神護が持っているモノで、唯一白夜が着れるモノがドレスだったから。
そのドレスは、前回大きくなった時に、翼を痛めないようにと、背中を大きく切り開いていたので、急成長しても障害にはなっていなかった。
が、流石に、簡単に脱ぎ着が出来ない上、成長した翼を傷める危険性があるので、神護はドレスを切ることにした。
「白夜、もうこのドレスは限界だからな、切るぞ
幸いなコトに、新しい着替えも手に入ったから、良いな」
神護のセリフに、白夜は素直に頷く。
「はい 父上」
頷いた白夜を確認し、神護は腰に挿していた短剣で、翼に負担を掛けないようにスゥーと切る。
白夜のすっぽんぽん状態の背中を確認すれば、ミシッと大きくなったセイで、付け根の部分はかなりの血が滲んでいた。
そして、今もジクジクと血が滲みながら、付け根の部分の肉がヒクヒクと震えながら、神護の目の前でじわじわと盛り上がって来ていた。
うわぁ~……マジで、リアルに肉芽が蠢いてるぜ
う~ん…そりゃ~…こんだけ活発に細胞が動けば、痛てぇ~よなぁ…
今回の成長はすごいな
多分だが………高栄養の風糖やハチミツ
それに虹色オオトカゲの幼体の肉とか、火熊に
《ちかご》とかを食べた分の栄養が、身体全体に回ったんだな
「あぁ…こりぁ~…確かに、痛てぇーな……えぇーと……………」
そぉ~と、痛みを与えないように気遣いながら、盛り上がり始めている肉に指先を触れさせて、神護は記憶の中から治癒系の呪文を引き出し、とりあえず唱えてやる。
これで、少しは痛みが薄くなるだろう?
たぶん………今までより痛いよな今回はも同時に成長しているし………
翼だけの成長の時よりも、消耗がかなり激しいようだな
神護が触れた瞬間、ほんの一瞬だけ身体と翼を振るわせたが、白夜はおとなしくしていた。
一心不乱に治癒系の痛みを和らげる呪文を繰り返し唱える神護は、指先に感じていた肉の蠢きが停止したことを感じて、指先を外し、呪文を唱えることを止める。
それからおもむろに、体内で眠る【ルシフェル】を呼び出し、指先から治癒の補助と痛みを和らげる、プルプルしたジェル状の樹液を出して、両方の翼の根元に塗布する。
流石に、神経剥き出し状態に近いからなぁ………
ここは【ルシフェル】の樹液で、擬似的な体液と皮膜を作ったが
これも、どの程度持つかな?
「ぅん………とりあえず、急激な成長は治まったようだな
とりあえず、痛み軽減の為の薬を塗っといたぞ
しかし、お前の成長って、こういうモンなのか? 白夜
これって、飛翔族特有の成長の現象なのか?」
神護に問われた白夜は、少しだけ躊躇った後に、コクッと頷く。
「たぶん……かなり変則的ですけど 転生したセイだと思います
まぁ…たぶん……脱皮しないだけ マシっていう感じだと思います」
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