絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0229★神護、旅商人アデルと交渉する?


 「ふぅ~ん、あんたも大変そうだな、イイぜ
  ここにある巨大虹色オオトカゲの肉を売ってやるよ

  その身体を維持してるんだ、相当イイ商売してるんだろうし
  その代わり、馬と馬車と適当な食料を頼むかな

  ああ、あとは、金も欲しいな
  今、持ち合わせがほとんどねぇーんだよ

  変な、見たことも無いでっけぇー虫にあっちの方で
  襲われちまってよぉ……

  全財産、ほとんどパーだからよ
  俺は息子と二人、命からがらで森ン中に逃げてよぉ………

  そしたら、今度は、変な獣人に襲われるしよぉ………
  ……ったく、散々だったぜ

  まっ…そこで、あそこに居るヒリュオンの子供が
  ヨーテの集団に襲われていたんだ

  なりはでけぇ~けど、まだまだ子供なんで可哀想だと思って
  助けたら懐いてよぉ……子守がわりにもなるんでな

  少し前に、やぁ~っとあのおっきな森から出てこれてな
  砂漠ン中を走る街道をめざしていたところなんだけど

  なんか方向感覚を狂わされちまったんで
  もう、どっちが都市の方かも判らなくて困ってたんだ

  だから、あの虹色オオトカゲの肉と相当分のモノを
  適当に、お前の采配で色々と用意してくれねぇーか?
  俺は、それでイイからさ

  そしたら、一番近い都市への道を教えてくれ……
  取り敢えず、そこで少し養生したい

  あっ……出来れば馬車は大きいほど良い……
  あのヒリュオンの子供も乗せてやりたいんでな」

 神護の言葉に、ブチハイエナ獣人の旅商人の男はコクコクしながら、ハッとした表情になって言う。

 「あっ…と、すみません…だんな、自己紹介もせずに
  伝説級の虹色オオトカゲを見たセイで我を忘れました

  アタシは、ブチハイエナ族の旅商人をしております
  アデルと申します」

 そう挨拶するアデルに、あまり物事を深く考えていない神護は、ちょっとだけ嘘を混ぜて言うことにした。

 あっやっぱりこの人って、ブチハイエナの獣人で合っていたんだ
 じゃなくて、名乗られたんだから……とりあえず、名前だけで良いか

 さりげなくっつーのは、流石に無理だから、まんま言っちまうか?
 勿論、明確な言葉はなるべく避けて………

 「そうか、アデルさんていうんだ、俺は神護っつーんだ

  そういえばよぉ……変な獣人にあったって言ったろう
  どうも、俺の子供を狙ったようなんだよなぁ
  
  ちなみに、俺の連れ合いは飛翔族の女だったんだけど
  獣相の無い俺を『気に入った』って言って嫁いで来た
  押し掛け女房だったんで………

  実は俺、全然、飛翔族のこと知らないんだよなぁ
  なのに、アイツは子供を産んだ時に逝っまったんで
  育て方に困ってるんだ

  見ての通り、俺は翼の無い種族だし、子供の翼って言ったら
  女房の背中にあった大きな翼に比べてかなり小さいし…………
  あげくが、変な獣人に何度も襲われるしだろう

  さっき飛翔族がどうのって言っていただろう
  何か、飛翔族に関係する情報ってないか?

  飛翔族の者が住むような場所とか…なんでも良いから
  教えてくれないか?」



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