絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~
0203★虹色オオトカゲの内臓は、リオウにあげよう
疑問に思いはしたが、神護は1つ軽く頭を振って、白夜に違うことを聞く。
「ところで白夜、内臓をリオウに喰わせても、大丈夫だと思うか?」
「大丈夫だと思いますよ クスクス リオウも父上の言葉を聞いて
待ちきれないようですね 凄いヨダレが垂れてます」
白夜の指摘に、神護は大人しく待っているリオウを振り返る。
と、その口元にはかなりのヨダレが溢れていた。
「くすくす………どれ、直ぐにさばいてやるなコイツの
内臓は、全部リオウにやろう」
そう言って、神護は腕輪の中にしまっておいた、リオウ専用の大きな木の器を取り出した。
最初の頃こそ、器らしいモノもほとんどなく、四苦八苦していた神護だったが、無ければ作れば良いで、食器を次々と作って、今現在にいたる。
当然、リオウ用の食器も幾つかある。
その中の1つで、主に獲物の内臓を入れる大きな木の器に、神護は虹色オオトカゲの鮮血と内臓を放り込む。
「リオウ、先に食べてて良いぞ、痛んだらもったいないからな
新鮮なうちに食え」
そう言われたリオウは、嬉しそうに虹色オオトカゲの内臓を食べ始める。
神護はその横で、さっさと虹色オオトカゲの皮を綺麗に剥いで、骨と枝肉に分けていく。
勿論、別の器に、《ショウ》や生姜をメインとした調味料を作り、枝肉を手ごろな大きさにして、作ったタレに漬け込むのも忘れない。
白夜自身、神護の好みで味付けされた肉を食べるのが大好きなので、それをワクワクと見守っていた。
虹色オオトカゲを味付けし、焼いて食べた神護達一行は、食後の休憩をすませた後、再び礫砂漠の街道により近い方へと移動していた。
神護は、自分の前を楽しそうに歩く白夜に双眸を細めながらクスッと無意識に笑う。
今日もまた、白哉は楽しそうに、目の前を歩く、ただどう見ても
あの歩きずらい子供用のヒールではつらいだろうに………
白夜は、内心を吐露することが極端に少ないからなぁ……
きっと、捕らわれている弟達のことも気になっているだろうに……
いくら【輪廻転生】とかいう禁断の術で、記憶を持ったまま再誕し
生まれ変わろうとも、その身体は幼い為に精神も引き摺られている
そう、いくら大人ぶろうと、所詮は幼い子供でしかないのに………
まっ……もっとも、俺自身そこまで大人じゃないけどなぁ………
単なる男子高校生には、ちっと今の状況はキツイんだよなぁ~
いや、俺は現在進行形のコレを、楽しいと思えるけどな
子育てだって、弟や妹で慣れているから、俺は困らないし
とは言っても、記憶や《力》を持った白夜はほとんど手が掛からない
生活の基本的なことは全部自分で出来るし、我がままも言わないし
現状、白夜の背中の翼の成長さえ気にしていれば良い程度だしな
そんなことを考えつつ、神護は注意する。
「白夜ぁ~………あんまりはしゃぐと、疲れちまうぞぉ~
ほら、そろそろ腕ン中に戻って来い
少し休憩したら、また歩いて良いから………」
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