絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~
0165★《名付け》と《契約》
よし…オスかメスか判らないけど……漢字は璃桜にしよう……
璃王でも良いしな ことわりの理で理王でも良いな
まっ…こんだけ重ねておけば…リオウが【名盗り】するような
ならず者に【名盗り】をされる心配はないだろう〕
《名付け》する音と漢字を選んだ神護は、白夜に確認するように言う。
「コイツの名前……リオウなんてどうかな?」
神護の言葉に、白夜はちょと小首を傾げてからコクコクする。
「リオウですか 良い名前ですね 父上」
〔ふむ 父上が リオウという名前を考えて口にするまで
かなりの時間がありましたから………
クスッ 庇護を必要とする 弱きモノに優しい父上のことだから
リオウが 他者に支配されないように【名被せ】する為に
重ねる名前を考えていたんでしょうね〕
その側では、その名前に同意するようにヒリュオンの子供が嬉しそうに再び甘く喉を鳴らす。
クルル…クゥルル…クゥルルルゥ…ルルゥゥ…
白夜とヒリュオンの様子から、それを了承と取り、神護は改めてヒリュオンの子供に向きなおる。
せっかくだから、きちんと《契約》しておこうかな?
このヒリュオンの子供が独り立ちできるまで、護ってやろう
血の《契約》で繋がっていれば、俺達が何かで離れて居ても
リオウに何かあれば、直ぐに気付けるからな
そう考えた神護は、ヒリュオンの子供に庇護を与える意味で、血による《契約》をすることにした。
そして、自分の身の内深くに居る【ルシフェル】に呼びかける。
[【ルシフェル】まだ起きているなら、俺の右の人差し指の腹に
血を出してくれ]
神護からの呼びかけに、眠りについていなかった【ルシフェル】は喜んで、命令に従う。
神護が自分の右の人差し指を見ていると、指の腹に鮮血が1粒、真珠くらいの大きさのモノがスゥーと出来上がる。
それを確認し、神護はヒリュオンの子供に命名する。
「真城 神護の名において
このヒリュオンの幼子に【リオウ】の名を与えん」
その言葉と同時に、神護は鮮血の珠が浮かび上がった右の人差し指を、その額中央にチョンと触れる。
リオウの額に触れた鮮血の珠は、そのままスゥーと消えてしまう。
「って言うことで、今日から、お前の名前はリオウだ
よろしくな、リオウ」
神護に頭を撫でられ、リオウは嬉しそうに喉を鳴らす。
その愛らしい姿に、満足そうに笑っていた神護はハッとする。
〔そう言えば、リオウは腹減っているのかな?
俺も白夜も、ろくに食ってないから、何か獲物でも獲るかな?〕
それから、神護はちょっと考えて、リオウに問い掛ける。
「リオウ…腹減って無いか?」
神護の問い掛けに、リオウのお腹が素直に返事をする。
ググゥゥ~…ギゥゥ…グルルル……
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