絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0131★神護、白夜を腕に樹海を歩く2 小川に到着


 神護の答えに、白夜は頷く。

 〔父上は 〈ドラゴン・ソウル〉の所有者なのか………

  私が転生する為に 深いまどろみに入っていた間に……
  〈ドラゴン・ソウル〉を手に入れたのだろうか?

  それとも 最初から所有していたのだろうか?
  どちらにしても 父上からは嫌なモノを感じない

  ただ 暖かいモノが 私を包んでくれる…………
  じゃないぞ 白夜 父上に進言しなければ………〕

 それから、ハッとして白夜は言う。

 「父上は 魔術や魔法を使用すると 《魔力波》という
  モノが空間に残ることを知っていますか?

  特に 大きな《魔力》を使用すると 濃い痕跡が
  その空間に刻まれ まるで波紋のように

  《魔力》を 感知できる者に存在を知らせるんです

  遠く居る者にも…… えてしまうんです」

 白夜の説明に、神護はふぅ~んという顔をするだけたった。

 「へぇ~…そうなんだ……つっても…一応は《結界》張ったし
  その中での魔術?使ったから…たぶん、大丈夫だろ

  ………んなの、いちいち気にしてもしょうがねぇ~だろ……
  魔術?使った場所から、さっさと移動しちまえばイイだけだろ

  それによりも、今は街だろ………白夜の着替え必要だからな」

 鬱蒼うっそうとした森林の中の獣道を歩き続けた神護は、小川へとたどり着いた。

 「おっ…小川だ…あの獣道は、ここへのだったのか………」

 神護は、野生動物が飲み水を求めて作った獣道へと入っていたことを知る。
 同時に、喉のかわきも覚えたので、そのまま小川へと向かう。

 一応、小川の左右は大小様々な石から岩までが転がっていた。
 そこそこ開けた場所なので、周囲に気を配りながら言う。

 「ふむ、白夜……とりあえず、水でも飲むか?
  せっかく、小川についたんだし」

 「はい 父上 私も喉がかわきました」

 誕生してから何も口にしていない白夜は、小川の清水を見て無意識にごきゅっと喉を鳴らしていた。

 神護も歩き続けて喉がかわいたので、抱っこしていた白夜を近くの座れそうな上面が平らな岩を探して、座らせた。

 「父上 その大きな布袋の中に 器が入っています」

 神護は着替えはなかったが、空になった水袋とコップらしきモノがあったことを思い出す。

 神護は布袋を開き、水袋とコップを取り出す。

 そのコップは、材料不明だが、うっすらと金を帯びたほぼ透明なモノだった。
 手触りは、ガラスとプラスチックの中間のような感触である。

 神護は、そのコップと水袋を手に、小川の水を汲み上げる。
 コップの中の水を観察してから、神護は少しだけ口に含んでみる。
 当然のこととして、いきなりゴクゴク飲んだりなどしない。

 口腔にスゥーと染み渡る清水に、神護は頷く。

 ぅん…大丈夫そうだな……んじゃ…白夜に手渡したら
 空の水袋にも、水を入れた方がイイかな………







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