絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0102★ネズミーランドは危険がいっぱい?12 イベント開始3


 そんな中、ひとあし早くアイテム袋を開いた慶治が首をかしげながら、クリアファイルに入っていたチラシよりも、かなり詳しいイベント内容が書かれたモノを引っ張り出す。

 「おっ…このイベントの攻略本?があるぞ……」

 そのセリフに、全員が攻略本を取り出して、とりあえずザッと目を通す。
 その内容は…………。
 
 森林地帯に砂漠地帯に湿潤地帯のエリアを、剣と魔法(手渡された袋に、呪文書なるモノが入っていた)で、敵キャラを討伐して、お宝を得るというモノだった。

 敵キャラ本体がお宝を持っている場合もあるし、エリア内の所定位置にもお宝(袋に、お宝の地図が入っていた)が置いてあったら、それはお持ち帰りOKという設定だった。

 攻略本は、イベントの詳しい説明書だった。
 例えていうなら、宝箱には、ネズミーランドの発売前の新メニューの御菓子や小物などが入っていると書いてあり、神護の3人の弟妹は、嬉々とした。

 「うわぁ~……新メニューの御菓子だってぇ~……」

 「いや、小物もあるみたいだよ」

 「どんなモンをゲットできるかなぁ~………」

 勿論、こういうイベントが嫌いじゃ無い美姫達も嬉しそうで、ノリのイイ慶治や水鳥も、うきうきしていた。
 竜治や武虎も、新商品が入っているというので、がぜんやる気を出していた。

 「楽しそうじゃなぁ~い……お宝探し……」

 「「「うん」」」

 「おっ……コレ…サークレット…」

 そのセリフに、全員がアイテム袋からそれを取り出す。
 手渡されたアイテム袋の中には、サークレットが入っていた。

 「コレサークレット……ここにマイクがあるね……」

 「つーと、このサークレットを
  きちんと頭に嵌めてねぇーと

  魔法?の呪文を唱えたとしても
  魔法が発動しない仕組みだな…………」

 その集音マイク付きサークレットを嵌めて、魔法の呪文を正確に唱えると、あちこちに設置されている受信機が感知して、それにあわせてコンピューターが、グラフィックスを投影する仕組みになっている。
 攻略本?に書かれている内容に、なるほどと頷く。

 「これってさ、いかに正確に唱えるかよね」

 美姫が楽しそうに、呪文書なるモノをアイテム袋から引っ張り出していた。
 呪文書を開き、内容を確認して、さっさと幾つかを暗記し始めた。

 美姫が呪文書を開いて、暗記しているのを見て、美鶴と美亜も自分のアイテム袋に入っていた呪文書を開いて、同じように暗記を始めた。

 攻略本?の他に、お宝の地図が有ったので、竜治はそれを確認してから、顔を上げて溜め息を吐く。
 ちなみにお宝の地図には、要所要所に休憩所があることも一緒に記されていた。
 竜治が呆れて言う。

 「なんで、ここで呪文書の暗記なんてしてるかなぁ……
  この地図によると、ここから少し歩けば
  最初の休憩所に着くらしいのに………

  地図で現在地の確認すれば……イイのに………
  まったく…どうせ呪文を覚えるなら……
  休憩所で暗記したらイイのに…………」

 地図を見て、そう言う竜治の言葉なんて聞く気がまるっきり無い女子3人組は一心に呪文書を見ていた。
 当然、全員、サークレットは既に着けている。

 「やぁ~ねぇ~……竜治………
  ここはネズミーランドなのよ

  課金目的の突発のイベントが
  直ぐにあるかも…って考えないの?

  ここは、そういうのありそうでしょ……

  控え室しかり……ゲートまでしかり……
  宝箱だってそうだったんだから………

  ここは、何時でも迎撃できるように
  準備しておくにこしたことないわ…」




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