絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0099★ネズミーランドは危険がいっぱい?9


 「どうぞ、こちらです
  剣とローブにマント
  それに、アイテム袋です………

  本日、ニューイベントで
  最多人数というコトで………

  通常は選択なのですが………
  皆さんには……ローブとマント
  両方入っております………」

 そう言いながら、全員に剣とローブやマントにアイテム袋が手渡される。
 勿論、難しい呪文書が入っているアイテム袋は、担当者に指示された通り、神護や竜治、美亜や美姫などに手渡されていた。
 神護の弟妹は、担当者の意向で、普通の呪文書だった。

 そ知らぬ顔で、一式を手渡すのを見守っていたシンデレラは、更に説明を続ける。

 「それから……これは、あくまでも、後日……
  この催しが成功した時の予定ではございますが………

  刺繍や染めなどで装飾されたモノなどのローブや
  マントなどが販売される予定です…あっ…もちろん…

  剣の他に錫杖《しゃくじょう》(=つえ)や
  可変式の独鈷杵《どっこしょ》なども予定してます」

 神護は、その説明に、思わず父親が大好きな、華美で獰猛な鳥をモチーフにしたアクション宗教マンガを思い出した。

 ちょっと、欲しいかも……錫杖《しゃくじょう》に独鈷杵《どっこしょ》かぁ……

 みんな読んだことのあるマンガなので、こくこくし合う。

 それを見ていた担当者達が『つかみ、よしっ』と舞台裏で騒いでいたのは確かな事実だった。

 そう、それはあくまでも予定(財務系が渋っていて、頓挫《とんざ》していた)だったので、神護達11人の反応を見る為に、あえて、説明役に抜擢したシンデレラに言わせたのだ。

 そんなことは知らない神護達は、ちょっとぐらい高くてもイイから、後日、このイベントが、期間限定ではなく、本格的に稼動したら、かならず手に入れようなどと思っていた。

 「…………と、いうことです……
  イベントの説明は、これで終了です

  では、みなさま…お楽しみください……」

 一応のひと通りの説明の後、イベント控え室(着替えなどをするところ)にはいる。

 そこには、大きな電光掲示板が…………。
 設置してある掲示板は、バタンと扉を閉めると同時に、10分を刻々とマイナスカウントしていく。

 神護達は、手渡されたローブに着替え、マントを羽織り、剣帯を慌てて装備する。

 なぜなら、この控え室を使用できるのは、入室してからカウントが始まり、10分で施錠される仕組みになっていたからだ。

 それを超えると、10分毎に1000円づつ、自動的に課金される仕組みになっているのだ。

 なお、制限時間を越えると、自動的に鍵が閉まり、料金が入金されないと開錠されない仕組みになっていた。

 「ったく……流石、ネズミーランド……」

 「ほんと、予想通りの…ガッツリ派だね……」

 「うわぁ~……随所に、課金制度導入?」

 「ゲーム並みだね」

 「それより、着替え終わった」

 「「「「「「おわったっ………」」」」」」

 神護、竜治、慶治、水鳥、そして、美姫の質問に、美亜、美鶴、唯香、優香、武虎、真三郎が答えを返した。

 「よし、んじゃ……出るぞ……」








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