絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0086★現世での神護の日常4 自室にて最近のコトを考察2


 神護は嘆息しながら、更に客観的に自分の今現在進行形の状態を考える。

 俺は、譲渡されたモノが多すぎて
 立派な船酔いならぬ……呪文を含む
 知識酔い状態に陥った

 俺に、武器となる剣と共に
 《魔力》と知識を手渡してくれた

 人物飛翔族の事は
 綺麗さっぱりと記憶から消えていた

 つーか、頭痛に眩暈めまい
 吐き気の三重苦のセイで

 全然、そっちに意識が向けられなくて………
 いまだに詳細は、わからないままだ

 膨大な知識が《魔力》と共に
 一度に脳へと浸透した為に

 集積能力をオーバーした為
 記憶が混乱した事による記憶喪失か?

 はたまた、俺に覚えていられると
 なにか都合が悪い為……つーよりは

 やっぱり膨大な《魔力》と知識で………
 見事な泥酔状態だな

 俺の許容量を、はるかに
 オーバーした結果だろう

 でも、俺は、まだまだ成長途中の
 少年の範囲だからな

 思考力も柔軟な子供のうちだから……
 そのうち落ち着くだろう……たぶん

 脳内で情報が整理整頓されれば
 大丈夫のはずだ

 とは言っても、あの後ホタルにも
 追加で情報と《魔力》を強制付与されたから

 まだまだ、すべてが飽和状態だな
 いわゆる、情報の消化不良…つーやつだな

 そして、手渡されたモノの中にあったのか?
 何時の間にか有った、長い紐のついた巾着袋

 内側がフコフコのモノで、大きさは始めに身に
 着けていた時となんら変わらないのだが………
 ちょー不思議な袋だったりする

 中に入っている、手渡された卵が成長しても
 巾着袋の外見は相変わらずなのだ

 見た目は、鶏卵が1個はいるぐらいの大きさだ
 ようするに、可愛らしい巾着袋なのだ

 この巾着袋の口を大きく開くと、手渡された
 飛翔族の卵がぽこんっと出現する

 神護は、大きくなった温かい卵を抱き上げて、丹念に撫でながら、無意識の愛情を注いで、優しい声で囁く。

 「無事にかえってくれよ」

 さて、この卵から、もし無事にかえったとして………
 鳥型ひよこの姿なのか、人型の赤子の姿なのか?

 マジの赤ちゃんなのか、会話が可能なぐらいなのか?
 食べ物はどうなのか? 皆目検討がつかないけど……

 まっそれはかえってからの話しだよな

 触って、温かいことで、生きていることを実感出来る卵は、今日も卵の姿のまま、少しずつ成長し、その体積を膨脹させているのだ。

 この不思議な巾着袋は、成長して大きくなった
 飛翔族の卵を、小さい姿のままですっぽりと

 きれいに、無理なく飲み込んでしまうのだ
 当然、巾着袋の姿は、小さいままだ

 「マジで、この巾着袋は
  不思議アイテムだな

  もしかしなくても、コレも
  インベントリってやつなのかもな」




「絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く