俺が頼んだ能力は神達の中での普通じゃない!!
シオンの実力②
 『 ねえ、もう終わりでいいでしょう?』
 霧が晴れてからはあっという間だった。
 シオンが魔法を使い吸血鬼を追い込んでいく。
吸血鬼の方は血が足りないのか、途中からはフラフラとしていた。それでもシオンの攻撃を交わすのだからすごいものだ。
 しかし、完全に交わすことは出来ず、服が破け腕や足に細かな傷を作り、そこからは血が流れおちる。
 「はぁ、はぁ……」
 吸血鬼は防御体制のまま、攻撃することも先程のように軽口を叩くことも無くなった。
 それほどまでに……シオンの力は凄かった。
初めは吸血鬼が有利に覚えたが、蓋をひっくり返してみたらこれだ。
これで2位なのだから、1位はどれほど桁外れなんだろう。
 何分かの攻防の後、力が尽きたのか吸血鬼は、バタリとその場に崩れ落ちた。
「ふぅー。疲れたぁ〜」
変身を解いたシオンがこちらに近ずいてくる。
「ティナちゃんは大丈夫そ?」
そう言い、俺の腕の中にいるティナを心配そうに覗き込む。
「ああ。ただ眠ってるだけだ」
ティナはすぅすぅと規則正しい寝息を腕の中で立てていた。
「とりあえずこの吸血鬼はこっちの方で処遇決めておくわ」
 シオンは細い体で軽々と吸血鬼を持ち上げる。どこにそんな力があるのか……。
「まぁ、とりあえず帰りましょうか」
ポケットから黒い石を取り出し、その反対の手を俺に伸ばす。
「はい。ちゃんと手握っていてね。あと、ティナちゃんのこと落とさないように気をつけて」
 それじゃ、と呟くとシオンはその石を思いっきり床にたたきつけた。
パキン、という音がしたかと思うと、次に目に拡がってきたのは俺が初めて二人に合ったあの部屋だった。
「ただいま帰ったわ。お兄ちゃん、はい。お土産」
シオンは担いでいた吸血鬼をアレイに放り投げた。
「シオンお疲れ様。お前これ……能力を使ったのか?」
「ええ。以外に手こずる相手だったわ。もっと上手くいくと思っていたのだけど…ね」
「そっちは?」
「ティナちゃんは今は寝てるだけ。怪我もしてなかったと思うわ」
そうか……とだけ呟いてアレイは俺を見る。
「お前もよくやってくれた」
「俺は見てただけで何も空いてないけどな」
そう。今回俺は何かをした訳じゃない。俺一人だったらあの吸血鬼に勝てたかさえ怪しい。
「お前がティナを支えたおかげてシオンはのびのびと戦うことが出来たと言ってもいい。今回はそれで上出来だ」
それだけでも余り変わらない気もするがここは素直に受け入れておくことにした。
「それで、今回色々あったがお前達は1週間様子見で休みだ。あと、お前たちの家だが今日からはそこに住んでもらうことになる」
 ポイッとアレイが何かを投げてくる。それを慌てて受け取ればそれは鍵だった。
「は?二人で一軒って言うことか?」
"お前たちの家"という明らかな発言に眉を潜めた。
「当たり前だろう。これから任務にあたる時は基本お前ら2人一緒にだ。ペアとの相性を高めるためにも必要な事だ」
「一応俺ら男女なんだけど?」
「セリカの家にも一緒に泊まってたのだろ?なら大丈夫だ」
何が大丈夫かは分からないが、いつまで話してもこの話は平行になると思い諦めた。
ティナが嫌がったら改めて考えるということで。
「家は案内させる。一週間経ったらまたここに二人でこい。以上だ」
 そういうと、アレイは部屋を出て行けと手で促す。
 
それに従い、部屋の外に出るとそこには一人の男がたっていて、ただ一言「あなた達の家まで案内します」と言って歩き出そうとし、俺ちらっと見ると「ティナさんはこちらでお持ちになりましょうか?」と腕を出してくる。
「いや、こっちで持つから大丈夫だ。それよりも案内を頼む」
と答えれば、胸に手を当てて「かしこまりました」とお辞儀をして歩き出した。
 霧が晴れてからはあっという間だった。
 シオンが魔法を使い吸血鬼を追い込んでいく。
吸血鬼の方は血が足りないのか、途中からはフラフラとしていた。それでもシオンの攻撃を交わすのだからすごいものだ。
 しかし、完全に交わすことは出来ず、服が破け腕や足に細かな傷を作り、そこからは血が流れおちる。
 「はぁ、はぁ……」
 吸血鬼は防御体制のまま、攻撃することも先程のように軽口を叩くことも無くなった。
 それほどまでに……シオンの力は凄かった。
初めは吸血鬼が有利に覚えたが、蓋をひっくり返してみたらこれだ。
これで2位なのだから、1位はどれほど桁外れなんだろう。
 何分かの攻防の後、力が尽きたのか吸血鬼は、バタリとその場に崩れ落ちた。
「ふぅー。疲れたぁ〜」
変身を解いたシオンがこちらに近ずいてくる。
「ティナちゃんは大丈夫そ?」
そう言い、俺の腕の中にいるティナを心配そうに覗き込む。
「ああ。ただ眠ってるだけだ」
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「とりあえずこの吸血鬼はこっちの方で処遇決めておくわ」
 シオンは細い体で軽々と吸血鬼を持ち上げる。どこにそんな力があるのか……。
「まぁ、とりあえず帰りましょうか」
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 それじゃ、と呟くとシオンはその石を思いっきり床にたたきつけた。
パキン、という音がしたかと思うと、次に目に拡がってきたのは俺が初めて二人に合ったあの部屋だった。
「ただいま帰ったわ。お兄ちゃん、はい。お土産」
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「シオンお疲れ様。お前これ……能力を使ったのか?」
「ええ。以外に手こずる相手だったわ。もっと上手くいくと思っていたのだけど…ね」
「そっちは?」
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そうか……とだけ呟いてアレイは俺を見る。
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そう。今回俺は何かをした訳じゃない。俺一人だったらあの吸血鬼に勝てたかさえ怪しい。
「お前がティナを支えたおかげてシオンはのびのびと戦うことが出来たと言ってもいい。今回はそれで上出来だ」
それだけでも余り変わらない気もするがここは素直に受け入れておくことにした。
「それで、今回色々あったがお前達は1週間様子見で休みだ。あと、お前たちの家だが今日からはそこに住んでもらうことになる」
 ポイッとアレイが何かを投げてくる。それを慌てて受け取ればそれは鍵だった。
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「セリカの家にも一緒に泊まってたのだろ?なら大丈夫だ」
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「家は案内させる。一週間経ったらまたここに二人でこい。以上だ」
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