俺が頼んだ能力は神達の中での普通じゃない!!

白林

何でも屋

 路地裏を抜けたら前と変わらない賑やかな様子が広がっていた。

 ただ、前と変わったのが……。

「ねぇねぇ、あの後ろの女の子奴隷じゃない?」

「可哀想よねぇ。まだ若いのに。」

「あの男の子も何てひどいことするのかしら。」


 回りの視線が俺にたいして突き刺さってくるということだった。

 確かにティナの髪の毛は前髪が隠れるほど長くボサボサで、服も所々破けたり汚れたりしている。

「これは最初に服屋と散髪に行かないと行けないか…。」

「私は別に…このままでも…いい。」

「ティナ、よく聞け。」

「ん…。」

「お前がよくても俺がよくないんだ。」

「何故…?」

「このままじゃ、俺が奴隷を買うような外道に見えるからだ。わかったか?」

「わかった…。じゃあ、これ…使える…?」

そう言ってティナが取り出したのは赤や黄色や緑の、宝石だった。

「何処で手にいれたんだ?」

「森のなかで…。使えない?」

「いや…。使えるけど、今はポケットにしまおう。な?」

 俺はティナが持っていた宝石を自分の手で覆って隠し、一度回りを見渡してティナもう一度ポケットにしまわせた。

ティナは何が何だか分からない顔をしていた。


 それから少し歩いた場所に、『何でも屋』とかかれた店を見つけた。

その店はだいぶ、いや、とても古い建物のようでその看板はもうとれそうだ。

「潰れてるのか…?」

 店のドアを叩き中に入ると店の外見とは似ても似つかない綺麗な場所だった。

「いらっしゃ~い。ご用件は何かなっ?」

 俺達に声をかけてきたのはロングの黒い髪と『セリカ』かかれた名札がついているエプロンをまとっている、いわゆるお嬢様系の女子だった。

セリカは俺達に近づいてくると、

「ん~と、ご用件はそこの子をお風呂にいれて、髪の毛を整えることでいいかな?」

ティナを指差して聞いてきた。

「あぁ。大体はあってる。後は適当に服でも用意してくれ。」

「オッケー。オッケー。全部合わせて金貨三枚位だけど足りるかな?」

「これで…足りる?」

ティナはさっき持っていた宝石をセリカに向かって差し出した。

「う~ん。これじゃ多いからまずその宝石、鑑定しよっか。」

 そういうと、セリカはティナから宝石を引取り店の奥へと向かった。

そして次に戻ってきたときには、お金が入っている袋を俺に渡し、

「あの宝石全部で金貨43枚と銀貨300枚だよ。先にお金はもらってその中には金貨40枚入ってる。あと、銀貨50枚で金貨1枚だけど銀貨だけ払うときとかもあるから、一様300枚だけは銀貨にしておいた。」

そう言って

「じゃっ、私はこの子お風呂にいれてくるねっ。」

と、ティナを風呂場へと連れていった。

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