choice01

ノベルバユーザー329392



 ……午後九時三十分……




 葵の部屋をノックし、少しドアを開けた……チェーンは架かってない。
 部屋の中は薄暗い、机の電気スタンドは光を発していた。
 葵は………座っている。
 中にいた葵は誰か来たことに気がついたが、振り向く事なく言った。
 「早いですね……どうぞ入ってきて下さい……まだ作業中なので、少し待っていただかないと…」
 中に入りドアを閉めた瞬間だった。


 ……パンッパンッ!


 葵を目掛けて二発の銃弾が、葵を捉えた。
 葵はそのまま机に座ったまま、机に倒れた。
 「な、ぜ…?鍵を…か、けて…ないのは…犯人は…しらな、い…はず…」
 言葉はそこで途絶えた。
 葵は犯人に撃たれてしまった。
 しかしその時だった。部屋のドアがいきなり開き、歩が犯人を取り押さえた。
 歩は叫んだ。
 「有紀っ!葵君をっ!」
 隙をつかれた犯人は抵抗する間もなく、歩が用意していた手錠で拘束された。
 美夢は勢いよく入ってきた。
 「葵っ!葵!……」
 有紀は美夢に言った。
 「来るなっ!美夢っ!」
 有紀は静かに首を横に振って言った。
 「出血が多すぎる……もう…」
 歩は壁を力一杯殴った。
 「くそっ!やっぱり間に合わなかったっ!」
 美夢その場で泣き崩れた。
 「葵っ!あ、葵っ!……いやぁぁぁぁっ!」
 有紀は葵の遺体にベッドのシーツを被せ美夢に見えないようにした。
 すると、九条達がやって来た。
 九条はその光景を見るなり言った。
 「これは?……いったいどういう事だっ!?」
 有紀が部屋の明かりをつけると、犯人の顔が明らかになる。
 九条は言った。
 「君が犯人?」
 歩が言った。
 「葵君は……囮になったんだ…」  
 九条が言った。
 「囮に?」
 「ああ、脱出方法と犯人がわかったと…」
 有紀が言った。
 「自分が囮になるから、犯人を拘束してくれと…」
 九条が言った。
 「だからって……どうして葵君がっ!見損なったぞっ!歩っ!」
 九条はそう言うと、歩の胸ぐらをつかみかかった。九条の表情は怒りに満ちていた。
 歩は抵抗する事はせず、素直に胸ぐらをつかませた。
 有紀は言った。
 「もし自分に何かあった時は……脱出方法をメモにして残しておくと…」
 九条が言った。
 「それで僕たちだけで、ノコノコ脱出しろと?冗談じゃないっ!」
 有紀は力強く言った。
 「葵はっ!…葵はたとえ脱出方法を見つけたとしても…犯人……すなわち『X』に妨害されるのを見越して、この計画を提案した…」
 歩は九条に言った。
 「葵君を生かすも殺すも……俺たち次第だ…」
 九条は歩の胸ぐらを離して言った。
 「ずるいよ……君達も、この僕も…」 
 九条は犯人を見て言った。
 「しかし、どうして君が…?」
 犯人はニヤニヤしながら答えた。
 「帰りたくなかったんだ……必要とされてる…帰っても居場所はないっ!」
 歩は言った。
 「だからって、殺していいのか?」
 犯人は言った。
 「与えられたんだ…力を…この島を支配出来る力を…」
 九条は言った。
 「力を?支配?……なにをバカな……」
 犯人は続けた。
 「あんた達のような頼りない連中を……無能だと証明したかったんだっ!彼女らに…」
 歩は言った。
 「彼女ら?…」
 「そうだっ!与えられたんだっ!神にっ!…『アマツカ』にっ…」


 ……パンッパァーンッ!!……。


 そこで銃声が鳴った……犯人に目掛けて……。
 犯人は頭と胸を撃ち抜かれ…おそらく即死だろう…。
 「余計な事をベラベラと…見苦しいですね…実に…」
 一同は発砲した人物を見て、それぞれ目を疑った。
 九条は驚きを隠せない。
 「どういう事…だ?」
 発砲した人物が言った。
 「逆転の逆転ですねぇ…」
 さらにその人物は続けた。
 「犯人を拘束し…そして月島葵の残したメモを頼りに、脱出…。実に惜しかったですね……しかしゲームオーバーです」
 歩は目を丸くして言った。
 「どういう事だ?」
 「フフフ……このゲームは月島葵が死んだ事によって、とっくに終わっているんですよ…現にあなた方は、この私に銃口を突きつけられ、絶体絶命の状況です…」
 九条が言った。
 「僕たちを殺すのか?」
 「そうなります……ただ最後にあなた方の敗因をあげるとすれば……月島葵が『犯人』=『X』と思ってしまった事ですね」
 有紀が言った。
 「別けて考えねばならなかった…」
 「その通り……なかなか楽しかったですよ……しかしもうさよならです……私の勝ちでね」


「誰が誰に…勝ったのですか?」


 聞き覚えのある声に『X』はおもわず振り向いた。


 皆が驚くその先にいたのは……。


 美夢は泣きながら強く言った。
 「……あっ、葵っ!……」

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