choice02~球体の楽園~
脱出の鍵
葵は銃口を赤塚に突き付け、見た通り赤塚を追い詰めた。
「僕が引き金簡単に引く事は知っているでしょう…。さぁ、目的を話してもらいましょうか…」
赤塚は言った。
「目的を?それは先程も述べたはずですが?」
葵は言った。
「これ程の事をするには…あなたに支援者がいるはずです…。もちろん、このくだらないゲームを楽しんでいる…博打打ち達もです…」
有紀が言った。
「今回も、我々は賭けの対象だったのか?…」
有紀は歩の元へ行き、歩の容態を診ていた。
葵は言った。
「おそらくは、そうでしょう…どう言った賭けをしていたかは、知りませんが…」
赤塚は言った。
「フフフ…今回は君と渡辺歩がどのような選択をするのかが…賭けの内容でした…」
葵は言った。
「選択を?」
「ええ…あなた方が脱出を選ぶか、この世界で共存をするか…」
葵は言った。
「そんなのは賭けにならないでしょう…」
赤塚は笑って言った。
「フフフ…もちろん君が脱出を選ぶのはわかってました。しかし、渡辺歩は深く悩んだでしょう…何せあなたに想いを寄せている女性が…現実世界に戻れば、死ぬかもしれないのですから…」
歩は言葉に力をこめた。
「貴様はっ!…」
しかし、全身ボロボロの歩は、体の苦痛に顔を歪めた。
葵は言った。
「何故そこまで歩さんに拘るのですか?」
赤塚は言った。
「フフフ…言ったでしょう…。 Your having helped me(あなたは私を助けたことを…)」
「You will be sorryby all means…(あなたは必ず後悔する…)と… 」
葵は言った。
「救ってもらっておいて…何を…」
赤塚は歩に言った。
「あなたはあの時…私を救うべきでは無かった…」
歩は言った。
「俺は医者だ…救える命がそこにあるのに、放っておけない…」
赤塚は言った。
「欺瞞ですね…救われた事により、不幸になる人間もいる事を…あなたは知った方がいい…」
葵は言った。
「どうやらあなたとは、価値観が真っ向から合わないようです…」
赤塚は言った。
「フフフ…残念です…。では、そろそろお開きにしましょうか…」
葵は言った。
「何をする気です?…あなたに逃げ場はありませんよ…」
赤塚は言った。
「それはどうでしょう?私が前回と同じ過ちを繰り返すとでも?」
葵は赤塚の言う事がわからなかったが…すぐに理解する事になる。
赤塚の体がぼやけ出したのだ。
葵は言った。
「何をしたのです?」
赤塚は言った。
「三木谷祥子が死亡し、私がある言葉を言えば…、私だけ脱出できるプログラムを組んでおきました」
有紀が言った。
「ある言葉を?」
葵は言った。
「ちっ!『お開き』か…」
赤塚は言った。
「フフフ…もう遅いですよ、最後に一言言っておきます」
「この顔を覚えておいてください…」
そう言い残して赤塚は消えた。
跡形もなく…。
こうして赤塚…いやアマツカはこの世界から消えた…。
赤塚が先程までいた場所を見つめて、歩は言った。
「また…逃げられたな…」
葵は言った。
「はい…、しかし、危機は脱しました…」
有紀が言った。
「あとは…脱出だな…」
歩は言った。
「その前に……、痛て…」
歩は有紀の肩を借りて立ち上がった。
歩は言った。
「マリアちゃんっ!入ってきてっ!」
歩の呼び掛けに、マリアが教会の入口に姿を現した…。
五月が言った。
「マリアちゃん…よかった、無事で…」
葵が言った。
「しかし、歩さん…。拳銃をどこで?」
歩は言った。
「マリアちゃんが持っていたのさ…」
これにはさすがの葵も驚いた。
「何故、マリアさんが?…」
歩は言った。
「それは俺にもわからないが…俺が屋敷の炎から逃げるために、2階から飛び降りて逃げる時に、屋敷の入口でマリアちゃんを見つけたんだ…」
有紀は言った。
「それで一緒に避難を?」
「ああ…。で、教会に行く時にマリアちゃんから拳銃を渡されたのさ…」
葵は言った。
「しかし、何故拳銃を?」
歩は言った。
「まぁ、本人は記憶が無いから聞いても無駄だし、結果助かったからいいんじゃねっ?」
有紀は言った。
「気楽な奴だ…」
葵は言った。
「仕方ありませんね、それは後程考えるとして、まずは脱出ですね…」
歩は言った。
「わかったのかい?」
葵は言った。
「ええ…先程…」
そう言って葵は1枚の絵画を取り出した。
有紀が言った。
「それは?…」
葵は皆に絵を見せて言った。
「ゴッホの向日葵です…」
それは確かに有名な、ゴッホの代表作『向日葵』だった。
五月が言った。
「それで、その絵でどうやって脱出するの?」
葵は言った。
「ここに来た時、最初に違和感を感じたのは…植物館でした…。何かが足りないと…」
有紀が言った。
「その足りない物が向日葵だったと?」
葵は言った。
「もちろんそれだけで気付いた訳ではありません…ポイントになるのは、そこの浮いている『球』です」
葵は祭壇の上にある光輝く球を指差した。
葵は言った。
「あの球が向日葵に繋がる重要な物だったのです…あれは特殊な光を発しています」
歩が言った。
「確かに…普通の光ではないな、基本的に炎のような色だけど、なんか…色々混じってるような…」
有紀が言った。
「そうか…太陽…」
葵は口角を上げた。
「そうです…あれは太陽をモチーフに造られています。太陽は7色の色を発していると言われています。色が混じって見えるのはそのせいでしょう」
歩が言った。
「それで向日葵か…」
葵が言った。
「向日葵は太陽の光を浴びてこそ美しい…、しかし、この世界には太陽が存在しません…」
五月が言った。
「じゃあ、祭壇にその向日葵の絵を飾ったら…」
葵が言った。
「脱出できるはずです…祭壇に飾る事により、光を浴びた向日葵が鏡を通じて、植物館に現れるはずです…。さっそく飾りましょう」
そう言うと葵は祭壇へ向かった。
皆は脱出への期待を胸に、葵の行動を見守った。
そして、葵はゴッホの向日葵を祭壇に飾った。
向日葵は光を浴びて美しく輝いた。
皆はそれをただ見守った。
美しい向日葵に引き込まれるように…。
「僕が引き金簡単に引く事は知っているでしょう…。さぁ、目的を話してもらいましょうか…」
赤塚は言った。
「目的を?それは先程も述べたはずですが?」
葵は言った。
「これ程の事をするには…あなたに支援者がいるはずです…。もちろん、このくだらないゲームを楽しんでいる…博打打ち達もです…」
有紀が言った。
「今回も、我々は賭けの対象だったのか?…」
有紀は歩の元へ行き、歩の容態を診ていた。
葵は言った。
「おそらくは、そうでしょう…どう言った賭けをしていたかは、知りませんが…」
赤塚は言った。
「フフフ…今回は君と渡辺歩がどのような選択をするのかが…賭けの内容でした…」
葵は言った。
「選択を?」
「ええ…あなた方が脱出を選ぶか、この世界で共存をするか…」
葵は言った。
「そんなのは賭けにならないでしょう…」
赤塚は笑って言った。
「フフフ…もちろん君が脱出を選ぶのはわかってました。しかし、渡辺歩は深く悩んだでしょう…何せあなたに想いを寄せている女性が…現実世界に戻れば、死ぬかもしれないのですから…」
歩は言葉に力をこめた。
「貴様はっ!…」
しかし、全身ボロボロの歩は、体の苦痛に顔を歪めた。
葵は言った。
「何故そこまで歩さんに拘るのですか?」
赤塚は言った。
「フフフ…言ったでしょう…。 Your having helped me(あなたは私を助けたことを…)」
「You will be sorryby all means…(あなたは必ず後悔する…)と… 」
葵は言った。
「救ってもらっておいて…何を…」
赤塚は歩に言った。
「あなたはあの時…私を救うべきでは無かった…」
歩は言った。
「俺は医者だ…救える命がそこにあるのに、放っておけない…」
赤塚は言った。
「欺瞞ですね…救われた事により、不幸になる人間もいる事を…あなたは知った方がいい…」
葵は言った。
「どうやらあなたとは、価値観が真っ向から合わないようです…」
赤塚は言った。
「フフフ…残念です…。では、そろそろお開きにしましょうか…」
葵は言った。
「何をする気です?…あなたに逃げ場はありませんよ…」
赤塚は言った。
「それはどうでしょう?私が前回と同じ過ちを繰り返すとでも?」
葵は赤塚の言う事がわからなかったが…すぐに理解する事になる。
赤塚の体がぼやけ出したのだ。
葵は言った。
「何をしたのです?」
赤塚は言った。
「三木谷祥子が死亡し、私がある言葉を言えば…、私だけ脱出できるプログラムを組んでおきました」
有紀が言った。
「ある言葉を?」
葵は言った。
「ちっ!『お開き』か…」
赤塚は言った。
「フフフ…もう遅いですよ、最後に一言言っておきます」
「この顔を覚えておいてください…」
そう言い残して赤塚は消えた。
跡形もなく…。
こうして赤塚…いやアマツカはこの世界から消えた…。
赤塚が先程までいた場所を見つめて、歩は言った。
「また…逃げられたな…」
葵は言った。
「はい…、しかし、危機は脱しました…」
有紀が言った。
「あとは…脱出だな…」
歩は言った。
「その前に……、痛て…」
歩は有紀の肩を借りて立ち上がった。
歩は言った。
「マリアちゃんっ!入ってきてっ!」
歩の呼び掛けに、マリアが教会の入口に姿を現した…。
五月が言った。
「マリアちゃん…よかった、無事で…」
葵が言った。
「しかし、歩さん…。拳銃をどこで?」
歩は言った。
「マリアちゃんが持っていたのさ…」
これにはさすがの葵も驚いた。
「何故、マリアさんが?…」
歩は言った。
「それは俺にもわからないが…俺が屋敷の炎から逃げるために、2階から飛び降りて逃げる時に、屋敷の入口でマリアちゃんを見つけたんだ…」
有紀は言った。
「それで一緒に避難を?」
「ああ…。で、教会に行く時にマリアちゃんから拳銃を渡されたのさ…」
葵は言った。
「しかし、何故拳銃を?」
歩は言った。
「まぁ、本人は記憶が無いから聞いても無駄だし、結果助かったからいいんじゃねっ?」
有紀は言った。
「気楽な奴だ…」
葵は言った。
「仕方ありませんね、それは後程考えるとして、まずは脱出ですね…」
歩は言った。
「わかったのかい?」
葵は言った。
「ええ…先程…」
そう言って葵は1枚の絵画を取り出した。
有紀が言った。
「それは?…」
葵は皆に絵を見せて言った。
「ゴッホの向日葵です…」
それは確かに有名な、ゴッホの代表作『向日葵』だった。
五月が言った。
「それで、その絵でどうやって脱出するの?」
葵は言った。
「ここに来た時、最初に違和感を感じたのは…植物館でした…。何かが足りないと…」
有紀が言った。
「その足りない物が向日葵だったと?」
葵は言った。
「もちろんそれだけで気付いた訳ではありません…ポイントになるのは、そこの浮いている『球』です」
葵は祭壇の上にある光輝く球を指差した。
葵は言った。
「あの球が向日葵に繋がる重要な物だったのです…あれは特殊な光を発しています」
歩が言った。
「確かに…普通の光ではないな、基本的に炎のような色だけど、なんか…色々混じってるような…」
有紀が言った。
「そうか…太陽…」
葵は口角を上げた。
「そうです…あれは太陽をモチーフに造られています。太陽は7色の色を発していると言われています。色が混じって見えるのはそのせいでしょう」
歩が言った。
「それで向日葵か…」
葵が言った。
「向日葵は太陽の光を浴びてこそ美しい…、しかし、この世界には太陽が存在しません…」
五月が言った。
「じゃあ、祭壇にその向日葵の絵を飾ったら…」
葵が言った。
「脱出できるはずです…祭壇に飾る事により、光を浴びた向日葵が鏡を通じて、植物館に現れるはずです…。さっそく飾りましょう」
そう言うと葵は祭壇へ向かった。
皆は脱出への期待を胸に、葵の行動を見守った。
そして、葵はゴッホの向日葵を祭壇に飾った。
向日葵は光を浴びて美しく輝いた。
皆はそれをただ見守った。
美しい向日葵に引き込まれるように…。
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