人気高校生バンド───花鳥風月

望月千景

入学式

玄関に入っていった一ノ瀬を俺は急いで追いかけ、一ノ瀬と共に職員室に向かうと、先程の教師が俺たち二人職員室前で待機していて二人揃って怒られた。

話を聞く限り、どうやら一ノ瀬の遅刻は毎度のことらしい。

(人気バンドのくせに遅刻するなよ!!)

心の中でそう思い、悪口の一つでも言ってやろうかと思ったがやめておいた。

また足を踏まれるのは御免だし、相手はこれでも高校三年生で自分より二つも年上だ。
それに、自分も遅刻したのだから、とても遅刻するな。と注意できる立場ではない。

十分程度怒られた後、俺は一ノ瀬と別れ先生に連れられて入学式が行われている体育館へと案内された。

入学式はもうすでに始まっており、もう終盤を迎える頃になっていた。

校長先生の話も終わり、残りは生徒会長である一ノ瀬颯斗からの激励の言葉と、花鳥風月新入生歓迎演奏だけだ。

司会が、一ノ瀬生徒会長お願いします。といった瞬間、どこからともなくあの一ノ瀬の声がした。

俺達の前には姿を現さず、スピーカーから一ノ瀬の声が聞こえる。

「新入生の皆さん。入学おめでとう。俺がこの学園の生徒会長、一ノ瀬颯斗だ。この学校で分からないことがあったら遠慮なく俺たち二年生、三年生に聞いてくれ。
今日は新一年生のために俺が所属するバンド、花鳥風月の演奏を披露する。良ければ聞いて欲しい。⋯じゃあいくぜ!!」

⋯じゃあいくぜ!!

一ノ瀬がそう言うと、今まで閉じていたステージの幕がビーーーっと音を立てて上に上がっていく。

ステージ幕の中にいたのは⋯一ノ瀬を含め、花鳥風月の6人がそれぞれ担当楽器を持って、演奏の準備をしていた。

「いくぜ?みんな楽しんでくれよな!!⋯3.2.1.Go」

一ノ瀬の掛け声で音楽がスタートする。

(っ⋯すっごい迫力⋯!
それぞれの楽器が奏でる音の一音一音に、まるで命をもってるみたいに響いて──⋯)

心が奮い立つ。
鳥肌が立つ。

凄い。凄すぎる。
これが人気高校生バンド、花鳥風月の演奏。

俺は一ノ瀬颯斗の歌っている姿をじっと見ていた。

(さっきは思わずカッとなって冷静に一ノ瀬颯斗の顔を見ることが出来なかったけど、改めてしっかり見るとカッコイイなぁ。やっぱり俺の憧れの人。)

一ノ瀬は俺の視線に気づいたのか俺の方を見て⋯
それはそれはもう馬鹿にしてます100%の顔で俺の事をニタァっと見てきた。

前言撤回⋯

やっぱり、ちっとも憧れの人なんかじゃなーーーい!!

「人気高校生バンド───花鳥風月」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

コメントを書く