センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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43話 第一アルファ人の因子は、基本、優秀。


 43話 第一アルファ人の因子は、基本、優秀。

 前世の記憶を持つのは『キムロ』だけではない。
 実のところ、他にも存在する。

 トーン共和国を拠点として活動している冒険者チーム『ジェイズ』の3名も、実は、日本での記憶をもっている転生者だった。
 同じ孤児院で育ったため、それぞれが転生者だと気づくのは当然だった。
 同郷相手には、当然、シンパシーがわくもので、
 昔から、ずっと、3人で力を合わせて生きてきた。
 幸いなことに、3人とも、それぞれ、優秀な資質を持っていたので、
 誰かが誰かを裏切るということもなく、
 比較的、仲良く、順調に、優雅に、
 冒険者として、着実に地盤を固めていた。

「マイ、どうだった?」

 ここは、S級冒険者ギルドの一角。

 リーダーの『イチジョー』が、そう声をかけると、
 彼女――マイは、金の入った袋を見せながら、

「10万テスだったわ。2時間で処理できた仕事にしては、まあまあじゃない? ……あれ? カザミは?」

「緊急依頼の話を聞きにいっている。そろそろ帰ってくると思うよ」

 イチジョーがそう言った直後、
 ピッタリのタイミングで、
 カザミが、奥の部屋から出てきて、

「ジョー、マイ。すぐに出るぞ。今回の依頼は、凄まじく割がいいぜ。噂の殺人鬼を殺すだけで、なんと2億テスだ」

 ウキウキ顔で、そう言った。

「2億……また、ずいぶんな賞金首に育ったな」

「上級国民を中心に、短期間で、何人も殺している殺人鬼だからね……そのぐらいにはなるんじゃない?」

「たしか、クリミア議員も殺されたんだったな……あの人は、性格は終わっていたが、確かな実力者だった。クリミア議員を殺せるだけの実力者となると……かなり厳しいな……」

 そこで、カザミが、自信満々の顔で、

「俺ら三人なら、確実に狩れる」

「根拠は?」

「そんなもん必要ねぇ。俺ら日本人チームは最強! ジョーもマイも、どんどん強くなっているし、俺も、とどまることなく強くなり続けている! 俺らがその気になれば、上級国民を殺すことだって楽勝!」

 三人の存在値は300を超えている。
 メインアタッカーの脳筋『カザミ』に、サブアタッカーの魔法戦士であり暗殺者でありシノビでもある万能型の『イチジョー』、そして非常に優秀なサポーター兼ヒーラーの『マイ』と、バランスのいいチームなので、
 敵が格上でも、やり方しだいで、どうにか渡り合える。

 まだまだ若く、伸び盛りの段階だが、すでに、最高ランクの『10つ星冒険者』の地位についている彼ら。
 今のところ、まだ、彼らより上位のチームは複数存在するが、いずれ、トーン共和国における最高のチームになるであろうと目されている将来有望な金の卵。

 短絡的な思考のカザミにたいし、
 マイが、

「下級の上級国民なら、確かに楽勝で殺せると思うけれど、クリミア議員ぐらいの『位が高い上級国民』が相手なら分からないわよ」

「じゃあ、やらねぇのか? 2億だぞ?」

「……やらないとは言っていないわ」

 そう言いながら、マイは、心の中で、

(2億あれば、チームとしての力を、かなり底上げできる……良いアイテムに、良い装備品……チームが強くなればなるほど……『元の世界に帰るための方法』を見つけやすくなる)

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