センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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41話 ゴミの山はいらない。


 41話 ゴミの山はいらない。

 デバッグコマンドを使って、拷問系の魔法をアンロックしようとする紙野。
 だが、そこで、それまでずっと黙って紙野の行動を見守っていたトコが、紙野の前に立ちふさがった。

「……どうした、トコ」

「そこのカスみたいな親子では、エネルギー量が少なすぎる。無意味」

「……チリも積もれば山になるよ」

「ゴミの山がつくりたいの? なんのために?」

「……」

 そこで、トコは、クリミアの死体をチラ見して、

「なんのうまみもないカスみたいな親子を山ほど殺すより、そこで死んでいるような、イキのいいクズを殺した方が、遥かに効率的。最短で世界を取り戻したいというのが本音なら、ちゃんと最善の行動をとってよ」

「……」

 紙野が、トコの言葉と向き合っていると、
 そこで、トコが、

「……うっ……」

 頭を抱えて、少し、苦しみだした。

「どうした、トコ? 大丈夫か?」

 心配しながら、かけよって、彼女の頭に触れる紙野。
 そんな紙野に、トコは、

「……平気。問題ない……ちょっと頭痛がしただけ。まだ異世界転移になれていないだけだと思う。……そんなことより……さっさと、『良質な魂魄』を狩りにいってよ。神なら、神らしく、しゃんとして」

 娘にそうおねだりをされた紙野は、


「……わかったよ」


 しぶしぶだが、了承して、
 次の獲物を求めて影に潜もうとした。
 だが、そこで、トコは、

「実験」

 と、急に、謎の単語を発した。
 紙野が、不思議そうな顔でトコに視線を送ると、
 トコは、『赤いオーラをまとっているセーナ』を指さし、

「あれ、解除できるかどうか、実験してみて。『制限を受けていない完全なあんた』なら多分、楽勝で出来るんでしょうけど、『今のあんた』に出来るかどうかは分からないでしょ。今後、私が、ピンチに陥った時、絶死を使うかもしれない。あんたが、絶死を解除できるなら、安心して積むことができる。もしもの時のための保険はできるだけたくさんあった方がいい」

「……絶死の解除か……確かに、出来るかどうか、実験しておいた方がいいかな……」

 紙野は、そうつぶやくと、
 セーナの目の前まで歩き、
 彼女の腹部に拳をあてる。

 先ほどの、二人の会話を耳にしていたセーナは、抵抗することなく、紙野の行動を受け入れた。
 クリミアを簡単に殺せる相手に、何か抵抗したところで無駄だという諦観もあった。

「……上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、G0000032」

 前提となる詠唱を口にしてから、

「――殺神遊戯――」

 相手のスキルを解除するグリムアーツを放った。
 ランク魔法も、F魔法も、グリムアーツも、
 すべて、デバッグコマンドで再現可能。

 あまりにもチートが過ぎる異能。
 それが、紙野創蔵のプラス・プライマル・プラチナスペシャル『原初のイタズラ』。

「げほっ。がはっ! うぇっ!」

 紙野の殺神遊戯を受けて、
 激烈にゲロを吐いているセーナ。

 その様を見て、紙野は、ボソっと、

「……熟練度を強制的に上げた状態で使ったのに……なんだか、ものすごく出来が悪いな……魔法の変換率とかと違って、グリムアーツの熟練度は、『本物の経験値』がないとダメってことか……とことん、めんどくさいな……」


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