センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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9893話 オッケー、タナカッチ。


 9893話 オッケー、タナカッチ。

(……凶悪な神器を与えられているのか……神種も、ショデヒごときが自力で開けるとは思えん……誰かに『開いてもらった』と解釈する方が合理的……しかし、信じられんな……『それだけの力を持つ者』が、ティー・ヒャクヨン以外にも、まだ存在していたとは……まさか、センエースか? ……いや、違うだろう。あの愚直バカが、ショデヒのような純粋悪に力を与えるとは思えない)

 などと、心の中で考えつつ、
 バーチャは、どうにか、瞬間移動合戦で、自分にとって有利な間合いを奪い取り、

「凛打ぁああ!」

 かなり力を込めたグリムアーツで、ショデヒの腹部に豪快な左フックをぶちこんでいく。

「ぐぼへぇええっ!」

 ショデヒの体は、『くの字』に折れたが、

「ぐぅっ! 耐えられるぞぉおおお!」

 叫んで、ムリヤリ体に力を込めるショデヒ。

「異次元――」

 どうにか、両手に魔力を込めて、
 異次元砲を叩き込もうとするショデヒ。
 そんな彼に対し、バーチャは、豪速の追撃を叩き込む。

「凛霊打ぁああ!」

 ショデヒの顎を砕いていくアッパー。
 鬼神のような面構えで、バーチャは、ショデヒを壊していく。

 迷いのない洗練された暴力の前に、
 ショデヒは打つ手がない。

(強いぃ……やはり、強いぃ……)

 極限状態の中で、ショデヒは泣きそうになっていた。
 さすがに、ここで、ボロボロ泣いてしまうほど豆腐メンタルではないが、
 しかし、許されるのであれば、泣きじゃくって逃げ出したいというのが本音。

 しかし、それは、許されない。
 誰が許さない?
 自分が許さない。
 神も許さないであろうが、自分だって許さないのだ。
 その程度の覚悟と根性はある!

(……『私がバーチャに勝てない』ということ……『バーチャよりも私の方が弱い』という事実……そんなことは! 最初から知っているぅうう!)

 奥歯をかみしめて、
 右手の手首に巻いている神器に向かって、

「オッケー、タナカッチ。バーチャの動きを推測して、自動で回避してください」

 命令を下してから、
 ショデヒは、魔力とオーラを練り上げる。

 頭の中では、何も考えておらず、
 ただ、ひたすらに、魔力とオーラを底上げすることだけに集中。

 そんな無防備な姿をさらせば、普通は、ボコボコにされるだけなのだが、
 しかし、今のショデヒは、自分で回避行動をとるよりもはるかに俊敏に、
 バーチャの動きを回避することが出来ていた。

 そのムーブを見たバーチャは、グっと眉間にシワを寄せて、

「……CPUタイプの神器か……それも、恐ろしく高性能な……そんなにも狂った性能の神器は見たことがない……」

 思考や行動をサポートしてくれる『CPUタイプの神器』は、
 低位の神でも普通に使っている一般的なアイテム。

 ただ、低位の神器では、ちょっとした手助けしかしてくれない。
 決して、限界以上の性能を引き出したりすることなどできない。

 バーチャの視点での現状を、ムリにたとえるならば、
 ファ〇コンしか知らない人間が、プレイステー〇ョン5の性能を見せつけられたようなもの。

 ありえない演算処理能力を魅せつけられて普通に困惑。

「どこで手に入れたぁ! 教えろぉお! そして、よこせぇ!」



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