センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
9887話 交渉決裂。
9887話 交渉決裂。
ショデヒは、どうにかして、『確実に強者であるクロート』と友好的にことを進めようと頭をひねった――が、そんなショデヒの努力は無駄に終わる。
クロートは、ニヤリと、黒く微笑んで、
「もちろん利用させてもらう。私のために『下地』を作っておいてくれてありがとう」
そう言いながら、ホアノスの首をバキリとへし折った。
ホアノスが完全に絶命したところで、クロートは、ホアノスの体を業火で焼いていく。
そして、綺麗な灰になったところで、その灰を手の中で球体にしていく。
クロートの掌の上で、ギュルギュルと音をたてて丸くなっていく。
圧縮されて、どんどん小さくなって、ピンポン球サイズになったところで、
「ショデヒ、光栄に思え。これより、貴様は、正式に俺の奴隷となる。それは、つまり、真・神帝陛下の配下の一人になれるということ。もちろん、お前のポジションなど、末席の末席だが、しかし、その栄誉ははかりしれない」
「ど、奴隷というのは、言葉が強すぎませんか? 私も、一応、聖龍王国では、それなりの立場にある身。ウィンウィンの関係を築くための努力は惜しまないつもりですが、一方的に搾取される気はありませんよ」
そう言いながら、ショデヒは、魔力を底上げしていく。
と、同時に、いつでも、聖龍王国に戻れるよう、帰還用アイテムをセットしておく。
(話の通じる相手……だと思ったんだが……)
クロートは『知性を感じさせる話し方』をしているため、やり方しだいで交渉のテーブルにつかせることもできる――と、ショデヒは思っていたのだが、
「……問答無用の力ずくで抑え込もうとしてくるのであれば……こちらも、全力で抵抗させてもらいますよ。しかし、それはお互いにとって不利益しか生まないと考えます。建設的な話し合いをしませんか?」
最後まで、交渉を続けようとするショデヒ。
この辺から、『いかに冷静でイカれているか』を相手に伝える作業がはじまる。
根気強く、粘り強く、利益を求めて闘い続ける営業マン――それが、ザバメット・ショデヒ。
そんなショデヒの努力を、
クロートは、
「私に不利益などないよ、ショデヒ」
そう言い捨ててから、
ショデヒに向かって、左手を向ける。
右手の中には、ホアノスの灰玉。
それを、自動研磨しながら、
左手に魔力を集中させて、
「ダンテレイ」
高威力の照射を放つ。
ダンテレイは、『異次元砲』と比べれば、色々と劣る魔法だが、『ダンテレイに適性のある者』が使えば、異次元砲以上の火力も出せることも、なくはない。
ショデヒは、クロートの照射に対し、
即座に、
「ドリームオーラァアアアア!!」
バリアの魔法を発動させる。
基本的に、上位者は、フェイクオーラと同様、
防御魔法のドリームオーラも常時展開させており、
ショデヒも、戦闘中は、そこそこのドリームオーラを常に展開させているのだが、
今回のように、全力詠唱により、効果を高めるということはままある。
「……ぐっ……」
クロートのダンテレイは、非常に高火力で、
当然のように、ショデヒのドリームオーラでは対処しきれなかった。
かなりのダメージを受けてしまった――が、
(……バーチャ級ではない……神化していないエルメスと同等かそれ以下と言ったところ……)
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