センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
52話 テスカトリポカ。
52話 テスカトリポカ。
「むちゃくちゃなことを言っているね。『高い効果を求めた場合、重たい対価が必要となる』という、世界の絶対定義すらもシカトしている。……あ、もしかして、それが、テスカトリポカの能力だったりするのかな?」
「いや、テスカトリポカに、そんなチートはない。『相手の何か』を『一つコピーする』ぐらいが精々」
普通に考えれば、めちゃくちゃ凄まじいチートなのだが、
プラチナは、どれもエグすぎるため、もはや、
その程度では、チートと認識することも出来ない。
「破滅モードに関しては、ザンクさん自身の力。おどれは、ここまで、ザンクさんを、散々コケにしてくれたけど……ザンクさんは、そこそこ出来る男なんじゃい」
と、大きく見栄を切っていく。
が、それと同時に、
「……ま、いうても、1兆3000億が限界やったけどなぁ……はは。……この数値だけを見ても、ザンクさんの潜在能力の低さがうかがえるな。もし、トウシやったら、普通に10兆は超えていくやろう」
軽く自虐をはさむザンク。
しかし、悲観的な顔はしていない。
ただ、事実を事実として受け止めている覚悟の表情。
もはや、彼の中に、そんな小さなことで悩んでいられる余裕はない。
ザンクは、そこで、改めて、自分自身の能力を確認していく。
「1兆3500億か……あれだけシッカリと丁寧に暴露を積んだのに、3パーセントぐらいしか上昇してないなぁ。まあ、でも、暴露するだけで500億も存在値が上がったと考えたら、だいぶ破格か」
暴露で上昇する値は割合上昇であることが大半。
絶対ではないが、上位になれば、ほぼ確定で割合上昇になる。
「さて……ほな、行こうか」
そう言いながら、ザンクは武を構えた。
その様を見て、蝉原は、
「……数値はそこそこになったけど、それでも、俺と比べればゴミみたいなもの。そして、武に関しても、君のソレは酷いものだ。そんなザマで俺に勝てるとでも?」
「勝てる! 100%!」
叫んでから、ザンクは飛び出した。
一応、存在値的には1兆を超えているので、
それなりの速度だった。
しかし、肉体の連携度がゴミなので、
「……存在値1000億ぐらいの神でも、さすがに、今の君よりは素早く動けるよ。君には武の才がない。仮に才能があったとしても、ソレは大器晩成型で、けっして早熟型ではないね」
蝉原は、そう言いながら、
ザンクの攻撃を半歩分の動きで回避して、
「ていうか、これ、さっきもやったよね? 『君自身の武』で、この俺をどうにかするのは絶対に無理だよ。せめて、イマジナリィ・マリオネットゲイザーで、閃くんか、ソンキーの武をコピーしなよ。破滅モード状態の今なら、そのぐらい、できるよね?」
「必要ない! おどれごときを殺すぐらい、ザンクさんだけで十分!」
そう叫びながら、ザンクは、今の自分にできる全身全霊を蝉原にぶつけた。
その結果は言うまでもない。
『ちょっと前に出た結果』とまったく同じだから。
特に訓練を積んできたわけでもないヒョロガリのザンクが、
ゴリゴリのヤンキーである蝉原に、勝てる道理などない。
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