センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
121話 究極超神化8蝉原勇吾。
121話 究極超神化8蝉原勇吾。
「――これ。どういう悪夢? マジで勘弁してほしい。ていうか、粘液、きったな……」
力を奪われたことに対して憤慨したのちに、
べとべとの唾液に対して怒りをあらわにする。
その間、蝉原は、
「お、おおお……おおおお……っ!」
覚醒しようとしていた。
『元々持っていた莫大な力』に、
テラスの『カオスルナティック』が加算されていく。
融合しているわけではない。
ただ、純粋に『奪い取った』だけ。
だから、戦闘力の低下なども起きない。
――ただ純粋に、膨れ上がっていく。
ありえないほどの数値へと、駆け上がっていく。
真・究極超神化7のその先。
――究極超神化8へと。
蝉原は、
「……こ、これが……究極超神化8か……」
自分の肉体に起こった変化を確かめていく。
その過程で気づく。
「いや、これは……完全な究極超神化8ではないな……その前段階……『プ〇モス』に『進化の繭』をつけた段階でしかない……」
などと、そんな自己評価をしている蝉原に、
テラスは、己を落ち着かせるために、
「あ、あんたカードゲームとか知ってたんだ」
と、あえて、チョケたことを口にしていく。
内心では、『かなりヤベェ』と焦っているが、
しかし、救援対象である『ザンク』の前なので、
『ヒーロー(道化)の仮面』は外せない。
『道化の強がり』を見せるテラスに、
蝉原は、ニっと、おだやかに微笑んで、
「君がすきなものだから覚えた。そうでなければ、この俺が、ガキのお遊びに興じることなどありえなかった。『恋人の影響』で趣味が変わるという話は時折耳にしていたが、それが自分に起こるとは思っていなかったよ。まあ、別に、趣味が変わったわけではなく、ただ、勉強しただけだけれど」
「あんた、恋人とかいたっけ? 性欲処理の相手は何十人もいるって噂だったけど」
「ああ、恋人というのは、比喩だよ。『殺したくてたまらないターゲット』のことを、あえて、文学的に、そう呼んだだけさ。つまり……君のことだね」
執着に濡れた目でテラスを射貫く。
「殺意と愛情は紙一重。もちろん、世間一般を見渡せば、そうじゃないパターンも多々あるだろうけれど、俺の場合は、完全なる表裏一体。俺は震えるほど君に焦がれている。俺は君を壊したくて仕方ない。君は、おいしく実った果実」
「ハンター〇ンターまで修学しているとは、勉強熱心だねぇ」
「それは、元々知っていたんだよ。流行しているものを、最低限、抑えておくことだけは、君を知る前からやっていたからね。異世界モノが流行った時期には異世界モノをいくつか勉強した。どれも、クソすぎて、見ていられなかったけれどね」
「異世界モノをクソだと言っておけば流行を抑えた気になれる、という、その勘違いが一番ダサいってことにすら気づけていない、自分の愚かさと向き合った方がいい」
「ははは、ずいぶんと感情的になるね。そんなに異世界モノが好きなのかい?」
「震えるほどに焦がれていたよ」
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