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106話 携帯ドラゴン。


 106話 携帯ドラゴン。

「異次元砲」

 首から血を吹き出している『サイアジの残った体』に、
 テラスは、オーラの照射を浴びせて、跡形もなく消滅させた。

 サクっと、サイアジの脅威を終わらせたテラスは、

「ふぅ」

 軽く息をついてから、
 ザンクに視線を向けて、

「――神の慈悲――」

 柔らかな光がふりそそぐ。

 超々々高位の回復魔法で、
 ザンクの体を完全に元の状態へと戻すテラス。

「ぁ……ぁあ……」

 肉体が回復しただけではなく、
 心まで、修復されていく。
 驚くほど静かになる心。
 穏やかに整っていく。

「……す、すごいな……」

 ボソっと、ただの本音を口にするザンク。

 そんなザンクに、
 テラスは、

「さて……厄介事も消え去ったことだし、色々と教えてくれる? まず、ここ、どこ? ちなみに、私は、ついさっき、『異世界から転移してきたばっかり』で、何も知らないから、丁寧な説明おなしゃす」

 ほぼ完璧に、心が整ったザンクは、
 魂のピントを、テラスに合わせて、

「……異世界から転移ねぇ……なるほど……ちなみに、どこから転移してきたん?」

 冷静に、重要な質問を投げかける。

 テラスは、間を置くことなく、サラっと、

「日本」

 その『想定通りの返答』に対し、
 ザンクは、丁寧に返していく。

「ほう、奇遇やな……このザンクさんも、日本から、ここに転移してきた」

「え、マジで? あんた、日本人?」

「本名は、田中斬九。日本人やったら、馴染みのある名字やろ?」

「田中佐藤鈴木に馴染みのない日本人はいないだろうね、はは」

「……一個、聞きたいんやけど……『生粋の日本人』なんやったら、なんで、そんな、『莫大な力』をもっとんの? ザンクさんが調べたところによると、ザンクさんたちが元いた世界では、レベルを上げる手段とかないし、マナとかもないから、魔法を扱うことも出来んはずなんやけど」

 この辺の情報は、コスモゾーンを漁ったことによって知った情報。
 元の世界――『第一アルファ』と呼ばれている世界には、
 マナも、ナノ・スピリットも存在しないし、
 魂魄処理機構も正常には働いていないので、
 レベルを上げる手段すら存在しないという。

 ザンクのまっとうな質問に対し、
 テラスは、『トンデモ回答』を投げ込んでくる。

「――『携帯ドラゴン』っていう、『特別なオーパーツ』と契約できたから、色々と、特殊な力をマスターすることが出来た。死ぬほど苦労したけど、今では、そこらの神では相手にならないぐらいの力を手に入れたよ」

「……携帯ドラゴン……なるほど……なるほど……ふむ……そういう路線か……」

「え、知ってんの? もしかして、こっちにもある感じ? それとも、もしかして、あんたも契約しているとか?」

「まあ、契約しとると言えばしとるけどなぁ……ザンクさんのヤツは、かなりバグっとるけど」

 そこで、ザンクは、ザンバグを呼び出して、テラスに見せる。

 ゴリゴリの虫を見せられたテラスは、

「うーわ、きっしょ」

「まあ、女子はそう言うやろうなぁ」

 と、ザンクは、いったん、抗えない性差を口にしてから、

「携帯ドラゴンは確かに超性能のオーパーツやけど、鍛えてない初期能力時のスペックは、そんなに高くない。……どうやって、そこまで鍛えたん?」

「私の『通っていた学校』が、なんか、『龍脈がどう』とかの関係で、『やばい神話生物が、アホほど沸いてくる仕様』になっていてね」

「神話生物が湧く学校。終わっとる学校やな。……ほむ……ちなみに、それ、どこ?」

「時空ヶ丘(じくうがおか)学園」

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