センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
98話 人力では立ち向かえない、やべぇ災害。
98話 人力では立ち向かえない、やべぇ災害。
先ほどの段階では、まだ、わずかに、
戦意というものが、『コンマ1%ぐらいは残っていた』のだが、
神化状態のサイアジの覇気に触れたことで、
100%、キッチリと、抵抗心が砕け散った。
「ははは……なんや、これ……オモロすぎるやろ」
ザンクは、もはや、サイアジのことを『敵』とは認識していなかった。
この感情は、言ってみれば、『災害に直面した時』の感覚。
目の前に迫っている『でっかい津波』を見て、ファイティングポーズをとる者はいないだろう。
『腕に覚えがある格闘家』でも、空から隕石が降ってきたら、命を諦める以外に道はないだろう。
これは、そんな感じ。
ただの絶望を目の当たりにしているだけ。
どうしようもない災害を前にして、
死が明確になっただけ。
「絶対に勝てんなぁ、ははは」
と、一度笑ってから、
「なあ、もう一個質問があるんやけど……」
「なんだ?」
「ザンクさんも、その神化って技、使えるようになるんかなぁ?」
「そんなことは知らん」
「……最後にちょっとだけ試してみてもええかな?」
「なぜ、そんなことを聞く? 勝手にすればいい」
「いや、ちょっと時間がかかるし、そっちに集中力を全ブッパせんといかんから……許可をもらわんと出来ん。『ずっと黙って待ってくれる』という状態を『確約』してもらわんと、完全集中状態に入れんし。あと、お前相手に、マジで時間を稼ぐとか無理やし」
ザンクの親戚の中には、
どんな状態であろうと、任意かつ一瞬で、
完全集中状態に入れる者がいる。
――しかし、ザンクはそうじゃない。
『いつ殺されるか分からない』という状態で深い集中力を発揮できるスキルは持ち合わせていない。
これは、もはや、根性がどうとかいう次元の話ではない。
『生まれついた能力』の問題。
「……5分でええから、時間をくれ」
「構わない。なんだったら、一時間でも二時間でも、自由に使うといい」
「え、ほんま? やさし……っ」
「神化したところで、貴様では、私の相手にならんからな」
了解を受けたところで、
ザンクは、完全集中状態に入るため、意識を深いところに持っていこうとした。
外界から意識を切り離し、
自分の奥の奥へといこうとする。
(……『神種』に関する領域に強制アクセス……当然、強大なプロテクトがかかっとるけど、死ぬ気で突破する――)
と、自分の可能性を開くために、
決死の集中力を発揮して、
周囲が全く見えなくなっている状態。
そんなザンクの右腕を、
サイアジは、
「――敵の前で、完全無防備なスキをさらすとは、何事か」
などと言いながら、ブチリと引きちぎる。
「がっぁあああああああああああああっっ!!」
100%完全に無防備な状態で、思考の世界を漂っていたザンクは、
激痛により、強制的に、外界に意識を引っ張られる。
「ちょっ……おまっ……時間くれるんちゃうんかい……」
「敵の言うことを、なぜ、信じた? なぜ、貴様が強化されるまで、私が待つと思った?」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
20
-
-
93
-
-
4
-
-
58
-
-
26950
-
-
52
-
-
2
-
-
969
-
-
2813
コメント