センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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77話 C級マシンゴーレム星屑、出撃準備完了。


 77話 C級マシンゴーレム星屑、出撃準備完了。

(見えてきたぞ……なるほど、ドーキガンの動きをコピーしているのか……)

 『長年にわたる地獄』の中で磨き上げてきた戦闘考察力で、
 ザンクの秘密を速攻で暴いて見せるセン。

(雑なコピーだな、キレはいいけどトロい……いや、コピーの精度が低いんじゃなく、こいつのスペックが低いのか……)

 即座に、ザンクの『ステータス自体は低い』という弱点を見つけ出す。

(まあ、所詮は『ワンダーマン(中級モンスター)』……なかなかレアな特技を持っているようだが、その程度じゃ、俺にはとどかねぇ)

 などと思っていたのだが、

「――機動人形ランク12。――星屑、出撃準備開始」

 ザンクは、さらに、機動魔法を発動させる。
 今回は、無詠唱にしているわけでも、フェイクオーラを使っているわけでもない。
 ただの全力投球。

 『――マシンゴーレム、出撃準備完了』

 起動開始の合図が響く。
 直後、無数の『魔法鋼パーツ』が、噴火したマグマのようにドワっと湧き上がってきて、ガチャガチャガチャッと、ザンクの体を閉じ込めるように組みたてられていく。

 ほとんど一瞬のうちに、ザンクの体は、全長2メートルほどの機械人形の中に閉じ込められてしまう。

(……き、機動魔法まで使えるのかよ……すげぇワンダーマンだな……レアにもほどがあるだろ……)

 機動魔法により、全ステータスを底上げしたザンクは、
 オーラと魔力をギュンギュンに高めて、

「ギャラオラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 豪速でつめより、
 爆裂のラッシュを繰り出す。

 センは、ザンクの猛連打に対し、
 極めて冷静に、

(――激烈に『レア』なのは認める。あいつは、別に弱くねぇ。つぅか、強い方だ。けど、ドーキガンと違って、こいつは『怖く』ねぇ……スペックは間違いなく高いが、普通に薄っぺらい。殺し合いに慣れてねぇのが手に取るように分かる)

 心の中で、そう言い捨てると、
 軽やかに、鮮やかに、流れるように、ザンクの背後を奪い取り、
 そのまま、ザンクの後頭部に、『固めた肘』を叩き込む。

「うげぁっ!!」

 重たいエルボー。
 激しい衝撃で、一瞬、頭が真っ白になるザンク。

「……召喚獣に『こんなコト』を言うのもアレだが、てめぇは、圧倒的に経験値不足だ。『数字』の経験値じゃなく、『実質』の方の経験が、圧倒的に不足している。質量不足で薄っぺらいんだよ」

 そう言いながら、センは、
 ザンクに対し、丁寧な一撃を叩き込んでいく。

 そんなセンの猛攻に、ザンクはまったく対応できていない。

 『ドーキガンの動きをコピーした神速のムーブ』で、センに詰め寄っているのに、
 なぜだか、攻撃がまったくあたらない。
 センの動きの方がスローペースなのに、
 なぜだか、センの攻撃だけがバシバシと当たる。

 そんな、まったく理解できない状況の中で、
 首をかしげていると、
 センが、

「分かるぞ、ワンダーマン。お前の経験値はゼロじゃない。けど、たぶん、『触れたことがある』とか『知っている』という次元が精一杯で、『そこから先』を体験したことがねぇ。だったら無理だ。俺には永遠に届かねぇ」


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