センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
65話 『これは、秘密の部屋を発見した者の褒章ではありません』
65話 『これは、秘密の部屋を発見した者の褒章ではありません』
(……サバイバルは年に一回しか行われない……ここを逃したら、褒章を得るチャンスは、一年間のびる……この『一分一秒が惜しい状況』で、一年ものタイムロスは許容できねぇ。他で代用できるなら別にいいんだが……『秘密の部屋』の『深層』に辿り着くためには、サバイバル褒章が必須だからなぁ……あぁ、ウゼぇ……)
しんどそうに溜息をつくセン。
『学校の秘密探し』を趣味にしているボーレの導きにより、
センは、体育館裏に隠されていた『秘密の部屋』を見つけ出した。
秘密の部屋の『表層』にも『まあまあのアイテム』が隠されており、それを入手するだけでも、なかなかのパワーアップを果たすことが出来たのだが、しかし、どうやら、『深層部分』には、『表層の宝』とは比べ物にならない、とんでもない宝が隠されているらしい。
『秘密の部屋の深層』に辿り着くためには、
高難易度の試験を突破することで得られる『褒章』を集める必要があった。
最初は、他人の『褒章』を拝借して、それで深層に辿り着こうとしたのだが、
しかし、実際にやってみた結果、
『これは、秘密の部屋を発見した者の褒章ではありません』
という、アンサーが返ってきてしまい、
仕方なく、センは、正攻法で、褒章を集める羽目になってしまった。
(俺は『ほんの数十年という、クソ短い期間』で『バグを殺す準備』を進めないといけないんだ……無駄な足踏みをしている余裕はねぇ……)
などと、そんなことを心の中でつぶやいていると、
そこで、センは、
「――っっ!」
『強大な魔』の気配に気づいた。
バっと後ろを振り返ると、
そこには、広大な南大陸の絶対的支配者である『世界最強の魔王』が立っていた。
その背後には、3人の付き人。
(……ぞ、ゾメガ・オルゴレアム……相変わらず、膨大なオーラ……)
ゾメガがヤバいことは、この世界に転生する前から知っている。
編入試験でも戦っているから、『ガチでやりあったら絶対に勝てない』ということも知っている。
「……第十七ミッション、失敗。その罰は、余と戦うこと……それは、理解しておるな?」
そんなゾメガからの問いかけに、
カルシィが、
「はい、陛下。もちろん、存じ上げております。陛下と武を交えることができる喜びに心震える一方、純粋な恐怖と不安にも押しつぶされそうになっております」
「そう心配する必要はない。本気で闘うつもりはないからのう」
「そうでなければ困ります。陛下に本気を出されたら、われわれのような矮小な学生は、何人で束になってかかっても、極大殲滅魔法一つでチリになってしまうでしょうから」
と、カルシィが、そんなことを口にしたところで、
ゾメガは、
「今回は、余だけではなく、後ろの三人にも、ぬしらを狩る役として参加してもらう」
「なるほど、複数戦ですか……」
そうつぶやいたカルシィの背後で、
ボーレが、
「げぇ……最悪だ……難易度爆上がりじゃねぇか……」
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