センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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58話 オルゴレアム帝国は、順調に栄えている。


 58話 オルゴレアム帝国は、順調に栄えている。

「ボクたちだけでは対処できません。最低でも、もう一人、強大な力を持つ者の助けが必要です」

「……ああ、そうだな。間違いない」

「相談しにいきましょう。ゾメガさんのところへ」

 会議は短かった。
 お互い、最初から既に結論が出ていたから。

 二人はすぐに準備をして、
 南大陸へと向かう。

 その後ろを、バーチャとの闘いの直後からずっとボーっとしているだけのザンクがついていく。


 ★


 ゾメガが支配する国は、北大陸だと、『魔王国』と呼ばれていることが多いが、
 実際の名称は『オルゴレアム帝国』である。

 かつて、南大陸には、7つの『魔物の国』が存在したが、
 その全てが、ゾメガの手によって、秒で統合され、
 現在のオルゴレアム帝国が建国された。

 巨大かつ一枚岩の帝国は、
 バラバラな北大陸よりも、ぶっちゃけ、かなり栄えていた。

 北よりも南の方が、資源も豊富で、
 かつ、絶対的支配者のもとで一致団結しているのだから、
 『思想の方向性』が『それぞれで明後日を向いている人間の国々』よりも、
 はるかに上質な文化的進化を遂げているのは、当然の話。

(南大陸は、常に、順調な成長を遂げているな……)

 オルゴレアム帝国の首都サクリファイスを練り歩きながら、モナルッポは、感心していた。

 擬態した状態で、この国を視察しにきたことは何度もあるが、
 来るたびに、オルゴレアム帝国は発展を遂げていた。

(別に魔人だけが特別優秀だとは思わない。北大陸の人間だって、『偉大な王』によって統一されれば、同じか、もしくはそれ以上の発展を遂げることは可能)

 いずれ、その『偉大な王』になる予定のモナルッポは、
 オルゴレアム帝国の町並みをみることで、
 モチベーションを底上げしていく。

 『燃えるような熱意』と『明確な目標』があると、人は、いくらでも努力が出来る。


 ――首都サクリファイスのちょうど中央部に、ゾメガは居城を構えている。
 非常に大きな城だった。
 『城の出来』だけで言えば、このゾメガの城が間違いなく世界最高。

 ドーキガンは、城の門番に顔を晒し、
 ゾメガに会いにきたことを伝えた。

 すると、数分後、
 城から出てきた一人の人物が、ドーキガンたちに近づいてくる。

 彼は、ゾメガが抱えている『帝国軍』の将軍の一人、『エレ』。
 ヴァンパイアの魔人で、ゴリゴリマッチョの戦士タイプ。

「陛下は今、ゾーン魔法学校が毎年行っている恒例行事『煉獄サバイバル』の視察に行っている。もし、どうしても会いたいというのであれば、その会場に向かうといい。場所は、ここから南東20キロ地点にあるクオロロン霊山。ほら、見えているだろう? あの白い山だ」

 ゾメガがいる場所を教えてもらったドーキガンが、
 モナルッポに、

「視察ですか……どうしましょう? 帰ってくるのを待ちますか? 邪魔をしてもアレですし」

 と、声をかけると、
 エレが、

「好きにすればいいと思うが、一応言っておくと、煉獄サバイバルは、下手したら、終わるまで2週間以上かかるぞ」

 その発言に、ドーキガンが、眉間にしわをよせて、

「……に、2週間……ですか……」


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