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48話 トウシにとって最強の天敵、田中・イス・斬九。


 48話 トウシにとって最強の天敵、田中・イス・斬九。

(警戒網に触れたら終わりの透明化よりも、認識されんようになる『石〇ろ帽子』の方が、偽装レベルは上……石こ〇帽子を、情報戦の中で、使えたら完全に最強……ザンクさんは、対東志において、最強の天敵たりうるかもなぁ……)

 面白そうな未来を想像して、ザンクの笑みが強くなる。

(あいつの天才ぶりは、マジで、田中家の中でも抜きんでとる……ぶっちゃけ、あいつがその気になったら、出来んコトなんかないやろう。そんなあいつの足元をすくうことができたら……なかなかの自慢話にできそうや)

 単なるシャレやイタズラの延長で、
 ザンクは、トウシから権限を奪い取ろうとしている。
 そこに、倫理や道徳は介入してこない。

 ザンクは、さらに、中枢へ、中枢へと潜っていく。
 そして、ついには、『シャイニング/G‐クリエイション』のシステムにたどりつく。

(……おもろいプログラムや……これは、おそらく、元となる基盤があるな……この『シャイニング/G‐クリエイション』は、その改竄版……もっといえば、改悪版かな……これは、あれやな……『子供とか、おじいちゃん用の簡易ケータイ』みたいな感じやな……)

 本来、もっと膨大なことができるのだが、
 あえて、機能を落とすことにより、
 『有識者以外でも使えること』を優先させている感じ。

(……システム構築用のツールの場合、どんだけ難しくても、東志なら、余裕で扱えるはず……となると、やっぱり、東志は、サポート要員として呼ばれただけくさいな……おそらく、この世界の最も中心におる存在は、『だいぶ機能を落とした状態のクリエイションシステム』でも扱えんぐらいのアホってこと……)

 『メインの神様がアホってイヤやなぁ』などと、心の中で、ボソっとつぶやいてから、

(最終的には、メイン神のポジションを奪い取る、みたいなこともおもろいかもなぁ……)

 『東志の上にいる存在』を頭の中で想いながら、

(どうせなら、とことんまで、この世界で遊んだる。ふっふっふ)

 悪人笑いを決め込むザンク。
 何度でも言うが、彼に本物の悪意は存在しない。
 ただ、おそろしく自由で、かつ、愚かなほど無邪気なだけ。

 ――と、そこで、ザンクは、ようやく、

(……東志の力も神の力も奪い尽くして、行きつく所まで行ったあとは、どないしようか……)

 真剣に『未来』を想い始める。
 力を奪うというのは、面白いからやってみたい。
 しかし、その後はどうしようか?

(神の力があれば、たぶん何でもできるやろう……けど、もう、その時点で、『神の力を奪う』というメインイベントは終わっとる……つまり、もうすでに、最大級におもろいことは終わってしまっとるということ……)

 ザンクは、そこで、『最後の最後で、最強の武器が入手できるタイプのRPG』を思い出す。

(倒す敵がおらんようになったあとで、最強の武器をもらってもなぁ……)

 タナカ・イス・ザンクには夢がない。
 叶えたいと渇望する夢が存在しない。
 絶対に正しいと信じられる夢がない。

 だから、面白そうか否かでしか行動基準をはかれない。
 ――と、そんな風に、自分をブランディングしている。

 『実際のところ』がどうかに関しては、いつだって不透明で不明瞭。


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