センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
20話 トランスフォームではなくアマルガメーション。
20話 トランスフォームではなくアマルガメーション。
ザンクは、『ザンバグ』に何が出来るのかを調べていった。
結論から言うと、ザンバグは、膨大なマナを内包していたが、
しかし、それだけで、特に、何か特別なことが出来るわけではなかった。
(濃密なマナを内包しとるだけか。……情報によると、携帯ドラゴンは、万能ツールって話やったけど……こいつは、そういう感じではないようやな。機能を解放するためには、何か、特別な方法があるんやろか……んー……今、ここで、それを暴くんは、さすがに無理がある感じやな……)
心の中で、そんなことをつぶやきつつ、
ザンクは、
ザンバグを使って、色々と実験を積んでいく。
そんな中で、
(仮に……こいつと、融合とかしたら、どうなるやろうか……)
ザンク、悪魔的発想!
圧倒的変態性!
(体内に大量のマナがある状態なら、循環のさせ方しだいで、膨大な出力を発揮することも、不可能ではないんとちゃうやろか……)
そこで、ザンクは、『遊』の魔法を、さらに遊ばせて、
「――アマルガメーション――」
二つの魂を融合させる魔法を顕現させる。
自由気ままな魔法使いっぷり。
その、あまりに突飛な遊び人っぷりに、世界が瞠目する。
携帯ドラゴンの機能の中には『トランスフォーム』という融合システムもあるのだが、そっちの方は使わず、あえて、アマルガメーションを選ぶザンク。
――アマルガメーションを使用した結果、
ザンクとザンバグの体が重なり、強く発光した。
そして、気づいた時、
ザンクは、虫人間になっていた。
その様を見たモナルッポは、渋い顔で、
「……お、おい、ザンク、お前……まさか、さっきの虫と……合体したのか?」
「ああ。まさに、そのとおり。どうや。なかなか、イカした姿やろ?」
「き、きもちわるい……なんで、そんなことができるんだ……」
モナルッポの視点では、
『ゴキブリを手づかみして、生きたまま丸のみしたシーンを目撃した』みたいなもの。
あまりの気持ち悪さに、吐きそうになる。
「お、お前、異常だぞ……最初からずっと、何かがおかしい」
「おかしな話やねんけど、それ、稀によぉ言われんねんなぁ……なんでやろうなぁ。ザンクさんは、こんなにもイノセントで、かつ、『まともな性格だったら完璧なのに』と言われ続けてきた人間やのに」
「……」
「ははは、おもろい顔になってんで、モナさんよぉ」
と、快活に笑ってから、
ザンクは、バグと融合した自分自身の具合を確かめる。
(とんでもないマナ量……これはすごいな……)
とてつもなく大きいということは、明確に理解できた。
しかし、それをどう扱えばいいのかが、いまいち、見えてこない。
(魔法に対して、まだ理解度が、足りてないんと……あと、ザンクさんの魔力に問題があるな……単純に数値不足……)
足りていないのだ、何もかも。
(今のままでも、『ムリヤリ出力をあげる方法』は何個か思いつく……やるだけなら難しくない。ただ、今のザンクさんの力では、ザンバグに力を与え過ぎた場合、制御しきれずに崩壊する可能性がある……ザンバグをうまく扱うためには……んー、やっぱり、一番確実なんは……愚直なレベルアップかなぁ……)
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