センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
80話 『モナルッポ・スピアーズ・ミルトリス』VS『バーチャ・ルカーノ・ロッキィ』。
80話 『モナルッポ・スピアーズ・ミルトリス』VS『バーチャ・ルカーノ・ロッキィ』。
(……いざとなったら、ショデヒから買い取った魔カードで、革命を起こす必要があるかもしれない……愚かしさを演じながら、合理的に、裏を詰めていって、各国を制圧していき、強制的に団結させる……かなり危うい手段だが、ドーキガンとゾメガの助けがあれば、出来なくもない……セアとセファイルとトーンは、どうにかなるだろうが、カルとフーマーが問題だな……)
などと、高速で頭を回転させつつ、
未来を想っていると、
そこで、武舞台に、一人の男が上がってきた。
決勝の相手。
バーチャ・ルカーノ・ロッキィ。
彼の姿を目におさめたモナルッポは、
心の中で、
(……人間ではない……だが……魔人でもないような……進化種でも……ない……気がする……)
バーチャ・ルカーノ・ロッキィは、『不思議な雰囲気』を纏った男だった。
狂気であったり、混沌であったり、
そう言った、『人の心をザワつかせる歪み』を孕んだ男。
三つの左腕と両足に、重たそうなブレスレットとアンクレットを装着しており、
その『暴力的と表現して差し支えない両目』は、
完全に、『モナルッポではない何か』を見ていた。
「バーチャ様、準備はよろしいでしょうか?」
審判が、これまで以上の低姿勢で、そう声をかけると、
バーチャは、第一左手を雑に払うだけの返事で応えた。
「かしこまりました。それでは、決勝戦をはじめます。制限時間は15分。はじめてください」
合図と同時に、
モナルッポは、バーチャから距離をとった。
様子見の一手。
ローリスクローリターンな中間択。
そんなモナルッポの行動を、
バーチャは、ゆっくりと睥睨(へいげい)している。
まるで、『動きの遅い虫』を眺めているような視線。
ピクリとも動かないバーチャを見たモナルッポは、
(……もう、ここまできたなら、敗北してもかまわない。あとは、バーチャに関する情報を、少しでも持ち帰ること……それだけでいい……っ)
そう決断すると、
モナルッポは、ダッと、一気に、バーチャとの距離をつめた。
拳にオーラと魔力を込めて、
バーチャを測定するための一手を放つ。
(さあ、どう対処する?)
そんなモナルッポの攻撃を、
バーチャは、顔面で受け止めた。
ピクリとも動かず、まばたきすらしない。
モナルッポの攻撃など屁とも思っていないという意志表示としか思えない。
バーチャは、その場からピクリとも動かないまま、
モナルッポの目をジっと見つめて、
「ためすなよ。この私を、貴様程度が」
はるかなる高みから、
モナルッポを見下ろすバーチャ。
バーチャは、そのまま、右足で、軽ぅく、モナルッポの両足を、ザッっと払った。
簡素な動きだったが、モナルッポの視点だと『自分がひっくり返って地面にたたきつけられる』まで、何が起こったのかさっぱり分からなかった。
「ぶへぁっ!!」
側頭部を武舞台にたたきつけたところで、ようやく、モナルッポは、自分が、バーチャにこかされたことに気づいた。
「ぐっ……うっ」
すぐさま立ち上がる。
そのまま、再度、バーチャから距離をとるモナルッポ。
(……破格っ!)
モナルッポは、すぐさま、バーチャを判定した。
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