センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
71話 聖龍王国は、もろもろ、キッチリしている。
71話 聖龍王国は、もろもろ、キッチリしている。
「もともと、俺の方が、だいぶ先に進化していまして……半年ぐらい前かなぁ……で、森の奥の方で、テキトーに生きていたんですが、豪覇鬼だった頃からの知り合いであるこいつも進化したんで、それをきっかけに、この国で厄介になろうかなぁ、と思いまして」
「うむ、なるほど。了解した。豪覇鬼の新人、幹部候補生と。さて、お前らには、これから、いくつか研修を受けてもらう。この国で研修を受けた場合、正式に、聖龍王国の民として登録される。イヤなら他の国にいってもいい。人間が多い北大陸で過ごすよりも、ゾメガが支配している南大陸にわたって、魔王国の民になったほうが、いろいろと楽だが。さて、どうする?」
「いえ、南大陸へいく方法も分からないので、ここで大丈夫です」
「城下町の転移所から、南大陸に、一瞬で転移することは可能だぞ。本来であれば、15万テスが必要だが、まだ登録されておらず、『南大陸の民になる』と確約できる者の場合、一度だけ、無料で利用することもできる」
そのシステムを利用した場合、魔王国から、それなりの金が、聖龍王国に払わられることになる。
転移する者の階級によって異なり、元最上級モンスターの場合は50万テス。
魔王国と聖龍王国の間では、そういう取り決めがかわされている。
「……へぇ……あ、いや、でも、俺は、こっちでいいです。お前も、いいよな?」
声をかけると、キッツがこくりと頷く。
ほどほどに気配を消しており、相手の印象に残らないよう注意をはらっている。
ちなみに、それは、モナルッポも同じ。
潜入調査において『もっとも重要なこと』は『存在感を消す』こと。
されど、『最下層の地位』にいては、情報を集める際、不利になるから、
ちょうどいいラインである豪覇鬼を選択した。
「了解した……」
役人風の男がそう言うと、
そこで、奥の扉から、
また別の、役人風の男が出てきて、
「こっちだ、ついてきてくれ」
と、別の部屋に案内されて、
そこで、けっこう、みっちりと研修を受けた。
色々と、この国で生きていく上で必要な情報を、こまかく叩き込まれる。
研修が終わると、
その足で、モナたちの住居となる長屋に連れていかれた。
「二人で一緒に住む……ということでいいんだな?」
「はい、その方がありがたいです」
――案内された家は、かなり小さかった。
『寝る』こと以外は厳しそうな6畳一間の小さな掘っ立て小屋。
こんな場所でも、もちろん家賃はとられるし、
住民税や国民税も取られる。
しっかりと働いて金をおさめなければ、
強制労働の刑罰を受ける上、
ここよりも、さらに酷い場所で暮らすハメになってしまう。
「キッチリと税を納めれば、仕事は自由に選べる。力を示せば、上級国民になることも可能。最上級の進化種ならば、それも難しくないだろう。ルールに従い、成果を示せば、この国では、そこそこ豊かに生きていける。――ただし、犯罪に手をそめたり、家賃を滞納したりすると、軍から目をつけられ、自由を失う。以上だ。あとは好きにやれ」
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