センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

52話 性格の悪い大学教授ばりに、かなり絶望的な課題。


 52話 性格の悪い大学教授ばりに、かなり絶望的な課題。

「この世界の支配者であるワシは、今後、この城を拠点とすることに決めた。で、お前らは全員、ワシの配下ね。これから、人間相手に、世界征服のための戦争をしかけていくから、ワシの命令に絶対服従の兵隊として、がんばれ、ファイト」

「……」

 情報量が多すぎて、理解力が追い付かない。
 頭がパンクしかけていると、
 そこで、ザラキエリが、

「……あ、あの……」

「ん、なに?」

「あなたの強さは、よくわかりました……私では手も足も出ないバーチャを、まるで赤子のようにあつかってみせた……あなたが、とほうもない力を持つことは、重々理解できました……」

「うん。それで?」

「誰も、あなたの道を邪魔することはできないでしょう。あなたは強すぎる」

「誰もってことはないけど、まあ、なかなか難しいやろうね。――それで?」

「あなたが世界征服をする、というのであれば、それを止めることは誰にもできない。間違いなく、それは、成されるでしょう」

「だろうね。で?」

「どういう……征服を求めるのか、教えていただいてもよろしいですか? それが、もし、私の望むものであったのならば、全身全霊でお手伝いさせていただきます。いったい、あなたは、どういう――」

「全ての生命を導く」

「――っ? それは……どういう……」

「ワシが目指すんは、生命の『完璧な倫理的完成』や」

「……」

「めちゃめちゃ簡単な話をすると、ワシは『ワシを超える命』を求める。この世界に、ワシという創造主以上の存在が誕生することを切に望む。それが成された時、世界と命は――次のステージに進むことができる。と、ワシは考えとる」

「……」

 理解しようと必死で、言葉が出てこないザラキエリ。
 Tの思想は壮大すぎて、言葉の真意がイマイチ掴み切れない。

「というわけで、これからワシは、世界に対して『課題』を与えていく。性格の悪い大学教授ばりに、かなり絶望的な課題を出していくつもりやから、ついてこられんやつもおるやろうけど、それでも、ワシは、己の信念に従い、この世界に課題をつき続けていく。すべての課題をクリアできた時、人類は、本物の未来を手に入れる……と、ワシは思っとるんやけど、実際のところどうなるかは、やってみんと分からんな」



 ★



 玉座に腰かけているTは、
 右腕をスっと薙いで、目の前に、エアウインドウを出現させる。

 そこに映っているのは、南大陸でアレコレしているセンエース。

 彼は、今、ミシャ・リグ・ラーバの三人を連れて、
 ゾメガが支配しているオルゴレアム帝国へと向かっていた。

(これから、ワシは、この世界の全部を飲み込む巨大な闇となる……セン……ワシを殺せるか?)

 などと、心の中でつぶやいていると、
 そこで、エルメスが、


「聖主よ……聖龍王国に属するすべての華族が、御身の前に、そろいました」


 北方の森は広い。
 全部で5か所の駐屯地と言う名の町が存在し、
 5つの町を、上位の魔人が支配している。


「みんな、わざわざ集まってくれてありがとう。さっそくやけど、新しい聖龍王国の組織体制について説明していくで。エルメス、あとはよろしく」


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品