センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
28+話 平熱マンではない。
28+話 平熱マンではない。
「……この世界を秒で消滅させることも可能な神が負けるなどありえるのでしょうか?」
「普通に考えたらありえん。けど、この世界には一人、『どんなありえない絶望も覆せる可能性を持ったヒーロー』がおる。せやから、ワシが負ける可能性はゼロやない」
「……そ、それは……ドーキガン・ザナルキアのことでしょうか? かの勇者は、確かに、すさまじい力を持っております。しかし、神の力の前では……」
「平熱マンのことやないよ」
「へ……へい? はい?」
「平熱マン。ドーキガン・ザナルキアのコードネーム」
「……な、なぜ、そのような、珍妙なコードネームを……」
「理由は……特にないんちゃう? たぶん、ただのノリやと思うで。知らんけど」
神の言っていることが、まったく理解できない様子の龍。
神の発言は、高みにありすぎて、理解しようとするだけ無駄だ、と龍は解釈し、
「……あ、あの……ドーキガンではないのであれば……誰のことでしょう? ゾメガ・オルゴレアムでしょうか?」
「あれも、別に悪ぅないけどな。ただ、ワシをどうにか出来るだけの潜在能力は秘めてへんなぁ。ちなみに、ミシャンド/ラでもないで。あいつも、潜在能力はエグいけど、平熱マンやゾメガと大差ない。ワシの相手としては役者が不足しとる」
『理解させる気ゼロ』のセリフを、無造作に並べ散らかすT。
龍は、ずっと、ポカンとした顔をするばかり。
『ミシャンド/ラとは誰だろう』と思ったが、
そんな龍の心情を置き去りにして、Tは、遠くを見ながら、
「ワシの相手が出来るんは、この世でただ一人。『舞い散る閃光』だけ」
★
――さっそく、龍を配下に加えたTは、
そのままの勢いで、聖龍王の元へと向かった。
この森の中央にある『巨大な城』に、聖龍王は住んでいる。
Tは、聖龍王の住処である『でかい城』をみつめながら、ボソっと、
「ちなみに、この城を建てたん、ワシなんやで」
「えっと……主は、すべてを創造したのですから、当然、この城もそうなのでは?」
「さっき、お前が使った魔カードを『直接的』に作ったんはワシやないで。世界と人間を創って、いろいろと、ものづくりのヒントとかは与えたけど、一つ一つの製品とか、建物とか、その辺は、この世界で生きとる者が、その手で造ったもの。ワシはあくまでも世界という箱庭と、お前らの『命のもと』を創造しただけで、1から10まで全部ワシが手間暇かけて創ったわけやない」
「な、なるほど……難しいお話ですが、なんとなく理解できました。つまり、この城は、そこらの建物とは違い、主が自らお建てになられた、とそういうわけですね」
「うん。まあ、建てたぁ言うても、設計して、配置しただけやけどな。ほとんどボタン一つの作業。けっして、汗水たらして建築したわけではない」
「……は、遥か太古から存在する謎の城だと聞いておりましたが……まさか、神の手によって建造されていたとは……」
「あ、そういえば、ジブン、名前は?」
「え? あ、はい、私は……ラディエルノバーノイドと申します」
「……この世界を秒で消滅させることも可能な神が負けるなどありえるのでしょうか?」
「普通に考えたらありえん。けど、この世界には一人、『どんなありえない絶望も覆せる可能性を持ったヒーロー』がおる。せやから、ワシが負ける可能性はゼロやない」
「……そ、それは……ドーキガン・ザナルキアのことでしょうか? かの勇者は、確かに、すさまじい力を持っております。しかし、神の力の前では……」
「平熱マンのことやないよ」
「へ……へい? はい?」
「平熱マン。ドーキガン・ザナルキアのコードネーム」
「……な、なぜ、そのような、珍妙なコードネームを……」
「理由は……特にないんちゃう? たぶん、ただのノリやと思うで。知らんけど」
神の言っていることが、まったく理解できない様子の龍。
神の発言は、高みにありすぎて、理解しようとするだけ無駄だ、と龍は解釈し、
「……あ、あの……ドーキガンではないのであれば……誰のことでしょう? ゾメガ・オルゴレアムでしょうか?」
「あれも、別に悪ぅないけどな。ただ、ワシをどうにか出来るだけの潜在能力は秘めてへんなぁ。ちなみに、ミシャンド/ラでもないで。あいつも、潜在能力はエグいけど、平熱マンやゾメガと大差ない。ワシの相手としては役者が不足しとる」
『理解させる気ゼロ』のセリフを、無造作に並べ散らかすT。
龍は、ずっと、ポカンとした顔をするばかり。
『ミシャンド/ラとは誰だろう』と思ったが、
そんな龍の心情を置き去りにして、Tは、遠くを見ながら、
「ワシの相手が出来るんは、この世でただ一人。『舞い散る閃光』だけ」
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――さっそく、龍を配下に加えたTは、
そのままの勢いで、聖龍王の元へと向かった。
この森の中央にある『巨大な城』に、聖龍王は住んでいる。
Tは、聖龍王の住処である『でかい城』をみつめながら、ボソっと、
「ちなみに、この城を建てたん、ワシなんやで」
「えっと……主は、すべてを創造したのですから、当然、この城もそうなのでは?」
「さっき、お前が使った魔カードを『直接的』に作ったんはワシやないで。世界と人間を創って、いろいろと、ものづくりのヒントとかは与えたけど、一つ一つの製品とか、建物とか、その辺は、この世界で生きとる者が、その手で造ったもの。ワシはあくまでも世界という箱庭と、お前らの『命のもと』を創造しただけで、1から10まで全部ワシが手間暇かけて創ったわけやない」
「な、なるほど……難しいお話ですが、なんとなく理解できました。つまり、この城は、そこらの建物とは違い、主が自らお建てになられた、とそういうわけですね」
「うん。まあ、建てたぁ言うても、設計して、配置しただけやけどな。ほとんどボタン一つの作業。けっして、汗水たらして建築したわけではない」
「……は、遥か太古から存在する謎の城だと聞いておりましたが……まさか、神の手によって建造されていたとは……」
「あ、そういえば、ジブン、名前は?」
「え? あ、はい、私は……ラディエルノバーノイドと申します」
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