センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

11話 ヒーローの心構え。

 11話 ヒーローの心構え。

「いくぞ、ごらぁあああああ! だぁりゃぁあああ!」

 さらにワンランク上の気合を入れてから、
 リグは、センに切りかかってきた。

 全力の振り下ろし。
 なかなか素晴らしい速度。
 動きがあまりに直線的だったので、
 センの洞察力があれば、避けるのはたやすい。
 ギリギリのところで回避したセン。

 ――回避した直後の一瞬のスキを、ラーバは見逃さなかった。
 『剣矢』という、斬撃属性の遠距離魔法を、無詠唱で放ったのだ。
 ご丁寧に、『消音』という、攻撃時の音を消す魔法をかけて、
 完璧な奇襲を放ったラーバ。

(剣士の特攻は囮か……っ)

 センが理解した時には、もう遅かった。
 神だったころのセンならば、もちろん、余裕で回避できるヌルい攻撃だが、
 今の脆弱な肉体のセンでは、完璧な奇襲に対応できる力はなかった。

 『戦場の高次理解』には達しているのだが、
 それは、『机上の空論』ほどに空虚で、

「がぁあああっ!!」

 反応速度が足りない。
 ゆえに、センの腕は切り飛ばされた。
 もろい体。
 反射神経だけではなく、耐久力もゴミカス。

(前衛だけじゃなく、後衛も優秀……そんな二人が、まあまあ阿吽(あうん)の呼吸……くそがぁ……ふざけやがって……レベル1のゴブリンに対処できる冒険者チームじゃねぇ)

 リグとラーバは『まだ若い』し『冒険者として働いてきた期間も短い』ので、
 まだ、8つ星に留まっているが、このまま成熟すれば、
 最高峰である『10つ星』まで普通に昇格するだろうと言われている、
 非常に将来有望な潜在能力激高の冒険者コンビ。

(やばい、やばい、やばい……いや、これ、マジで死ぬって……こんなところで死んでる場合じゃねぇのに、このままじゃ、ガチで死ぬ……え、どうしよう……マジでどうしよう……くそ、くそ、くそ……ソウルゲートさえあれば……ソウルゲートさえあれば、余裕なのに……1億……いや、1年でもいい……時間さえくれれば、どうとでも出来るのに……っ)

 知らない間に、無意識が、ナイトメアソウルゲートに汚染されている。
 ソウルゲートに依存して、ソウルゲートにすがるようになっている。

 それは、『ヒーローの心構え』からはほど遠い。
 ヒーローは、依存されることはあっても、依存してはいけない。
 『これがなければ勝てない』などという甘えは、
 ヒーローが持ってはいけないもの。

 ――『それが、理解できたから』というわけでもないのだが、
 センは、そこで、ギリっと奥歯をかみしめて、

(バカか……鉄火場で、ないもんをねだってどうする……ちゃんと考えろ……目の前の現実を、リアルにどう対処するか……それ以外は考えなくていい。無意味な希望・願望は捨てろ。奇跡にすがるな。アホほど愚直に、現実とだけニラみ合え)

 獰猛に意識を切り替えていく。
 心を殺すようにして、弱さを切り捨てて、
 自分の奥へと真摯に没頭する。

 グルグルと、散々、考えた結果、

(可能性があるとすれば……あとは、ランダム召喚ぐらいか……俺の欠損部位を媒体にして、今の俺に召喚できる『限界以上の召喚獣』を呼ぶ……)











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・あとがき

ここまでついてきてくださった読者様へ。
センの誕生日である7月5日に、重大発表をする予定です。
わたし的にはとびっきり重大なことですし、センエースのファンになってくれた読者様にとっても「かなりポジティブな内容の報告」になると信じております。

――喜んでもらえたらいいなぁ(*´ω`)

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