センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

6話 どう頑張っても、ガチバグを殺せる気がしないんですが……。


 6話 どう頑張っても、ガチバグを殺せる気がしないんですが……。

(――『100億年かけて理解してきたこと』は、『今の俺』の『中』でも、血肉になっている。体の動かし方や、オメガバスティオンに関しても……俺の中には、ちゃんと残っている。鍛錬の時間さえ確保できれば、どれも、再現は可能……だと……思うんだが……)

 オメガバスティオンの知識も残っている。
 だから、使おうと思えば、使えなくはない。
 オメガバスティオンは、プログラミングスキルみたいなもの。
 タイピング技術はあったほうがいいが、重要なのは適切なコードの組み方。
 根本的な『集中力』と『根性』は、センのままであるため、『使えない』とういことはない。

(まあ、今の戦闘力&ステータスで、オメガバスティオンができたからって、そんなにアドバンテージはないけどな……)

 相手を殺せる力がない状況の戦闘で、防御だけ固めてもジリ貧になるだけ。
 援軍がない籠城みたいなものである。

(――『敵防御力無効化』の方が出来るようになれば、また話は変わってくるんだが……応用技は、むずいんだよなぁ……『ゴブリンの体』にまったく慣れていない現状で、難易度の高い応用技が使えるとは、とてもじゃないけど思えねぇ……てか、仮に、相手の防御力を無視できたとしても、そもそもの火力が死んでいるから、あんま意味ねぇ……)

 虫には、雷や火などが効果抜群なので、
 センのゴミみたいな雷撃でも、どうにかダメージを与えられたが、
 もし、現状で、『雷属性に耐性のある敵』と遭遇した場合、
 倒せる可能性はほぼゼロ。

(……動きを読むだけなら、まあ、なんとか、出来なくもないが……)

 殴る蹴るの純粋なパワーは失った。
 しかし、戦闘思考力はそのまま残っている。
 相手の呼吸・筋肉の動き、オーラや魔力の流動から、
 『次の一手』を推測する術は見失っていない。

(ただ、先が読めても、『反応速度がゴミだと避けられない』ってのは、さっきの闘いで、証明されているけどな……これは、まさに、『右ストレートでぶっとばす、まっすぐいってぶっとばす』のやつだな)

 あのテンプレは、『心を読んで、右ストレートがくると分かっていても、だからって避けられるわけじゃない』という意味のテンプレ。

 ――100億年の積み重ねは伊達ではないのだが、
 雷ゴブリンの肉体がゴミ過ぎて、さすがに、不利が過ぎる。

(……効率的に相手を破壊する術……相手の力を利用して、地面を武器にする術……ちゃんと頭には残っているが……攻撃手段となると、さすがに『技能』が必須……この、鈍すぎる体を使って、『格上の存在値を持つ相手』を殺すのは厳しい……)

 さて、どうしたものか、
 と、悩んでいると、


「……っ」


 人の気配を感じたセンは、息を殺して、大木の陰に隠れる。

 気配がした方に視線を向けてみると、
 武器を持った二人組の男が、森の中を歩いていた。


「――リグ、ほんとに大丈夫? 南大陸で密猟なんて……国際問題になるんじゃ……」

「なに、ビビってんだ、ラーバ。みっともねぇなぁ」

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