センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
6話 どう頑張っても、ガチバグを殺せる気がしないんですが……。
6話 どう頑張っても、ガチバグを殺せる気がしないんですが……。
(――『100億年かけて理解してきたこと』は、『今の俺』の『中』でも、血肉になっている。体の動かし方や、オメガバスティオンに関しても……俺の中には、ちゃんと残っている。鍛錬の時間さえ確保できれば、どれも、再現は可能……だと……思うんだが……)
オメガバスティオンの知識も残っている。
だから、使おうと思えば、使えなくはない。
オメガバスティオンは、プログラミングスキルみたいなもの。
タイピング技術はあったほうがいいが、重要なのは適切なコードの組み方。
根本的な『集中力』と『根性』は、センのままであるため、『使えない』とういことはない。
(まあ、今の戦闘力&ステータスで、オメガバスティオンができたからって、そんなにアドバンテージはないけどな……)
相手を殺せる力がない状況の戦闘で、防御だけ固めてもジリ貧になるだけ。
援軍がない籠城みたいなものである。
(――『敵防御力無効化』の方が出来るようになれば、また話は変わってくるんだが……応用技は、むずいんだよなぁ……『ゴブリンの体』にまったく慣れていない現状で、難易度の高い応用技が使えるとは、とてもじゃないけど思えねぇ……てか、仮に、相手の防御力を無視できたとしても、そもそもの火力が死んでいるから、あんま意味ねぇ……)
虫には、雷や火などが効果抜群なので、
センのゴミみたいな雷撃でも、どうにかダメージを与えられたが、
もし、現状で、『雷属性に耐性のある敵』と遭遇した場合、
倒せる可能性はほぼゼロ。
(……動きを読むだけなら、まあ、なんとか、出来なくもないが……)
殴る蹴るの純粋なパワーは失った。
しかし、戦闘思考力はそのまま残っている。
相手の呼吸・筋肉の動き、オーラや魔力の流動から、
『次の一手』を推測する術は見失っていない。
(ただ、先が読めても、『反応速度がゴミだと避けられない』ってのは、さっきの闘いで、証明されているけどな……これは、まさに、『右ストレートでぶっとばす、まっすぐいってぶっとばす』のやつだな)
あのテンプレは、『心を読んで、右ストレートがくると分かっていても、だからって避けられるわけじゃない』という意味のテンプレ。
――100億年の積み重ねは伊達ではないのだが、
雷ゴブリンの肉体がゴミ過ぎて、さすがに、不利が過ぎる。
(……効率的に相手を破壊する術……相手の力を利用して、地面を武器にする術……ちゃんと頭には残っているが……攻撃手段となると、さすがに『技能』が必須……この、鈍すぎる体を使って、『格上の存在値を持つ相手』を殺すのは厳しい……)
さて、どうしたものか、
と、悩んでいると、
「……っ」
人の気配を感じたセンは、息を殺して、大木の陰に隠れる。
気配がした方に視線を向けてみると、
武器を持った二人組の男が、森の中を歩いていた。
「――リグ、ほんとに大丈夫? 南大陸で密猟なんて……国際問題になるんじゃ……」
「なに、ビビってんだ、ラーバ。みっともねぇなぁ」
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