センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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49話 全滅させても復活するそうですよ。


 49話 全滅させても復活するそうですよ。

 全員が魔力を、悪夢バグへと集中させていく。
 そして放たれる、強大な魔力が込められた、ナイトメア・イビルノイズ・カンファレンスコール。

 その膨大な力を前にして、センは、

「お、オメガバスティオンっ!!」

 相手の技を消す謎の秘儀をつかう。
 絶望を前にして集中力が底上げされているので、
 この一手は普通に成功した。

「……ぶはぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 一極集中ナイトメア・イビルノイズ・カンファレンスコールを、オメガバスティオンで消し去ったセンに対し、悪夢バグは、優雅な態度で、

「センエース。君の集中力は大したものだ。だが、集中力は体力と同じで消耗品。オメガバスティオンなどという『コスパ最悪の技』に頼りだしたら、長期戦必至の高次戦闘では終わりだよ」

「はぁ……はぁ……」

 言われなくても、そんなことは、使っている本人が一番分かっている。
 どんな技でもかき消せるのは、確かにとんでもないチートだが、
 使い勝手が、流石に悪すぎる。

(せっかく、手間暇かけて殺した『ほぼ1万匹の虫ケラ』どもが……指パチン一つで、新品になって戻ってくるとは……マジかよ……しかも、無限蘇生ってことは、何回殺しきっても、復活するってことか? ふざけんなよ……)

 と、絶望していると、
 悪夢バグが、

「私たちのような『群れで復活するパターン』のお約束は『全滅させれば復活できない』というものだが、しかし、そんな弱点は、とっくの昔に克服している。我々は、全員がまとめて殺されても、普通に蘇生する」

「……あ、そう。てことは、無限蘇生そのものを殺すしかないか……『中心』を狙う必要があるな……どこが、核になっているのか、そこを見つけてから――」

 と、対処方法を考え始めたセンに、
 悪夢バグは、

「残念。我々の無限蘇生は、セットされたスペシャルの一つではなく、我々の運命に刻まれたアリア・ギアスだ。どうあがいても殺すことはできない」

「……」

「それでは、いったい、どうすれば殺せるのか、と不安に思っている顔だな。答えを教えよう。我々を殺す手段はない。君は強いが、『永遠に勝てない敵』を前にすれば、さすがに、いつかは死ぬ」

「……」

「姑息に人質を用意するような虫ケラが、そこまでのチートを持っているなどと想像もしなかっただろう? 別に、作戦などたてなくとも、物量作戦で圧殺することは余裕だった。ただ、もっと深い絶望を感じてほしかったので、あえて、面倒な手法を使わせてもらった。ようするにはお遊びだよ」

「……」

「言うまでもないことだが、あえて言いきっておこうか。君の敗北は世界の終わりと同義だ。君が負けた瞬間、そこにいる魂はもちろん終わり。そのあとで、地上になだれこんで、命を皆殺しにする。アダムもシューリも、みんな死ぬ。人も世界も何もかも喰らい尽くして、すべてを終わらせる」

「……」

「君は最初から詰んでいたんだよ、センエース。しかし、最初からその『覆せない事実』を伝えたら面白くないだろう? だから、希望をチラつかせてあげた」

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