センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

33話 ちょっと何言っているかわかんない。


 33話 ちょっと何言っているかわかんない。

 何度も、何度も、壁にぶつかって、
 時には迂回して、
 時にはよじのぼって、
 時にはぶっ壊して、

「……ナメんじゃねぇぞ……」

 世界に言っているのか、
 自分に言っているのか、
 そんなことはどうでもよかった。

 ただ、『ナメられるのが許せない』という、DQNな感情が沸き上がって止まらないだけ。


「降りてやらねぇ……折れてやらねぇ……俺は……俺が求めた未来以外の全部を拒絶する」


 欲しいものがあったから。
 あがきつづけてきた。

 センエースの望み。
 センエースの願い。
 センエースの慟哭。

「俺をヘシ折りたかったら、あと『1000不可思議倍』の地獄をもってこい……そしたら、暇つぶしに、もうちょっとだけ、苦しんでやるよ。まあ、そこまでいっても、俺は、とまらないけどな。『ウスバカゲロウの一生分』だけ悩んだあとは、『朝飯前のラジオ体操』が二度見するぐらいの優雅さで、すべての絶望に、とびっきりのシャイニングウィザードをたたきこんでやるよ」

 ちょっと何言っているかわからない発言だった。

 言葉の意味はよく分からんが、
 とにかくすごい覚悟だった。





 ★





 ――現在、センは、召喚に関する技能を高めようと、
 召喚技能系の施設に入り浸っていた。

「あるていどは高位のモンスターを召喚できるようになったが……現段階だと、『それだけ』なんだよなぁ……」

 召喚術は、奥が深い。
 あまりに深みがエグすぎて、今のセンでは、『まったく意味が分からない』というのが本音のところ。
 『神の召喚獣を召喚できるようになった』と言う程度では、実のところ、半人前にすらなれていない。

「……召喚という分野で『120点の結果』に届こうと思うと、結局のところ、『ランダム召喚』にも手を出さないといけないんだよなぁ」

 ランダム召喚は、文字通り、何が召喚されるかランダムになるのだが、そのアリア・ギアスが組み込まれているおかげで、召喚士の『限界以上の召喚獣』を召喚することも可能という『ギャンブル性の高い特性』を持つ。

「でも、ランダム召喚は、媒体を用意するのも、既定の手順を踏むのも面倒くさすぎる……召喚関係のマニアでもない限り、こんなもんやってられねぇ……」

 センは、『召喚』という技術のことを、『なかなか面白い』と思っているが、
 しかし『マニアレベルで偏愛しているか』というと、決してそうではない。

 狂愛レベルにならないと、召喚という技能は極められない。
 例えるなら、ポ〇モンのやりこみ度合。
 召喚で『極み』を求めるとなると、
 『初代赤で、ケン○ロス理想個体厳選をする廃人』ぐらいにならないといけない。

 今のセンは、『ミ○ウツーをゲットして満足している』というドペーペー状態。
 召喚を極めるハードルは想像以上に高い。

 そして、そのハードルは、実のところ、召喚だけの話ではない。

「召喚も、武の道も、アイテムクラフトも、仮面作成も、エグゾギア強化も、オメガバスティオンの理解も……全部、奥が深すぎる……こんなに、深くなくていいと思うんだけどなぁ……」

 ため息が、無限に止まらない。
 そんな、しんどすぎる人生を、
 センは、今日も謳歌している。


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