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21話 皇帝とシューリの関係。


 21話 皇帝とシューリの関係。

「――フェイトファミリーの人間なら、そこそこの実力者でしょうけど、しょせんは暗部のガキ。その程度の存在に撃退されるようなモンスターなど、たかがしれています。我々ならば、撃退ではなく、確実に討伐できるでしょう。神級モンスターという称号は、確かに警戒するだけの価値がありますが、しかし、我々、龍藍連合がいれば、問題は皆無。この城にまで被害が及ぶことはありえません。ですので、ご安心を」

 龍藍連合は、総勢10人という、冒険者チームとしては大所帯の組織。
 有能だった二つのチームが合併してできた連合チーム。
 短期コラボの予定だったが、相性が良かったので、そのままずっとチームとして動いている。

「見事な決意表明だ。マクシウェル。お前たちの活躍には期待している」

「ははーっ」

 そこで、上位貴族の一人が、

「龍藍連合の実力は知っておりますが、『ヤオヨロズの迷宮から、今後も神級モンスターが出てくる可能性がある』――という大問題に対して、手をこまねいているわけにはまいりますまい。どうにか、先んじて対処する必要があるでしょう」

 と、そこで、皇帝は、自分の娘である『シューリ』の言葉を思い出していた。

 『とんでもない化け物が、ヤオヨロズの迷宮から、出てくる可能性がある』という進言。

 『いつもの戯言でしかない』と相手にしていなかったが、

(……ただのヨタ話ではなかったのやもしれん……)

 皇帝は、昔から、シューリに対して『強烈な苦手意識』があった。

 彼女は、ケタ違いにプライドが高く、
 いつも何を考えているかさっぱり分からない。
 常に、人を小ばかにするようにニタニタ笑っていて、
 言動も発想も思想も、すべてが常軌を逸している変態。

 『常識的な思考』しか持ち合わせていない皇帝にとって、
 シューリという人間は、どうしても、『気味の悪い存在』としか思えなかった。

 『性格が苦手』というだけなら、『歩み寄れる余地』もあったのかもしれないが、
 『産まれた瞬間』から、皇帝は、シューリに対して、強い苦手意識を持っていた。
 もはや『苦手意識というよりアレルギー』と言ってもいいレベルの生理的嫌悪感。

(実の娘を、どうしても愛せないという、親にあるまじき非情。正直、申し訳ないとは思っている……だが、あの娘に対する感情だけは、どうしても……それに、あいつの方も、私からの愛情を求めているようには思えなかった)

 『親から愛されない』ということに対して、シューリが不幸に感じていた場合、かなり悲劇的な話だが、しかし、シューリは、皇帝に対して、何の感情も抱いてはいなかった。
 まあ、ただ、それに関しては、皇帝限定の話ではなく、
 シューリは基本的に、『他人』を虫けらとしか思っていないだけの話なのだが。
 親も兄弟も関係ない。
 シューリの目には、すべてがゴミとしかうつらない。
 それだけの話。

(シューリは変態のキ〇ガイだが、異質な才能の持ち主であることはうたがいようのない事実。これまでは、相手にしたくなかったから、まともにとりあわなかったが……もし、あいつが、ヤオヨロズの迷宮に関して『何か知っている』というのであれば……)


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