センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
51話 俺は永遠に終わらない。
51話 俺は永遠に終わらない。
「……くく、虚勢も、そこまで大きくはれれば大したものだ」
最後にそう言って、
アダムは、大量の光球を、センに向かって突撃させた。
一発一発が即死級の火力を誇る光の球。
そのスコールに対し、センは、
「――オメガバスティオン――」
自分の中に深く没頭し、
自分の身に降りかかる光球の全てに対して波長を合わせていく。
おそろしい集中力を必要とするエゲつない神業。
防御に回していた毘沙門天の剣翼はコナゴナに砕け散った。
流れ弾で、100体のカースソルジャーは壊滅した。
リソースの全部をオメガバスティオンに集中するため、エグゾギアを解除した。
裸一貫、身一つで、アダムの猛攻撃を受け止めるセン。
最初からずっと、頭クラクラしているが、
センは、大量の鼻血を垂らしながら、
完全に『ガン決まった目』で、
必死に光球を処理していく。
数秒後、光球のスコールがやんだ時、
そこには、髪が真っ白になって、一気に老け込んだように見えるセンが立っていた。
3歳児には見えない、小さな老人と言った感じ。
「まさか、本当に防いでみせるとは……本気で驚かされたな」
『己の集中力に殺されかけているセン』に、
アダムは、
「煉獄光球ランク800」
また、同じ魔法を使って、大量の光球を出現させる。
「センエース、貴様の根性が図抜けているということは、よく理解した。面白いから、最後まで付き合ってやる。さて、私の煉獄光球を何回、防げるかな?」
「……何回? ……バカが……まだ、わかってねぇのか……」
真っ白に死にかけているセンエースは、
しかし、それまで以上の気迫と殺気を眼球に込めて、
「お前を救い終えるまで、俺は永遠におわらねぇんだよ」
「貴様の望みどおり、少しだけ恐怖を覚えてやるよ、センエース。貴様の気持ち悪さに対して、背筋がゾワゾワしている。まさに鳥肌もの。貴様は気持ち悪い。臓物をぶちまけたゴキブリにも劣る」
そう言い捨ててから、
アダムは、光球を突撃させる。
センの脳内は、完全に、出来上がっていた。
一ミリたりとも絶望には染まっておらず、
ただ、ひたすらに、目の前の光球を消滅させることだけに没頭している。
――と、その時、
『時間だ、センエース。今日の分のナイトメアゲートが開くぞ』
そんな声が、頭の中で響いた。
その直後、センは、いつもどおり、
――ゲートの中へと引きずり込まれる。
親の顔より見た光景。
頭が完全におかしくなるほど慣れ親しんだナイトメアソウルゲートに戻ってきたセンは、
「ぷっふぅうう……っっ!! あっぶねぇ……っ!! 今のは、たぶん、さすがに死んでた……」
ヘナリと、力なく、その場に崩れおちる。
「……めちゃくちゃな強さしやがって……存在値だけじゃなく、戦闘力まで高いのは反則すぎるだろ、クソがぁ……」
アダムに対する文句が止まらない。
一通り、一人で、思いを吐露してから、
「……ん……ま、とりあえず、治療ルームだな……」
もはや、慣れたもので、
治療ルームのカプセルに入り、
体を完全回復させるセン。
「ああ、よかった、髪の色、もどった……さすがに、3歳で白髪は精神的にキツすぎる……」
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