センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

5話 全裸の最低美少女。

 5話 全裸の最低美少女。

 スキンヘッドは、姫のヤバさについて、とうとうと語る。

「シューリ殿下とは、俺も、数回、話したことがあるが……なんというか、ヒドかったな……『クソ女』の最終形態って感じだった」

「……」

「確かに、殿下の『見た目』は世界一だ。全世界ナンバーワンの美女。それは、誰もが認める。だが……中身は、最悪のクソ女だ。い、言っておくが、俺一人が言っている『個人的な意見』ってわけじゃねぇぞ? 殿下をよく知る『皇室全体の総意』だ」

「……そうか……」

 センは、頭をぼりぼりとかきながら、

「んー」

 ちょっとだけ考えた結果、

「……まあ、いいや。他人の評価なんざ、どうでもいい。俺がどう思うか。それが全部だ」

 そう言うと、センは指をパチンと鳴らした。

 すると、スキンヘッドは、

「……んっ?! え?!」

 元の場所に戻っていた。
 センの姿は、もうどこにもなかった。

 キョロキョロとあたりをうかがっていると、
 そこで、バックヤードに引っ込んで休憩していた同僚が近づいてきて、

「おい、どうした?」

「あ、いや……あの……実は、今……」

 と、自分の身に起こったことを伝えたが、

「ん、間違いなく夢だな。つぅか、寝てんじゃねぇよ。カシラに殺されるぞ」

「……夢……ぁ、ああ……まぁ、そうだな……現実なわけがねぇ……ランク25の魔法なんざ、ありえねぇ……あんな、カスみたいな落ちこぼれのガキが、そんな……はは」





 ★





 ――ここは、南の森の御用邸。
 さっそく姫に会いに来たセンは、

「護衛が一人もいねぇ……本当に、姫がいるのか? 嘘つかれたか……それとも、全部真実で、護衛すらつけてもらえないほど嫌われてんのか……」

 などと考えつつ、
 センは、ノックもせず、
 御用邸の中へと入っていく。

 すると、『リビングで風呂に入っている』という、頭おかしい美女を発見した。

「おや、野盗か何かかと思いまちたけど、違ったみたいでちゅね」

 全裸でセンを出迎えた美女。
 彼女は行動も語尾もバグっていた。

 センは、そんな彼女から、紳士的に、スっと目線を外し、

「……え、どういう状況?」

 と、素直に疑問符を投げかけると、
 その美女は、

「お風呂に入っているんでちゅけど、それ以外の何かに見えまちゅか?」

 いろいろと、ツッコミどころが多すぎて、
 センは一瞬、『あれ? 夢を見ているのかな?』と、
 現状の現実性を疑ったが、とりあえず、

「……ちょっと話したいことがあるんで、風呂から出て、服を着てもらってもいいすか?」

 紳士な提案をするセンに、彼女は、

「オイちゃんは、他人の指図を受けまちぇん。常に天上天下唯我独尊。それがオイちゃんなんでちゅ」

 行動と語尾だけではなく、
 どうやら、自称と性格もバグっている様子。

「……あ、そうすか……でも、目のやり場にこまるんすけど?」

「ガキに見られたって、なんとも思わないでちゅ。見たかったら、お好きにどうぞ」

 そう言われて、センは、

(とことんガキ扱いか、ナメやがって……とはいえ、まあ、実際、俺の肉体年齢は3歳だしなぁ……)

 精神年齢は1億歳を超えているが、
 肉体は、ゴリゴリの3歳児である。

 実際のところ、3歳児に裸を見られたからといってガタガタいう女性など、どの世界にも存在しないだろう。

「じゃ、遠慮なく」

 そう言って、センは、目線を、彼女に戻した。

(……あらためて見ると……エグい美女だ……)

 彼女とは、過去に一度だけ会ったことがあるのだが、
 あの時は、『死にかけで朦朧』としていたので、
 彼女の顔をじっくりと見る余裕はなかった。

 『世界一の美女である』というウワサはよく聞いていたのと、『うっすら残っている記憶』を合わせて『たぶん、このぐらいの美女だろう』と予測していたのだが、

 実際に『目(ま)の当たり』にした彼女の美貌は、想像の100倍を超えていた。

(まるで、女神だな……)

 年齢は17歳前後。
 スラっと長い手足と、豊かな胸が特徴的な、
 まさに、『美の女神』といった相貌(そうぼう)。

 『翡翠(ひすい)が混じった金髪』のミディアムボブ。
 小悪魔が過ぎるイタズラな表情。
 常にニタニタしているが、目はまったく笑っていない。


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