センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
+-87929話 認知の領域外よりも、さらに外。
+-87929話 認知の領域外よりも、さらに外。
――ここは、『虚数アルファ』の認知領域外。
「ん? 異物の混入を確認……こ、これは……これは、なに?! なんだ、この扉……こ、こんなものは創っていない……っ」
この世界の製作者『ソルA』は、突如、『まったく想定していなかった謎状況』に直面し、プチパニックを起こしつつも、ログをたどっていく。
必死に探ってみたが、答えはわずかも見つからない。
何も疑問点は存在しないのだ。
「改竄ポイントなし……な、なんですか、これ……どうなっているんですか?」
ソルAは、その『謎の扉』を解析しようとこころみた。
すると、
「ぼ、膨大なエネルギー反応。まさか、私が創った世界を喰らい尽くそうとしている? ……し、信じられない……くっ……か、管理者権限を解放。禁止魔カードのナンバー0から17までをすべて強制実行。私の世界で、好き勝手はさせない……っ」
ソルAは抗った。
自分に出来る『神業』の全てを駆使して、
『異常事態』に立ち向かおうとした。
その結果、
「……ぜ、全部、跳ね返された?! ばかなぁ?! 私の――『ソルの権限』が通じない? そんな、バカな……こ、コスモゾーン! 何をしている!」
呼びかけるが、コスモゾーンも反応が薄い。
完全に切断されているわけではないが、回線が、信じられないぐらい重たい。
どうやら、ソルAは、孤立させられている模様。
「――な、なんで! そんなわけがない! な、ならば!」
ソルAは、オーラと魔力を練り上げて、
自分自身で、その『謎の扉』に立ち向かった。
「観測不能の歪み……『認知の領域外』よりもさらに『外』……」
――その扉の左右には、『目』のようなものがついていた。
そして、ソルAの接近を感知すると、その目がギラリと光り、
『……浅瀬でパチャパチャするのはもう飽きただろ? ここからは、本当の死闘といこうじゃないか』
無機質な声が、ソルAの脳内に響く。
「この声……まさか、『ソルの破壊衝動』? いや、違う……っ……まさか、バグに飲み込まれた?! ソルD! 何をやっているのですか! そっちはあなたの担当でしょう!」
同じ『管理者』、
多重人格者の別人格ともいうべき『ソルD』に呼びかけると、
ソルDは、
「ソルA。元凶はバグじゃねぇ。いや、まあ、バグと言えばバグなんだが……とにもかくにも、これは『無数の想定外が連鎖した結果』であり、俺の管理下にある『バグの誤作動』ってわけじゃねぇ。ちなみに、最悪のニュースを最初に伝えておくが、『用意していた緊急用のルート』は、すでに、全て潰されている」
「まわりくどい言い回しは抜きで、何があったか、それだけを端的にお願いします!」
「ヌルが暴走した」
「……はぁ?! ぬ、ヌル? あの、『単なる出来損ない』が、どうしたというんですか?」
「簡単に言えば、『願い玉』の闇に飲まれた『ヌルのセンエース性』が、歪んだ状態で『真の覚醒』を経た」
「真の覚醒……それって……ま、まさか……ヌルが……」
「……ああ。ヌルは、『究極超神化8』に届いた」
「あ、ありえないぃいいいいいい! あ、あんな……とてもセンエースとは呼べないポンコツが! オリジナルを超えていくなどありえません!」
「ポンコツだったからこそ届いた世界があった。『俺たちが創り上げてきたメソッド』を盗用されたんだ。ヌルは……俺達が用意しておいた『緊急用のバックドア』を乱用して、『ソルの管理者権限』を奪い取り、原初の世界も、第一アルファも、第二~第九アルファも、その他の全ての世界も、全部飲み込み、ついには、オリジナルのセンエースをも飲み込んでしまった」
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