センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
33話 家族も恋人も友人もいない、孤高を貫くセンエース。
33話 家族も恋人も友人もいない、孤高を貫くセンエース。
カスみたいなチンピラをボコボコにするセン。
殺してしまわぬように、気絶させてしまわぬように、
『絶妙な調整が施されたパンチ』の連打を、
問答無用で、無慈悲に、チンピラへと叩き込む。
10000年の中で得た『力のコントロール』は完璧。
「て、てめぇえ! 俺は、アブライ・ファミリーの構成員だぞ! こ、こんなことして、タダですむと――うべぇええ!」
「普通はただじゃすまないだろうな。俺に家族がいた場合、その家族ごと殺される感じかな。あと、友人・恋人がいた場合、そっちにも報復の手は届くだろう。――どうだ? 俺の考え方に間違いはあるか?」
そう言いながら手を止めると、
チンピラは血を吐きながら、
「そ、そうだ! 全員、殺してやる! ただ殺すだけじゃないぞ! 徹底的に凌辱してからころす! 泣こうが喚(わめ)こうが、土下座して許しを請おうが関係ねぇ! とことん追い詰めた上で――」
「残念な事実を教えよう。俺に家族はいない。恋人も友人もいない」
「……」
「俺は孤児だし、仕事も特殊だったから、恋人や友人をつくるヒマなどなかった。まあ、俺の場合、性格的に『独りでいるのが好き』だから、状況が違っていたとしても、友人に囲まれた生活なんてことはありえなかっただろうが」
センは、10000年の永きを過ごしてきたが、その間に、友人と呼べる存在は一人もつくらなかった。
もちろん、センは、『先達者』たちから、多くの『学び』を得てきた。
『闘い方』にはじまり、『アイテムの作成方法』や『秘術や秘儀』について。
各分野のスペシャリスト達に『教え』を請い、真髄を叩き込んでもらった。
それは『誰かに教わるのが好きだから』ではなく、『最短距離』を進むため。
ある程度、コツや真髄をマスターしてからは、ずっと、独りで、
もくもくと、地道な鍛錬・基礎修練・下地作りに励んだ。
しんどくて地味でつまらない『基礎固め』を、
『独り』で、延々に、黙々と積み上げることができる。
――それが、センの有する最も特異的な能力。
その特質を持った上で10000年の時を過ごしたから、
センは、ぶっちぎりで世界最強の領域にまで届くことができた。
……チンピラは、
「じゃ、じゃあ、財産だ……お前が持つすべてを奪い取る」
センの『言葉の重み』から、『家族も知人も友人もいない』という話が『嘘ではない』と判断し、『ならば別のものを奪ってやる』と息巻いた。
しかし、それもセンには通じない。
「なんも持ってねぇよ。俺はただの剣だ。俺のものは、すべて、『ノコ』のもの」
「……ノコ? ノコ・ドローグか?!」
そこで、チンピラは目を見開く。
ノコ関連の話は、つい最近、上から聞かされたばかり。
「リブレイの聖女……聞いているぞ。あの女は、リブレイの王子に上等をかまして、お尋ね者になっていると! は、はは! なるほど、お前、逃走者ノコ・ドローグのナイトか! いいことを聞いた! 持っているじゃないか、守るべきものを! それをつぶしてやる!」
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