センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
後日談(9) 超苺を視察するセンエース。
後日談(9) 超苺を視察するセンエース。
「………………ようこそ、おいでくださいました、セン様」
ここは、例の裏カジノ。
センが到着したのを確認した超苺は、
丁寧に頭を下げながらそう言った。
「蝉原から聞いている。お前、しゃべるの好きじゃないんだろ? だったら、無理してしゃべらなくていいよ」
センにそう言われて、超苺は、
心の中で、
(酒神のようなスーパー美少女だけではなく、俺のような、『微妙な手下』にまで、御配慮いただけるとは……やはり、この御方は素晴らしい)
などと思っていると、
そこで、超苺の背後にいたカミーレンが、
「はじめまして、センエース様。私は、カミーレンと申します。『この上なく尊きあなた様』が誇る最強の剣『コイチゴ・ギガロ・カノープス』様の配下として、これから、誠心誠意、尽くしていく所存であります」
そんな彼女の言葉を受けて、超苺は、
(さ、『最強の剣』って……いやいや……俺、『弟子の中』では弱い方なんだけど……)
超苺は別に弱くないが、
間違いなく、最強ではない。
(セン様を呆れさせたくないから、変なことは言わないでくれ、カミーレン……)
酒神以外が相手なら、状況しだいで勝てなくもないが、
さすがに酒神には勝てないし、
当然、蝉原にも勝てない。
「俺には尽くさなくていいよ。超苺の部下なら、超苺に尽くしてくれ」
そんなセンの言葉を受けて、
カミーレンは、
(……なるほど……流石は、コイチゴ様ほどの豪傑(ごうけつ)が忠誠を誓っている相手。まだ何も知らないが、しかし、『配下に対する心配り』という一点だけをとっても、確かに『優れた存在である』と思える。……一見すると、ただの『どこにでもいる少年』にしか見えないが……おそらく、それは、高次のフェイクオーラがかかっているからだろう)
などと、勝手にセンを推測していく。
センは、『これ以上、周囲に、【自分(セン)のことを勘違いしているヤツ】を増やしたくない』と思っているだけなのだが、しかし、結果的に、センは、
(コイチゴ様にのみ尽くすつもりだったが……この御方になら、忠義を奉(ささ)げてもいいかもしれない)
カミーレンに、そんなことを思わせてしまった。
センの『できるだけ孤高になりたい』という願いが叶うことは、基本的には、ありえないのである。
――と、そんな風に、なごやかな会話をしていた時のことだった。
「ここにいるんだろ?! 出てこい、邪神、ごらぁああ!」
でっけぇ声が響いて、
全員が、その声がする方に視線を向けた。
ドアをけ破って、
支配人室に入ってきたのは、
筋肉質で『逆立った髪』が特徴的な、おでこにタトゥーが刻まれている美女。
「あたしは六大魔王最強の大魔王エタナル! てめぇを狩りにきたぜ、邪神さんよぉ!」
などとわめきちらかすエタナル。
「どいつだ? どいつが、コイチゴとかいう邪神……ん? ああ、お前だな……一目で分かるぜ。明らかに殺気の質が違う……」
そう言いながら、エタナルは、超苺をにらみつけている。
彼女は、心の中で、
(……ま、マジで、とんでもねぇ覇気だ……まさか、ここまでの威圧感を放つ化け物だったとはな……あの凍てつくような瞳……まるで、私の一挙手一投足の全てを眼光だけで縛り付けてくるかのような……)
ゴリゴリに怖気づいているエタナル。
六大魔王の中でも特に勝気な彼女を震え上がらせた超人、
『静かなる豪傑、超苺』が、今、何を考えているかというと、
(ああ……筋肉質系の美女ねぇ……はいはい。いいですねぇ。女性特有の柔らかな体型ももちろんいいんだけど、彼女のような、ガッシリとした女性も、シルエットが、ビシィっと決まっていて、いいんだよなぁ……)
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