センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

後日談(4) 貴族を誘拐するクロート&デビナ(三人称視点)「2」。


 後日談(4) 貴族を誘拐するクロート&デビナ(三人称視点)「2」。

 キースというブタを相手に、
 デビナが嬉々として叫んでいる横で、
 クロートが、

「貴様のようなカスがいてくれて、我々としては、むしろ助かっている。おかげで、『黒い欲望』を、多少は解放できるのでね」

 そう言いながら、
 キースの下半身に、

「異次元砲」

 ビームの魔法を放った。

「ぎゃあああああああっっ!」

 絶叫をあげるキースを横目に、
 デビナが、ニタニタ笑いながら、


「おいおい、クロート! やめてあげろよ! かわいそうに!」


 そう言いながら、キースに回復魔法をかけて、

「おい、大丈夫か?! いやぁ、わりぃ、わりぃ! あの執事服ヤローは、手加減がヘタでなぁ! 今度からは、もうちょっと、質の高い拷問をするから、勘弁してくれや! かはは!」

「……も……もう……やめ……」

「あーん? 聞こえねぇなぁ?」

「か、金なら……やる……だ、だから……」

「心、折れるの、はぇえな、お前!」

 そこで、クロートは、
 キースの髪の毛をつかんで、

「ちなみに、貴様は、これまで、そうやって『慈悲(じひ)を請(こ)うてきた相手』に、何をしてきた?」

「……」

「笑いながら、拷問(ごうもん)を続けたんだろ? 『貴様の遊び』の被害を受けた連中の憎悪(ぞうお)、それは、それは、すごかったぞ」

「は、はんせい……しています……だから……ゆるして……」


 ――と、そこで、
 クロートたちの背後から、
 蝉原が現れて、

「ははは……反省か。面白い言葉を使うじゃないか」

 そんなことを言った。

「実は、ちょうど、今しがた、センくんとの楽しい戦闘を終えたばかりでねぇ……だいぶ気がたっているんだ……そのたかぶりを、どうやって押さえつけようと思っていたところだったんだけど……いやぁ……いいねぇ、ほんと……デビナ、クロート、お前たちは最高だ。こんないいブタを見つけてくるなんて」

 褒められたクロートは、嬉しそうに微笑んで、

「お褒めにあずかり、光栄です!!」

 と、叫んだ。

 蝉原は、ニタァっと、黒く微笑んで、

「クロート、この豚の名前は?」

「キース・ノビリアーノです」

「そうか、そうか……なぁ、キース……これから、君には、『反省』という言葉の重みを、その身で体感してもらおうと思っている。で、『お遊び』が済んだあとで、少しだけ、おれたちの質問に答えてもらう。質問の内容は、たいしたことじゃない。この世界における『貴族しか知らない裏事情』みたいなことを知りたいだけさ。教えてくれるかい?」

「お、教える、なんでもこたえる! だ、だから!」

「だから、拷問するのはやめてくれって? それは、無理だよ、キース……だってね……」

 そう言いながら蝉原は、
 キースの腹部に拳をたたきつける。

「がぁああああああああああっっ!」

「おれたちが『何をしてもいい命』は少ないんだ……君ぐらい『腐ったゴミ』じゃないと、センくんに怒られてしまう。だが、君が相手の場合、むしろ、拷問しないと怒られるだろうね。センくんは、君みたいなヤツが大嫌いだから。あ、誤解はしないでくれよ。おれは、君みたいなヤツが嫌いじゃない。欲望に忠実。たいへん、けっこう。それでこそ、生きている意味と価値があるってものさ」

 そう言いながら、蝉原は、左手で、キースの顎をなでて、

「けど、君は、『センくんの配下』である『おれたち』に見つかってしまった。ようするに、不運だったのさ。君は悪くない。運が悪かったのさ」


「……」


「いいねぇ、キース。心底から、おれを畏(おそ)れている目だ……その目が一番美しい。さて、とりあえず、これから、君の肉を削(けず)っていこうと思うんだけど、どの刃物をつかってほしいか、何か、リクエストはあるかい?」

「や、やめ……やめて……っ」

「たとえば、こんなナイフはどうかな」

 そう言いながら、蝉原は、ナイフをチラつかせて、

「サビていて、形状がゆがんでいる……これは切れ味が悪いよぉ。つまり、ながぁく、楽しめるってわけさ」

「ひ……ひ……ひぃいい……っ!!」

「さあ、それじゃあ、キース……これから、『反省』という言葉の重みについて、ここにいるみんなと、じっくり吟味(ぎんみ)していこうじゃないか。くくく……ははは……ひゃはははははははははっ!!」

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