センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
後日談(4) 貴族を誘拐するクロート&デビナ(三人称視点)「2」。
後日談(4) 貴族を誘拐するクロート&デビナ(三人称視点)「2」。
キースというブタを相手に、
デビナが嬉々として叫んでいる横で、
クロートが、
「貴様のようなカスがいてくれて、我々としては、むしろ助かっている。おかげで、『黒い欲望』を、多少は解放できるのでね」
そう言いながら、
キースの下半身に、
「異次元砲」
ビームの魔法を放った。
「ぎゃあああああああっっ!」
絶叫をあげるキースを横目に、
デビナが、ニタニタ笑いながら、
「おいおい、クロート! やめてあげろよ! かわいそうに!」
そう言いながら、キースに回復魔法をかけて、
「おい、大丈夫か?! いやぁ、わりぃ、わりぃ! あの執事服ヤローは、手加減がヘタでなぁ! 今度からは、もうちょっと、質の高い拷問をするから、勘弁してくれや! かはは!」
「……も……もう……やめ……」
「あーん? 聞こえねぇなぁ?」
「か、金なら……やる……だ、だから……」
「心、折れるの、はぇえな、お前!」
そこで、クロートは、
キースの髪の毛をつかんで、
「ちなみに、貴様は、これまで、そうやって『慈悲(じひ)を請(こ)うてきた相手』に、何をしてきた?」
「……」
「笑いながら、拷問(ごうもん)を続けたんだろ? 『貴様の遊び』の被害を受けた連中の憎悪(ぞうお)、それは、それは、すごかったぞ」
「は、はんせい……しています……だから……ゆるして……」
――と、そこで、
クロートたちの背後から、
蝉原が現れて、
「ははは……反省か。面白い言葉を使うじゃないか」
そんなことを言った。
「実は、ちょうど、今しがた、センくんとの楽しい戦闘を終えたばかりでねぇ……だいぶ気がたっているんだ……そのたかぶりを、どうやって押さえつけようと思っていたところだったんだけど……いやぁ……いいねぇ、ほんと……デビナ、クロート、お前たちは最高だ。こんないいブタを見つけてくるなんて」
褒められたクロートは、嬉しそうに微笑んで、
「お褒めにあずかり、光栄です!!」
と、叫んだ。
蝉原は、ニタァっと、黒く微笑んで、
「クロート、この豚の名前は?」
「キース・ノビリアーノです」
「そうか、そうか……なぁ、キース……これから、君には、『反省』という言葉の重みを、その身で体感してもらおうと思っている。で、『お遊び』が済んだあとで、少しだけ、おれたちの質問に答えてもらう。質問の内容は、たいしたことじゃない。この世界における『貴族しか知らない裏事情』みたいなことを知りたいだけさ。教えてくれるかい?」
「お、教える、なんでもこたえる! だ、だから!」
「だから、拷問するのはやめてくれって? それは、無理だよ、キース……だってね……」
そう言いながら蝉原は、
キースの腹部に拳をたたきつける。
「がぁああああああああああっっ!」
「おれたちが『何をしてもいい命』は少ないんだ……君ぐらい『腐ったゴミ』じゃないと、センくんに怒られてしまう。だが、君が相手の場合、むしろ、拷問しないと怒られるだろうね。センくんは、君みたいなヤツが大嫌いだから。あ、誤解はしないでくれよ。おれは、君みたいなヤツが嫌いじゃない。欲望に忠実。たいへん、けっこう。それでこそ、生きている意味と価値があるってものさ」
そう言いながら、蝉原は、左手で、キースの顎をなでて、
「けど、君は、『センくんの配下』である『おれたち』に見つかってしまった。ようするに、不運だったのさ。君は悪くない。運が悪かったのさ」
「……」
「いいねぇ、キース。心底から、おれを畏(おそ)れている目だ……その目が一番美しい。さて、とりあえず、これから、君の肉を削(けず)っていこうと思うんだけど、どの刃物をつかってほしいか、何か、リクエストはあるかい?」
「や、やめ……やめて……っ」
「たとえば、こんなナイフはどうかな」
そう言いながら、蝉原は、ナイフをチラつかせて、
「サビていて、形状がゆがんでいる……これは切れ味が悪いよぉ。つまり、ながぁく、楽しめるってわけさ」
「ひ……ひ……ひぃいい……っ!!」
「さあ、それじゃあ、キース……これから、『反省』という言葉の重みについて、ここにいるみんなと、じっくり吟味(ぎんみ)していこうじゃないか。くくく……ははは……ひゃはははははははははっ!!」
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