センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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26話 蝉原の弟子『超苺(こいちご)』視点(1)。


 26話 蝉原の弟子『超苺(こいちご)』視点(1)。

 俺の名前は『超苺(こいちご)・ギガロ・カノープス』。
 最凶(さいきょう)の魔王『蝉原勇吾(せみはらゆうご)』の弟子にして、
 最高の英雄『センエース』様の配下。

 今、俺は、師匠(せみはら)につれられて、
 カジノにきていた。

 カジノといったら、そう!
 バニーガールだ!
 この未来世界にもバニーガールは存在してくれた!
 こんなにうれしいことはない!

 バニーガールはいいよなぁ……
 何がいいって、タイツがイイよなぁ……
 後ろに線が入っているやつが、とくにイイよなぁ……

 あと、バニーは、露出(ろしゅつ)の度合(どあ)が良い感じなんだよなぁ……

 俺、『はだか』はダメなんだよ。
 『はだか』は萌(も)えないんだ。

 全裸(ぜんら)は、なっていない。
 情緒(じょうちょ)がなっていない。

 大事なのは、『妄想(もうそう)の余地』が残るチラリズム。
 風に吹かれて、スカートがめくれて、
 ショーツが、わずかにチラ見えする……
 そういうのが至高。


 ……なんて、いつものように、
 『微(び)エロ』を追及(ついきゅう)していると、

 となりにいるデビナが、

「超苺(こいちご)、てめぇ、ちょっとは喋(しゃべ)れよぉ! 無口すぎて、怖ぇんだよ!! 『死んでんのか』ってくらい、ほんと、喋んねぇよな、お前ぇ! その喪服(もふく)は、自分の葬式(そうしき)に参加してるってアピールですかぁ?! あぁん?!」

 などと、そんなことを言ってきた。
 俺は、『声をかけられた』という大義名分(たいぎめいぶん)をフルで活用し、
 『デビナの体』を上から下までチェックしていく。
 ほかの弟子と違い、デビナは、あまり巨乳ではないが、
 俺的には、それもアリだと思っている。

 巨乳は巨乳でいいのだが、
 スレンダーも美しい。

 なんて、そんなことを思っていると、

「ニラむんじゃねぇよ! てめぇ、マジで、目が怖ぇんだよ!」

 『目つきの悪さ』は、デビナもそうとうなものだと思うが、
 まあ、そんなことはどうでもいい。

 今、大事なのは『デビナのスカートが短い』ということだ。
 ほかの女性陣も、きわどい恰好をしているが、
 デビナのミニスカは、そうとうきわどい。

 セン様の配下になれて、ほんとうによかった。
 おかげで、ほぼ毎日、こういうエロい女の子たちと一緒にいられる。
 セン様、存在してくれて、ありがとう!

 ――なんてことを思っていると、
 一緒に行動している『渋いオッサン』の『ボウ』が、

「デビナ。『お喋り』の無理強(むりじ)いはひかえるべきだ。多くをかたらぬ者は、視線(しせん)や態度だけで『意(い)』をしめすことがままある」

 『ジジイ感』の強いボウは、アゴヒゲをしゃくりながら、

「同じ漢(おとこ)である『我(われ)』には分かる。超苺(こいちご)の鋭い視線には、セン様に通(つう)ずるものがある。おそらく、我やセン様と同じく、はるかなる高み――『武の極(きわ)み』を静かに見すえているのだろう」

 ごめん、ボウ。
 俺、『武の極み』とか、そんな汗くさいものは一ミリも見てない。

 特に今は、デビナのスカートしか見てない。
 俺と一緒にされたら、セン様が可哀そうだから、やめてあげて。

 ――なんてことを思っていると、
 イケメン執事の『クロート』が、

「マリから定時連絡(ていじれんらく)が入った」

 と、そう言ったことで、全員がクロートの言葉に耳をかたむける。

 全員、『セン様の動向』が気になっている模様。
 俺も、さすがに、デビナのスカートから目をそらして、
 クロートの言葉に集中する。

「カスみたいな冒険者にカラまれたそうだが、セン様が、ヘブンズキャノンでブチ殺したらしい。さすがだ」

 その発言に対し、ボウが、

「ヘブンズキャノン……『アポロの城』に隠されていた最強兵器。本来であれば、『すべての魔王をたおした者』にしかあつかえない秘宝……」

 ボソっとそう言ったのにかぶせるように、デビナが、

「それを、あたり前のように使いこなせるセン様、マジで、かっけぇ!」

 続けて、ボウが、顔をほころばせて、

「発現する確率が低すぎるという、少し問題のある力だそうだが、酒神のサポートがあれば、その問題点も相殺(そうさつ)できるからな。『あの操縦(そうじゅう)不可能な酒神をも統(す)べる絶対的王であるセン様』にとっては、まさに、うってつけの力。それほど力を、たやすく手に入れてみせたセン様の功績(こうせき)は凄まじい。さすがは、我(われ)を支配する御方(おかた)。すべてにおいて格が違う」

 発現確率3000分の1という、
 『使い勝手が悪すぎる兵器』だが、
 セン様のとなりには、酒神がいるから、
 確率の問題ならカバーできる。

 酒神は、『ラッキー・ニルヴァーナ』というプラチナスペシャルをもっている。
 効果は、『激烈に運がよくなる』。

 酒神がそばにいれば、ヘブンズキャノンは常時使える兵器となる。
 酒神に愛されていないと、ラッキー・ニルヴァーナの共同発動はありえないらしいから、ヘブンズキャノンは『この世で唯一酒神に愛されているセン様』だけが、まともに運用できる兵器ということ。

 おそらく、セン様が、ヘブンズキャノンを入手することは、最初から、運命によってきめられていたのだろう。


 あの御方こそが、世界に選ばれし真なる王。


 ――と、そこで、デビナが、シブい顔で、

「……酒神の『ラッキー・ニルヴァーナ』のおかげで、セン様の旅が快適(かいてき)になるのはいいんだけど、そのせいで、酒神が、『セン様の護衛』の固定メンバーになっちまったのがなぁ! くっそぉおぉ! あたしも、セン様の護衛がしたいぃいいい!」

 いや、無理だろ。
 デビナ、お前は素行(そこう)に問題がありすぎる。
 『やらかした失態』の程度(ていど)を考えれば、
 セン様に殺されてもおかしくなかった。

 『温情(おんじょう)で許してもらえている』ということに対し、
 デビナは、もっと感謝した方がいい。

 などと思っていると、
 クロートが、

「……ん、そろそろ師匠がかえってくる」

 と、鋭い目つきでそう言った。

 あ、ちなみに言っておくと、俺は、クロートが嫌い。
 なぜならイケメンだから。
 顔がいいやつは嫌いだ。

 顔が良いヤツは、すぐ、女の子を抱(だ)く。
 許されない話だ。

 俺にとって、女の子は『妄想(もうそう)するしかない相手』である。
 そんな『気高い存在』を『好き勝手していく』のが、
 イケメンという、許されざる生き物だ。

 イケメン、死すべし。

 と、心の中で素直な気持ちを述べていると、
 師匠(せみはら)がかえってきて、

「地下の裏カジノへいく方法が分かった。全員で行こう」


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