センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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98話 ゲン・フォースとバンプティ。


 98話 ゲン・フォースとバンプティ。

 センエースが、ゲートの光に飲み込まれた直後のこと。
 センエースもゲートも消え去った世界に一人、
 『ゲン・フォース』が立っていた。

「……ん? ……ここは……どこだ……?」

 何もない空間に、
 一人でポツンと立ち尽くすゲン。

「……あれ? え? 俺……ロコたちと会議をしていた……よね……え、なに、この状況……どういうこと……夢? ……夢だな……うん……たぶん、夢だ……」

 と、ブツブツ言っていると、
 背後から、その独り言に応える者が一人。





「――まあ、夢と認識しても、さほど問題はないがのう」





「……ぇ、だれぇ……」

 ゲンの背後にいたのは、老人だった。
 ジジイ感が強い男。
 真っ白な髪とヒゲ。
 中肉中背で、少々目つきが悪い。

「私は、九華十傑の第十席序列二位バンプティ」

「……はぁ…………で、だれ?」

「簡単に言えば、ぬしの強化パーツじゃな。まあ、ぬしの方が、私の強化パーツといえなくもないのじゃが……まあ、お互いがお互いを支えるという感じでとらえておけば問題はない」

「……何を言っているのか、一ミリもわからないのですが……」

「だろうな。別に、ぬしに言っておるわけではないからのう」

「……ぇえ……どういう……」

 と、困惑が止まらないゲンの耳に、

「ん?」

 キィイイン……

 と、次元に亀裂が入るような音が響いた。

「なになになにぃい! もう、マジで、色々勘弁してくれ!」

 ワケの分からない状況が連鎖して、
 普通にパニックになるゲン。

 そんな彼の前に、





「……ぷはぁ……」





 彼女は顕現する。
 時空の裂け目から飛び出してきた漆黒の美女。

 その美女は、ゲンを睨みつけ、

「……ヨグと切り離されたか……人為的な介入がなければありえない現象……この不可思議は、貴様がやったのか?」

 そんな言葉を投げかけてきた。
 ゲンは、何がなんだか分からず困惑しつつも、
 『否定しなければいけない』という衝動にかられたため、

「ぃ、いや……たぶん、俺じゃないっすね……なんもしてないんで……」

 と、必死に『自分は関係ない』ということをアピールしていく。
 この段階で、すでに、ゲンの寿命がストレスでマッハ。

 そんなゲンの『小物っぷり』には目もくれず、
 彼女は、ボソボソとつぶやく。


「この私を引きずりだすとは……ムチャクチャなことをするな……正直、引いている」


 黒髪ロングで、黒肌で、黒いドレスを纏うという、
 全身を黒で統一している絶世の美女。

 そんな彼女に対して、
 ゲンの背後にいるバンプティが、

「引きずりだしただけではないぞ。これから、ぬしを、ボコボコにして、私の装備品にさせてもらうつもりじゃ」

「……イカれたことを……貴様のような脆弱なゴミが、この私を支配できるとでも?」

「私一人では、なかなか厳しい。しかし、そこにおるゲンと合体すれば、不可能ではない。というより、まあまあ楽勝じゃろうな」

「……私は、シュブ=ニグラス。外なる神の頂点ヨグ=ソトースと同列の女神。貴様らのようなカスに支配されるほど矮小な命ではない」


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