センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
82話 ゼノリカにとってのセンエース。
83話 イア・イア・ヨグ=ソトース、フタグン!
「そんなことを考えている時間はないんだって! 今日中に行かないと、あいつ、キレるから! というか、そこ! トウシを誘拐する計画を綿密にたてるのをやめろ! あいつに頼むとか冗談じゃねぇ! あと、シューリ、お前、なんで、『やれやれ、仕方ねぇなぁ』みたいな顔してんだ! お前ら、全員、いい加減にしろぉ!」
『ゼノリカと距離を置くためなら、最悪頭を下げてもいい』
とおもえるのに、
『自分の命を守るために頼る』
という行為に関しては、ガチで絶対にイヤで仕方がない。
それが、センの本音。
ゼノの時のように、『頼るしかない』という極限状態に陥らない限り、絶対に頼りたくない相手。
それが、センにとっての田中トウシなのである。
……どんだけ嫌いなんだ……
★
――その後も、必死に説得することで、
センは、どうにかこうにか、一人で、時空の門に旅立つことに成功した。
ちなみに、今は、大空を飛行中。
ヨグから教えてもらったこと。
『時空の門』を開くには、
三つのカギを、天の祭壇にかかげる必要がある。
天の祭壇は、センが、この世界で最初に踏みしめた『荒野』の上空一万メートルの地点に、不可視化の魔法がかけられた状態で設置されているという。
「ゼノリカの件……分かっていたことではあるが……やっぱり、クソめんどくせぇなぁ……どうにか、あいつらの頭から、俺に関する記憶を消せねぇかなぁ……」
瞬間移動で、荒野の上空を散策しながら、
ゼノリカの記憶を消す方法を模索していると、
「……あれか……」
センの目でも、かすんでしか見えないほどの不可視化。
その厳重な隠蔽(いんぺい)工作をくぐり抜け、
センは、天の祭壇に辿り着いた。
本来であれば、
天の祭壇を見つけるために、
『エイボンの書』を入手する必要があるのだが、
センは、すでに、ゼノ・セレナーデで入手しているので、
間接的クリアとみなされた。
本来、『時空の門』を潜り抜けるためには、
無数の条件をクリアする必要があるのだが、
その全てが、ゼノのクリア報酬としてカットされた感じである。
「――もう、すでに、えぐい気配を感じるな……」
天の祭壇に足を踏み入れた段階で、
センの背筋が凍っていた。
これまでのあれこれで、センは、メチャクチャに強くなったが、
しかし、それでも恐怖を感じるほどの圧力。
「さて……それじゃあ、行こうか……」
あらためて覚悟をきめなおしてから、
センは、この領域の、ちょうどド真ん中に設置されている祭壇に、
三つの鍵をセットして、
「オング、ダクタ、リンカ。ネブトッド、ヂン。フングルイ、ムグルウナフ、ヨグ=ソトース、ンガァ・グア、ナ・フルタグン。
イア・イア! ヨグ=ソトース、フタグン!!
イア・イア! ヨグ=ソトース、フタグン!!! 」
ちょっとだけ心を込めて、
ヨグに教わった呪文を唱えてみた。
すると、
ズゴゴゴゴっと、それっぽいSEが響き渡り、
天の祭壇のトイメンに、デカイ扉が出現した。
「……これが『時空の門』か……あらい造りだな」
などと感想を口にしつつ、
センは、時空の門をくぐった。
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